過去最高は準優勝 悲願の「世界一」を目指すU-18ワールドカップの歴史
2017年8月22日
侍ジャパンの過去最高は準優勝。13年は松井裕樹がアメリカとの決勝で力投。だがあと一歩、及ばなかった
「第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」は9月1日(現地時間)、カナダ・サンダーベイで開幕する。今大会は12カ国・地域が参加するが、大会の歴史について振り返ってみる。
U-18ワールドカップ(旧名称・AAA世界選手権、18U世界選手権)は1981年に第1回大会がアメリカで開催され、初代王者は韓国だった。97年までは毎年行われ、99、2000年を経て、12年までは偶数年に開催。13年以降は奇数年となっており、今回は28回目。カナダで行われるのは、第24回大会以来、7年ぶり13回目だ。
日本が8年ぶりに出場した2012年は「18U世界選手権」、2013年に「IBAF(国際野球連盟)18Uワールドカップ」、国際ソフトボール連盟と統合組織(世界野球・ソフトボール連盟)となった2015年以降は現在の「WBSC U-18ワールドカップ」と大会名も推移している。
実は同大会に日本がチームを派遣するのは今回で8回目。初めて「高校日本代表」を派遣したのは、東北高・ダルビッシュ有(現ドジャース)を擁して準優勝だった2004年だ。1982年、99年は地区選抜を派遣。フル代表は12年(6位)、13年(準優勝)、15年(準優勝)に次いで今回が5度目ということになる。
過去27回大会で予選敗退を含め7回しか出場していないのは、大会開催が夏の甲子園とスケジュールが重複していたことにある。また、使用バット(木製)の問題もあった。だが、大会主催だった当時のIBAF(現WBSC)が、日本が出場しやすいように9月開催へと調整したのが12年だ。この年は花巻東高・大谷翔平(現日本ハム)と大阪桐蔭高・藤浪晋太郎(現阪神)の2本柱を擁しながら、6位。2年生で唯一、出場した大阪桐蔭高・森友哉(捕手)が、決勝進出をかけたアメリカとの予選第2ラウンドで、本塁上で2度にわたり、相手走者による激しい体当たりを受けた。このラフプレーにより「コリジョン(衝突)ルール」が、新たに明文化されたことは記憶に新しい。
桐光学園高・松井裕樹(現楽天)を先発の軸に、抑えには瀬戸内高・山岡泰輔(現オリックス)を敷いた13年はアメリカとの決勝で敗れた(2対3)。前年から2年連続出場の大阪桐蔭高・森友哉(現西武)が攻守にけん引し、準優勝に終わった後の悔し涙が印象的である。
日本開催だった15年もアメリカとの頂上決戦でアメリカに惜敗(1対2)。日本の高校野球の聖地・甲子園で星条旗が躍った。同大会に1年生で唯一、日の丸に袖を通したのが早稲田実業高・清宮幸太郎(現3年)だ。四番を任されたが、大会通算27打数6安打2打点と本来の実力を出し切れず、決勝も1安打。試合後は涙を流し「何も貢献できず、迷惑を掛けてばかりで申し訳ないです。四番が打てないとこういうことになる。また世界一を目指して、チームの軸として、いずれがこの舞台に戻ってきたい」と、2年後の雪辱を誓っていた。
清宮は今大会、2年ぶりの代表復帰を遂げた。いよいよ、カナダで雪辱の機会が訪れたのである。日本の過去最高は準優勝。悲願の「世界一」を目指していく。
第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2017年9月1日~9月11日
オープニングラウンド
9月1日(金)22:30 メキシコ 1 - 10 日本
9月3日(日)5:00 日本 0 - 4 アメリカ
9月4日(月)6:00 日本 7 - 2 キューバ
9月5日(火)3:00 オランダ 1 - 3 日本
9月5日(火)22:30 日本 12 - 0 南アフリカ
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
スーパーラウンド
9月7日(木)22:30 日本 4 - 3 オーストラリア
9月9日(土)6:00 日本 4 - 6 カナダ
9月10日(日)2:00 韓国 6 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
3位決定戦
9月11日(月)1:00 カナダ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
開催地
カナダ サンダー・ベイ
参加国
グループA
カナダ、韓国、チャイニーズ・タイペイ、オーストラリア、イタリア、ニカラグア
グループB
日本、アメリカ、キューバ、メキシコ、オランダ、南アフリカ