7月7日、第41回日米大学野球選手権大会(米国現地時間7月12日開幕)に向けた侍ジャパン大学日本代表の直前合宿2日目。この日は神奈川県平塚市のバッティングパレス相石スタジアムひらつかで三菱日立パワーシステムズとの練習試合が行われた。
タイブレーク対策の特別延長戦も
この日の先発は日米大学野球でエース格として期待される東克樹投手(立命館大)。初回は140km/h台前半から中盤のストレートを中心に変化球を織り交ぜて無失点に抑えたが、2回に3本の安打を浴び2失点を喫した。
一方、打線は相手先発の第1回 WBSC U-23ワールドカップ代表(2016年)大野亨輔投手のストレート、カットボール、カーブなどを巧みに投げ分ける投球に打線が繋がらず、5回まで無失点に抑えられた。
5回にも伊藤将司投手(国際武道大)の暴投で1点を失った侍ジャパン大学代表だったが、6回から3イニング登板した阪本大樹投手(関西大)が三者連続三振を含む5三振を奪うなど1人の走者も出さずにチームに流れを引き寄せる。
すると8回に主将の竹村春樹内野手(明治大)の安打と相手投手の四球や暴投で1点を返した。
また、1対3で9回を終了した後に、特別ルールとしてタイブレークによる延長戦が行われた。都市対抗野球のルールに準じて1死満塁から行われた三菱日立パワーシステムズの攻撃では、9回から登板していた齊藤大将投手(明治大)が適時打と犠飛で2失点を喫した。
その裏は、国際大会のルールに準じて無死一、二塁から行われた。ここでは侍ジャパン大学代表が、竹村の犠打で1死二、三塁とチャンスを広げると、長沢吉貴外野手(日本大)の三塁ゴロの間に1点を返したが、反撃もここまで。3対5で侍ジャパン大学代表は敗れた。
試合後は打撃練習を行い、その後に記者会見が行われた。善波監督、竹村主将、エースを任される予定の東、4番を任される予定の楠本泰史外野手(東北福祉大)が出席し、日米大学野球への決意を述べた。
善波監督「なんとか日米大学野球3連覇を果たしたいです。阪本は選考段階から安定した投球を見せていました。阪本から抑えの津森(東北福祉大)や齊藤(明治大)に繋いでいければと思います。チーム全体を見ていると、まだ“アメリカに行けばなんとかなる”と思っているところがありそうなので、その辺りはお小言を言いました。しっかり仕上げていきたいです」
竹村「責任感を持って全勝優勝に貢献したいです。まだ少し声を出すのに遠慮があったりするので、もっとコミュニケーションを取って、まとまったチームにしたいです。グラウンドのどこにいても目立てるような主将になっていきたいです」
東「今日は、1ランク上の相手に変化球が浮いてしまったので、低め低めに投げられるように、ストレートの調子を戻せるように、1戦目までにしっかり修正をしていきたいです。初戦を勝つことでチームも乗っていけるので、試合を作ることを意識したいです」
楠本「代表の4番を打たせていただく責任感が大きくあるので、このチームの中心となって引っ張っていきたいです。善波監督が仰っていたように、まだ生ぬるいというか、このチームに入っただけで満足している選手が多いので、昨年経験したメンバーがもっと日米大学野球の厳しさを伝えていかないといけないと思います」
今後は、8日にバッティングパレス相石スタジアムひらつかで野球教室と練習が行われ、9日に東芝グラウンドで東芝と練習試合を行い、直前合宿を打ち上げる予定となっている。
選手コメント
侍ジャパン大学代表・阪本大樹投手(関西大)
「当ててもいいというくらいの気持ちでインコースを中心に投げ込みました。今日は自分じゃないような力を出すことができました。(セットアッパーの役割は)短いイニングでスタミナなどを計算しなくていいので、そのおかげで集中できているのかもしれません」
三菱日立パワーシステムズ・大野亨輔投手(昨年の侍ジャパンU-23代表)
(この日は5回4安打無失点)「ボール球が多かったですが、ランナーがいる状況では良く投げられました。(昨年のU-23ワールドカップを経験し)国際大会はストライクゾーンが狭いので、今年はそのゾーンで勝負できるように心がけています。(大学代表にアドバイスを送るとしたら)打者陣が緩い球に反応してこなかったので、いつもより多めにカーブを投げました。タイミングが合っていなくも振っていくことで、相手投手に対しての怖さが出てくるかなと思います」