2月17日、侍ジャパントップチームが『カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 東京プール』(3月9日に東京ドームで開幕)に向けた「侍ジャパン宮崎キャンプ2023」をひなたサンマリンスタジアム宮崎(宮崎県宮崎市)で開始。多くのファンが詰めかける中で、選手それぞれが課題を持って調整に励んだ。
9時半すぎからチームミーティングを行い、10時前に選手たちがグラウンドへ姿を現した。すると、平日ながら集まった18,541人のファンから大きな拍手が選手たちに送られ、華やかな空気に包まれた。
アップの後は投手・野手に分かれて練習。投手陣は松井裕樹(楽天)と栗林良吏(広島)がブルペン入りした。
MLB所属選手では唯一の宮崎キャンプ参加となったダルビッシュ有(パドレス)は、この日ブルペン入りこそしなかったものの、サブグラウンドでキャッチボールを行うと、多くの人だかりができ、注目度の高さが窺えた。
選手たちとも積極的にコミュニケーションを取り、山本由伸(オリックス)や佐々木朗希(ロッテ)らとは「体幹のメニューや準備のルーティンなどについて聞くことができました」と振り返り、「情報共有してお互いに成長していきたいです」「常に成長するという姿勢で崩してはいけないと思っています」と、この代表期間でも貪欲に吸収していく意気を感じさせた。
一方、球場では打撃練習が行われ、村上宗隆(ヤクルト)が11本、山川穂高(西武)が13本の柵越えを放ち、スタンドを沸かせた。山川は練習後「ホームランを打つと大きな拍手を送ってくださるので、調子に乗るタイプの僕としては嬉しいです」とファンの熱い思いに対して感謝した。
午後に入ると選手たちは各々の課題を持って自主練習へ移った。WBCの大会使用球への対応は投手について話題になることが多いが、捕手陣や内野手数名もサブグラウンドで感触を確認しながら捕球や送球を行った。
大会使用球についてはNPBでの使用球よりも滑りやすいとされているが、城石憲之内野守備・走塁兼作戦コーチは「今のところはそんなに気にはしていませんが、気候によっても(感触などは)変わってくるので、その辺りは少し気にしていきたいです」と話した。
また、捕手として特守で好送球を何度も見せていた中村悠平(ヤクルト)は「しっかり掴まないと上手く投げられない難しさはあります」とし、「練習をやって感覚を掴んでいきたいです。ヤマ(ボールの縫い目)にしっかり指をかけるか、かけられなくてもしっかり投げられるようにしないといけません」と臨機応変に対応していけるよう調整していると明かした。
初日の練習を終えて栗山英樹監督は「とにかくみんなが明るく楽しくやってくれて良い1日でした」と振り返り、多くのファンが詰めかけたことについては「朝早くからたくさんの人が野球場に来てくれる姿に感動しました」と感謝した上で「その思いに応えるためには勝つしかありません」と気を引き締めた。
多くのファンの前で幸先良くスタートを切った侍ジャパン。悲願の王座奪回に向けて、2日目もひなたサンマリンスタジアム宮崎で練習が行われる予定となっている。
監督・選手コメント
栗山英樹監督
「(主将を置かない理由について)年齢も実績も関係なく選手一人ひとりが“自分が主将なんだ。引っ張らないといけない”と思えば、行動が変わると思います。いろんな理由・状況を考えると、これがベストと考えました。例えば会社員の方でも“自分が作った会社だ”と思えば仕事のやり方も変わる可能性があると思うんですよね。(雰囲気について)以前取材していた第1回や第2回大会の時はものすごい緊張感が練習から感じたけれど、今は時代なのか、選手たちからワクワク・キラキラしたものを感じて、プレッシャーを楽しんでくれているように感じますね」
ダルビッシュ有(パドレス)
「普段と変わらず練習に集中ができました。その日その日で体調は違うので、それに対してアプローチしていくのが自分の調整方法です。明日にはブルペンに入ろうと思っていますが、その後については何も決まっていません。(時差ボケについては)朝は起きれていますが、アジャストするまでは1週間くらいかかると思うので無理せずやっていきたいです。このチームの強みは、人と人の距離が近いこと。チーム一丸となった野球ができると思います」
村上宗隆(ヤクルト)
「たくさんのファンの皆さんの前でプレーできて良かったです。皆さん各球団でキャンプをしてから来ているので体もできていましたし、明るく楽しくできました。WBC使用球はこれまでもキャッチボールしてきたので大丈夫です。体のキレと実戦を意識しながらやっていきたいです。すべてにおいてできることをやっていきたいですし、走攻守で引っ張っていきたいです」
2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™
試合日程
カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 強化試合
2023年3月6日(月) 18:00 阪神タイガース 1 - 8 日本
2023年3月7日(火) 19:00 日本 9 - 1 オリックス・バファローズ
カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 1次ラウンド 東京プール
2023年3月9日(木) 19:00 日本 8 - 1 中国
2023年3月10日(金) 19:00 日本 13 - 4 韓国
2023年3月11日(土) 19:00 日本 10 - 2 チェコ共和国
2023年3月12日(日) 19:00 オーストラリア 1 - 7 日本
カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 準々決勝ラウンド 東京プール
2023年3月16日(木) 19:00 日本 9 - 3 イタリア
準決勝
2023年3月21日(火) 8:00 日本 6 - 5 メキシコ
決勝
2023年3月22日(水) 8:00 日本 3 - 2 アメリカ
開催球場
台中インターコンチネンタル野球場、東京ドーム、チェイス・フィールド、ローンデポ・パーク
強化試合:京セラドーム大阪、ひなたサンマリンスタジアム宮崎、アイビースタジアム
出場チーム
プールA
チャイニーズ・タイペイ、オランダ、キューバ、イタリア、パナマ
プールB
日本、韓国、オーストラリア、中国、チェコ共和国
プールC
アメリカ、メキシコ、コロンビア、カナダ、イギリス
プールD
プエルトリコ、ベネズエラ、ドミニカ共和国、イスラエル、ニカラグア
カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023 宮崎
試合日程
2023年2月25日(土) 13:30 侍ジャパン 8 - 4 福岡ソフトバンクホークス
2023年2月26日(日) 14:00 福岡ソフトバンクホークス 2 - 4 侍ジャパン
開催球場
ひなたサンマリンスタジアム宮崎
出場チーム
侍ジャパン、福岡ソフトバンクホークス