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試合レポート

鈴木が決勝満塁弾!侍ジャパンが延長タイブレークの末に12対10でオランダに勝利!

2016年11月13日

「侍ジャパン強化試合 日本 対 オランダ」の第2戦が11月13日、東京ドームで行われ、2試合連続で延長タイブレークの末に侍ジャパンが12対10でオランダ代表を辛うじて退けた。

 年内最後の一戦。この日は1番・秋山翔吾(埼玉西武)、2番・菊池涼介(広島東洋)の後に「3番・DH」で山田哲人(東京ヤクルト)を起用。4番・中田翔(北海道日本ハム)、5番・筒香嘉智(横浜DeNA)は変えずに、6番には今回の強化試合が代表初召集となる鈴木誠也(広島東洋)を置いた。
 日本は初回、オランダの技巧派左腕・マークウェルの前に無得点に終わるとその裏、代表初登板となった先発の石田健大(横浜DeNA)が「緊張した部分があった」と制球を乱し、2四死球で無死1、2塁のピンチを背負う。ここで3番・デカスターにセンター前タイムリーを浴びると、さらに2死1、3塁から6番・リカルドには三塁強襲安打を許して2点を失う立ち上がりとなった。
 早く追い付きたい日本は直後の2回表、筒香の四球と鈴木の2塁打で1死1、3塁のチャンスを作ると、前夜のヒーロー・大野奨太(北海道日本ハム)がライト前タイムリー。しかしその裏、オランダが2死2、3塁のチャンスに再び3番・デカスターが、今度はセンターの頭上を越える2点タイムリー2塁打。石田は3回を5安打3四死球4失点で降板した。
 その後、日本は4回表に7番・松田宣浩(福岡ソフトバンク)がレフトへ豪快なソロアーチを放ったが、代わった2番手の田口麗斗(読売)が2本のヒットと四球で1死満塁とされ、3番・デカスターに犠牲フライを許して1失点。続く5回裏には1死2、3塁から8番・スコープに左中間スタンドへ飛び込む3ランを被弾。田口も2回を4安打1四球4失点と課題の残る代表デビュー戦となった。

 2対8。日本が6点を追う7回表だった。この日ベンチスタートだった大谷翔平(北海道日本ハム)が代打で登場すると、2ボールからの3球目をフルスイング。ライト頭上への高々と舞い上がった打球は、そのまま東京ドームの天井に吸い込まれる2塁打(グラウンドルールによるもの)。「あんな打球を見たのは生まれて初めて」と小久保監督。「飛距離は十分だった。あとは打球が切れるかどうかでしたけど、(天井に)入ったところはインフィールドだった」とは大谷。場内はどよめきに包まれた。
 この大谷の規格外の一打から侍打線に火が付く。1死後に秋山が四球を選んで1、2塁となり、2番・菊池がレフトフェンス直撃のタイムリー2塁打でまず1点。続く3番・山田のセンター前タイムリーで2者が生還すると、さらに中田のラッキーなヒットを挟み、5番・筒香がセンターフェンス直撃のタイムリー2塁打。オランダが継投策で流れを断ち切ろうとする中、鈴木も左中間を破るタイムリー2塁打を放ち、この回一挙6点を奪って同点に追い付いた。
 6回以降は、大瀬良大地(広島東洋)、山﨑康晃(横浜DeNA)、秋吉亮(東京ヤクルト)が好リリーフを見せ、2試合連続でのタイブレーク方式(無死1、2塁からスタート)の延長戦へと突入。そして迎えた延長10回表、中村が送りバント失敗も筒香が四球で1死満塁となると、小久保監督が“打線のポイント”として挙げていた「筒香の後」を任された鈴木が、カウント2-2からの5球目のカーブを芯でとらえてレフトスタンドへ飛び込むグランドスラム。その裏、千賀滉大(福岡ソフトバンク)が2点を失いながらも3三振を奪ってゲームセット。前夜の3時間57分を上回る4時間18分の熱戦に終止符を打った。

 今回の強化試合を3勝1敗で終えた小久保監督は、「この4試合、点は取られましたけど、いい強化試合だったと思います。大きなケガがなく終えられてホッとしている。打線の収穫は鈴木誠也、投手陣では秋吉が一番安定していた」と収穫を口にしつつ、「思うように力を発揮できなかった選手もいた」とも振り返った。
 いよいよ来年3月7日に第4回WBCの初戦を迎える。小久保監督は「世界一奪還へ向けて、とにかく全力を尽くすだけ」と改めて決意表明。今回の収穫と課題を侍ジャパンの強さに変え、目標である世界一へと突き進む。

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