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"世界の野球"パラオ共和国 よみがえれ南洋の「ヤキュウ」魂「二年間」

2017年9月15日

文・写真=大庭良介(JICA青年海外協力隊)

 2015年7月から始まった青年海外協力隊の任期を終え、日本に帰国して2か月が経とうとしています。実家で過ごし街を歩いていると、二年間のパラオでの生活は夢だったのではないかと不思議な感覚になり、つい先日まで毎日通っていたアサヒ球場で練習することもないのかと思うと寂しい気持ちになります。

 信頼を得るためには、、、
 コラムの中で度々出てきていますがグラウンド整備。環境整備を定着させ、人として野球人として成長していくためのツールであったTOMBO。どこまでパラオの野球にTOMBOが浸透していったかどうかはわかりません。しかし、少なからず私の意見に耳を傾け、パラオ野球に今までになかったグラウンド整備を実行し、その意味を理解しようとしていた現地のパラオ人がいました。もちろん、彼らがすぐに整備を始めたわけではありません野球大国の一つである日本から来たとは言え、いきなり外国から来た若者に、整備をする行為が人としての成長を促すと言われたところで、信頼関係のない間柄では相手に響くはずもありません。信頼を得るためにはどうしたらいいのか。自分が現地の人にとって必要とされる人間にならなければいけないと感じました。

 指導していたガルベエズのチームでは、私が持っている限りの野球の知識を伝えた結果目に見えて上達する選手が出たり、また練習がない時もガルベエズの選手達と時間を共に過ごしていく中で選手や現地人達と近い存在になれたのではないかと感じています。
 赴任当初単独で行っていた雑草抜きや廃材からのトンボ作り。確かに整備をする前に必要であった行為に間違いありません。あの時の私は、行動で示せば見ている現地の人に伝わる、わかってもらえると思っていました。しかし、一番大切なことは現地人がどう感じるかであり、どれだけ必要とされているのか。そして必要とされるには、信頼されるにはどうしたらいいのか。多くの事を考えているうちに、私は自分が信頼されたかったらまず自分が相手を信頼しなければならないと、異なる文化や環境で生活していく中で痛感しました。そして、もう一つ大切なこととして、結果はどうあれ自分がやりたい何かがあったらその信念を貫き通す。自分はどうしたいのか、何がしたいのか。自分の核となるものが生きていく上でとても大切だということにも気づきました。

 最終的にグラウンド整備が定着したわけではありません。でも、この二年間私自身行ってきたことに後悔はありませんし、すべてがこれからの自分のためになったと感じています。

ガルベエズ

 一人では生きていけない、、
 この二年間楽しい時も、辛い時も多くのパラオ人、在留邦人、日本から応援してくれる人、色々な人のおかげで体調を崩すことなく過ごすことができました。現地で経験したすべての事は、私一人で行ったことではなく、誰かのおかげですべてが成り立っていました。自分がいかに無力であるかも感じました。しかし、無力だけれども周りの人たちを巻き込み、様々な人の意見を聞いていく中でできることも多くあることにも気づくことができました。日本でも、一人ではできないようなことに、周りの人を巻き込みながら、これから待ち受ける大きな壁の克服を含めて挑戦していきたいと思います。

「侍JAPAN 世界の野球」で8回にわたりコラムを執筆させていただきましたが今回で最後となります。執筆するにあたり多くの方々に御協力頂きました。この場をお借りして、侍JAPAN、青年海外協力隊事務局、JICA広報、JICAパラオ支所に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。又読者の皆様にも乱文にも関わらずお付き合いして頂きました事ありがとうございました。

著者プロフィール
大庭 良介
1992年9月21日生
湘南工科大学附属高校-日本体育大学
2015年7月よりパラオオリンピック協会・パラオ野球連盟に青年海外協力隊 野球隊員として配属。委任統治していた時代に日本人が伝えたヤキュウの再復興、ヤキュウを通じた人間力の向上を目指し、多くの事を現地人、環境から学び経験している。

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