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第1回WBC侍ジャパン外野守備走塁コーチ 弘田 澄男氏が語る『欧州代表』との一戦

2015年3月4日

「また、悔しい思いをしたいのか?」

 南国・高知県黒潮町。太平洋からの砂塵が吹き荒れる大方球場で、小柄な紳士から昨年NPB入りをあと一歩で逃した若手外野手のわずかな緩みに対し厳しい檄が飛んだ。声の主は現在、独立リーグの四国アイランドリーグplus所属・高知ファイティングドッグスで監督2年目を務める弘田 澄男氏(65歳)である。

 この名前を聞いて膝を叩いた人はかなりの「通」な方だ。高知高(高知)~社会人・四国銀行を経て1972年にロッテ・オリオンズ(現:千葉ロッテマリーンズ)に入団した弘田氏は、ロッテで12年・阪神タイガースで5年間を過ごした現役生活で1592試合出場・1506安打をマークし、外野手ベストナイン2回・5年連続ダイヤモンドグラブ賞(現:ゴールデングラブ賞)など数々の栄光を獲得。

 1974年の日本シリーズでは、1番や5番を張り22打数9安打7打点2本塁打でロッテを24年ぶりの日本一に導き、自身も日本シリーズMVP。1985年にも小技が利く2番打者として阪神タイガース21年ぶり日本一の影の立役者となった。

 そんな弘田氏は指導者としても阪神・巨人・横浜の3球団でヘッドコーチ、打撃コーチ、外野守備走塁コーチを歴任。その実績を買われ2006年開催の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では侍ジャパンの外野守備走塁コーチとして世界一にも貢献した。

 今回はそんな国際試合経験も豊かな弘田氏に「侍ジャパンvs欧州代表」の見どころを聞いてみることに。自らも指導経験のある欧州選手の特徴や、現場目線ならではの「深い」見どころについて、大いに語ってもらった。

欧州チームの弱点は「緻密さの欠如」

「第1回WBCで欧州から出場していたのはオランダとイタリアでしたが、1次ラウンド・2次ラウンドで対戦する組み合わせでなかったので、当時は視野には入っていませんでした。当時はプエルトリコ・ベネズエラ・アメリカ・韓国をマークする状態。(2次リーグでアメリカを破った)メキシコでも最初強いとは思っていなかったくらいでした」 それから9年。日本を取り巻く野球の状況も大きく変化した。
では、昨年は高知ファイティングドッグスでバルボア(投手・スペイン出身)、アンヴィ(外野手・フランス出身)の2人の欧州出身選手を指導した弘田氏にとって、現在の欧州野球はどのように映っているのだろうか?

「バレンティン(現:東京ヤクルトスワローズ・第3回WBCオランダ代表)のような突出した爆発力のあるパワーのあるタレントは生まれる可能性があります」

 確かにそうだ。多彩な変化球を操ったバルボア、創設10年目にして四国アイランドリーグplus史上初のサイクルヒットを放ったアンヴィ。彼らもツボに入った時の爆発力は周囲を凌駕していた。ただ、機動力野球「スモールベースボール」を選手としても指導者としても体現している弘田氏は、爆発力の裏にある脆さも指摘する。

「欧州の選手の印象は日本選手ほどの緻密さは持ち合わせていないですね。昨年、高知ファイティングドッグスに所属した2人も、けん制や、バッティングの変化球対応にしても緻密さがなかったんです」。

 それは「チーム」の部分にもあてはまるようだ。
弘田氏はここで第1回WBC当時の逸話を一つ紹介してくれた。
「僕らはアリゾナ合宿中にメキシコの練習試合を見に行ってデータを取りましたし、試合のDVDを見ながら投手のクイックタイムも測りましたが、他チームにはそういう雰囲気はありませんでした。今回の侍ジャパンvs欧州代表は、力と力の勝負が基本になるでしょうが、最終的には投手力とかも含めた部分で差が出てくるとは思います」戦いの場に身を投じた者だからこその見解を頭に入れてこの2試合を観戦すれば、一投一打がより深みを持って見ることができるだろう。

「世界一奪還」への、もう1つの視点

「でもひょっとしたら、今回の欧州代表戦で侍ジャパンが苦戦することもあるかもしれませんよ」
 第1回WBC外野守備走塁コーチならではの視点から「侍ジャパンvs欧州代表」を分析してくれた弘田氏の口から、唐突な言葉が発せられた。

「どうしてですか?」その答えもプロで40年以上過ごした弘田氏ならではの視点である。

「今回はデータがなく、行き当たりばったりで対戦しているから。本番は今年11月の『WBSCプレミア12』。ここで対戦相手のデータを集めることも重要な要素なんです。 たとえば僕がNPBのコーチをしていた時も外国人にはオープン戦で打たれながらもデータを取って、公式戦になったら弱点を徹底的に突く。そんなことをしていくことが日本野球なわけです。お客さんはもちろん勝ってほしい。現場も親善試合とはいえ日本の強さを見せつけるために勝ちたい。でも、その反面にそんな要素があることもわかってほしい。第1回WBCで優勝できた一因も『データ』でしたから、本番で世界一を獲るための準備という部分でも、この2試合を楽しんでほしいと思いますね」

 となると、この2試合はどんな展開になっても、11月までのロングストーリーの一環として見ることができるということ。侍ジャパン世界一奪還へ。欧州代表戦はその下地作りの上でも実に重要な戦いとなる。

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