12月7日、侍ジャパン大学代表候補選手の強化合宿3日目が愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで行われた。

最終日となったこの日はシートノックやフリー打撃を行うとともに、毎年恒例となっている光電管を使用した50メートル走測定も行われた。
これまで並木秀尊(当時獨協大、現ヤクルト)や五十幡亮汰(当時中央大、現日本ハム)らプロでも活躍する俊足自慢が全体トップになってきていたが、今年は岡田啓吾(明治大)が5秒69というタイムを叩き出して参加野手全員の頂点に立った。
光電管を使用して計測するようになった2022年以降のこの合宿では、宮崎一樹(当時山梨学院大、現日本ハム)の5秒91、松川玲央(城西大、ヤクルトドラフト2位)の5秒88、岡城快生(筑波大、阪神ドラフト3位)の5秒82をも上回る歴代トップのタイムだ。
岡田は、小学5年生時に陸上100メートルの全国大会に出場し全体9位となった実績があり、「足には自信があるのでアピールできればと思っていました」とは言うが「記録は驚きました。嬉しいです」と笑顔で振り返った。
今回の合宿全体については「いろんな選手と話すことができたので、学んだことを持ち帰ってチームにも共有したいです」と殊勝に語った。特に緒方漣(國學院大)の守備の意識や細かいところにまでの気配りは大きな刺激や学びを得たといい「昨日も遅くまで話を聞きました。守備は自分の課題なので自分に落とし込んでいきたいです」と、様々な収穫を掴んだようだ。
この他にも市橋昂士(龍谷大/5秒91)、境亮陽(法政大/5秒92)、田上夏衣(明治大/5秒92)、榊原七斗(明治大/5秒99)が5秒台を記録し、鈴木英之監督は「思っていたよりも足の速い選手が多くて非常に良いですね」と高く評価した。

また、今回は投手陣の測定も行い、30メートル走測定では野村亮輔(佛教大)が4秒04でトップ、重さ3キロのメディシンボール投げ(バックスロー)では鈴木泰成(青山学院大)が20メートル59でトップに立ち、存在感を示した。
合宿を打ち上げ、鈴木監督は報道陣に「このひと冬で選手たちはもっと成長すると思うので、この3日間を経験しレベルアップした選手、春に台頭してくる選手に期待したいです」と展望を話し、選手たちには「よりいっそうレベルアップして、6月(次回の選考合宿)にまた会えることを楽しみにしています」とエールを送った。
今回の合宿も充実の内容となり、来年参加が予定される国際大会に向けても弾みがつく3日間となった。
選手コメント
鈴木泰成(青山学院大)
「今年の夏に続いて、レベルの高い選手から技術面や考え方を学んだので今後に大いに生かしていけそうです。新しい発見があったので、いろいろ試して自分に良いものを取り入れていきたいです。測定の数値ももっと上げられますし、この冬にフィジカルも技術も上げていきたいです」
矢花大聖(北海道教育大岩見沢校)
「すごい人たちと練習させてもらいました。メモをたくさんしたので、整理して自分のレベルアップに繋げていきたいです。全国レベルの選手を間近に見たくて、自分にどれくらい何が必要か知りたくて応募したので、とても良い合宿になりました」
常深颯大(大阪経済大)
「どちらかというと変化球投手で、あまりストレートに自信が無かったのですが榊原選手から三振を奪うことができ手応えを掴みました。まずはリーグ戦で優勝して大学選手権で勝ち切って、侍ジャパンに選ばれるように頑張りたいです」
伊藤愛希(吉備国際大)
「トップ選手と練習できて、たくさんコミュニケーションが取れて自分に何が必要かと分かりました。ストレートでは差し込めていたのですが決め球の精度が全然足りていません。三振取れる変化球にしていきたいです。まずは春の大学選手権に出て今回の選手たちと戦いたいです」
























