7月17日(日)、「第40回日米大学野球」の第5戦が静岡草薙球場で行われた。2勝2敗で優勝を懸けた大一番となった試合は延長10回タイブレークにまでもつれ込む激戦となり、侍ジャパン大学代表が島田海吏外野手(上武大)のサヨナラ犠牲フライで5-4と競り勝ち、2大会連続18度目の優勝を飾った。
必勝リレー崩され延長タイブレークへ
試合は初回から動いた。開幕戦にも先発したタナー・ホウク投手(ミズーリ大)の制球が乱れ、四球と暴投で侍ジャパン大学代表が無安打で先制点を挙げた。
続く2回には、辰己涼介外野手(立命館大)がホウクの豪速球を振り抜き、バックスクリーンに飛び込む今大会チーム第1号本塁打を放ち追加点を挙げた。
この2点のリードをもらった先発の柳裕也投手(明治大)だが、7回無失点12奪三振を挙げた第2戦とは異なり、相手打者が低めの変化球を見極めていた。
そこで柳は大きなカーブを使って相手の目線を上げさせ、低めの変化球に手を出させるよう工夫するなど巧みな投球で5回途中まで、大学米国代表打線を無失点に抑えた。また5回2死一塁からは佐々木千隼投手(桜美林大)がマウンドに上がり、空振り三振でチームにさらなる勢いを与えた。
すると、5回裏には2四球と暴投から得たチャンスで佐藤拓也外野手(立教大)のレフト前2点タイムリーが飛び出し、侍ジャパン大学代表が4点をリードした。
だが、これに黙っている大学米国代表打線ではなかった。7回に連打と四球で佐々木をマウンドから引きずりおろすと、代わった田村伊知郎投手(立教大)から、エバン・スコウグ捕手(テキサスクリスチャン大)が前日に続く本塁打となる起死回生の同点満塁弾を放ち、試合を振り出しに戻した。
その後、両チームとも走者を出し9回に走者を出すもチャンスで併殺に倒れ、勝ち越し点は奪えず、決着は延長タイブレークに持ち込まれた。
齊藤が気迫の連続三振
無死一、二塁の状況から打順を選択して始まる延長タイブレーク。大学米国代表の攻撃は攻守を通じて活躍が光るティージェー・フリードル外野手(ネバダ大)がしっかりと犠打を決め、1死二、三塁のチャンスを作った。
ここで横井人輝監督は「最後は齊藤と決めていた」とサイドハンド左腕の齊藤大将投手(明治大)をマウンドに送った。
齊藤はこの緊張感のある場面にもかかわらず、ジェレン・ケンドール外野手(バンダービルト大)とスコウグを、得意球のスライダーで連続三振に斬って取り、無失点で切り抜けた。
そして、その裏の攻撃を9番の京田陽太内野手(日本大)から始めた侍ジャパン大学代表は、京田がしっかり犠打を決めると、佐藤が敬遠で歩かされ一死満塁。ここで今大会無安打の島田海吏外野手(上武大)が打席に立った。
島田は「チームに迷惑をかけていたので何とか貢献したかった」と、3球目を上手くおっつけると、レフト後方に上がるフライを放ち、大西千洋外野手(法政大)がチーム一の俊足を飛ばし、生還。侍ジャパン大学代表が劇的なサヨナラ勝ちで、2大会連続18度目の優勝を決めた。
コメント
侍ジャパン大学代表/横井人輝監督
「みんなで掴み取った勝利です。柳を中心にチームが結束して“これぞ代表戦”という試合を制することができました。彼ら24名にはこの経験を各チームに持ち帰って各リーグそして大学球界の発展に貢献して欲しいです」
侍ジャパン大学代表/島田海吏外野手(上武大学)
「ずっとノーヒットでチームに迷惑をかけていたので、素直に嬉しいです。前の打席でバットが折れ新しいバットで臨んだのが良かったのかもしれません(笑)このチームでプレーができて本当に良かったです」
大学米国代表/ジョージ・ホートン監督
「敗れはしましたが、選手たちを誇りに思います。ただ、今後に向けて選手たちには、“これで2番になるのは最後にしなければいけない”と、しっかり伝えたいです」
第40回 日米大学野球選手権大会
大会概要
出場選手
全日本大学野球連盟 公式サイト(外部サイト)
大会結果
第1戦 7月12日(火) 日本 2 - 1 アメリカ
第2戦 7月13日(水) アメリカ 0 - 1 日本
第3戦 7月15日(金) 日本 0 - 1 アメリカ
第4戦 7月16日(土) アメリカ 10 - 2 日本
第5戦 7月17日(日) 日本 5x - 4 アメリカ
大会期間
2016年7月12日~17日(※予備日7月18日)
会場
7月12日(火)、13日(水)ハードオフエコスタジアム新潟(新潟)
7月15日(金)明治神宮野球場(東京)
7月16日(土)、17日(日)草薙球場(静岡)
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