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U-18対戦国の野球/メキシコ野球の先を見据えた若年層強化

2015年8月31日

 サッカーの強豪国として有名なメキシコ。しかし、中南米で唯一夏と冬にプロ野球のシーズンが開催されている野球大国であるのはあまり知られていない。
 夏シーズンは3月にキャンプが始まり9月上旬に終了するリーガ・メヒカーナ・デ・ベースボール(LMB)。16球団あり南北2つに分けられたディビジョンで113試合行われる。夏のシーズンが終わると10月には冬シーズン、リーガ・メキシカーナ・デ・パシフィコ(LMP)が北部のソノラ州、シナロア州を中心に8球団で1月まで熱戦を繰り広げる。最新の世界ランキングでは12位のメキシコだが最近5年間でカリビアンシリーズ(キューバ、ドミニカ共和国、ベネゼエラ、プエルトリコ、メキシコの各リーグを制した代表の大会)を3度制している。トップの強化には必ずボトムアップが行われている。その理由を探りにメキシコ球界を追ってみた。

 明らかに成熟していない体では無理もない。動くたびに道具がぶれ、マスクは傾く。鋭く曲がる「プロ」のスライダーを体に受ける。びっしょり汗をかいた捕手がブルペンから上がって来た。「14歳」と答えたその表情は幼さが残る少年そのもの。メキシコ球団の春キャンプでの一コマである。GM曰く、「彼等とはプロ契約を結んでいる」とのこと。14歳が米大リーグ経験者達の球を取る事に関しても、「経験が一番の育成だ」と胸を張る。
 メキシコプロ野球の登録可能年齢は16歳以上であるが、満たない若手有望選手を先行投資で契約し、キャンプに参加させ経験を積ませる。キャンプが終わる3月下旬に全球団の16歳未満の「プロ野球選手」が集うアカデミーにて8月まで実戦を繰り返す。彼等の「育成プログラム」は終わらない。10月には冬季リーグが行われている北部に場を移す。そこでアメリカ帰りの大リーガー達と一緒に汗を流し、腕を磨く。

 14歳から選手契約をする球団にも思惑がある。選手の最終目標は「アメリカ」でプレーする、大リーガーになる事だ。その可能性がある選手には経験の場を与え、16歳を迎えるとリーグに参戦させる。実力が認められるとMLBの球団と契約し目標の第一段階を上がるのだ。メキシコ球団側は選手を育成しMLB球団へ契約を売るバイアウトにより資金を得る。これは重要な球団運営の柱でもあると前出のGMは言う。2013年に台湾で行われたU18ワールドカップに参戦した何人かの選手と話すと参加当時はまだメキシコ球団と契約に至ってなかったという。選手権に選ばれた事でスカウトの目に留まったようだ。野球が盛んなメキシコ北部では先にも述べた冬のリーグの他にも独立リーグや若手の育成リーグなどのプロ野球球団が存在する。サッカー人気の強い南部でも州内のプロリーグがあるため選手確保はどの球団も最重要課題。その為に日本の5倍という広大な国土に担当スカウトを置き選手獲得に力を注ぐ。

 メキシコ野球界のボトムアップにはプロ野球球団の育成システムの影響は大きい。有望株として14歳で契約し、英才教育を受ける選手も入れば地域や州の代表で国内外の大会に出てスポットを浴びる選手もいる。代表に選ばれれば自らの野球道が広がる事を知る選手達。胸に刻まれたMEXICOを着て戦う「意義」を理解し大会に挑むモチベーションと陸続きでラテン諸国の中でも閉鎖的で国民意識が強い大国のまとまり。これらが一致した時のメキシコ野球の強さは世界ランキングでは表す事が出来ない脅威になる。

侍ジャパンU-18代表 2015

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第27回 WBSC U-18 ベースボールワールドカップ

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開催概要 チケット 放送予定
8月26日(水)18:00 侍ジャパンU-18(高校)代表 2 - 9 侍ジャパン大学代表
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