侍ジャパンU-18代表を支える齋藤慎太郎アシスタントコーチ
「第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(カナダ・サンダーベイ)に出場している侍ジャパンU-18代表。八田英二団長(日本高野連会長)以下、14人の役員の中には「アシスタントコーチ」という役職がある。全国47都道府県連盟の抽選により2連盟を選出。連盟内で人選された2人が、高校日本代表チームに派遣される。選手が全国約16万人高校球児のうちの20人ならば、アシスタントコーチも全国から選ばれし"精鋭"なのである。毎回、意欲的な若手指導者が日の丸を背負うが、今回も熱血漢あふれる「監督」が帯同している。まずは、1人目の若き指導者を紹介していく。
黒羽高・齋藤慎太郎監督(28歳)。栃木高から筑波大を経て、初任が現在の黒羽高だ。同校の野球部長を経て、赴任2年目から監督となり、今年でチームを率いて4年目である。教員の道を志したのは父・忠さん(現石橋高野球部部長)の影響が大きかったという。
「私が高校時代は別の学校でしたので毎晩、ティー打撃に付き合ってくれました。家では地歴の勉強もマンツーマンで教わりました」
栃木高では五番・遊撃で活躍し、大学では保健体育科教諭としての基礎を学んだ。黒羽高監督として迎えた2年目。父・忠さんが母校・鹿沼高を指揮した最終年の2015年夏、栃木県大会初戦で「親子対決」が実現した。黒羽高が7対6の熱戦を制して、息子が父へ最高の"恩返し"をしている。「最近も、大会の結果を気にかけてくれています」。
今回のアシスタントコーチの打診をこう受け止める。「理事長先生から推薦をいただきました。本当にありがたいことです。自分自身の勉強の場でもありますが、栃木の高校野球のために何かお役に立てれば、なお良いです」と、広い視野を持っている。「トップアスリートの日常生活、取り組みを間近で見ていきたい」。試合、練習においては選手の飲料水の準備、打撃投手、ブルペン捕手と休む間なく、グラウンドを縦横無尽に動き回る。まさしく侍ジャパンを支える、縁の下の力持ちだ
すでに新チーム(2年生12人、1年生6人)がスタートしているが、一つ心配事がある。
「9月10日が秋の県大会初戦(対高根沢高)で、さい配ができないんです。ただ、夏から2年生主体のチームだったので、何とか踏ん張ってほしいと思います。同窓会長ら地元が協力的で助かっています」。
10日はカナダの現地時間でU-18ワールドカップの決勝が組まれており、是非とも2つの喜びを噛み締めたいところ。
世界舞台での指導キャリアを経て、目指すところは当然、甲子園だ。「公立の教員ですから、赴任した学校でとにかく、全力を尽くしていきます」。足元をしっかりと見つめ日々、生徒とともに成長を続けていく28歳の熱血先生である。
第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2017年9月1日~9月11日
オープニングラウンド
9月1日(金)22:30 メキシコ 1 - 10 日本
9月3日(日)5:00 日本 0 - 4 アメリカ
9月4日(月)6:00 日本 7 - 2 キューバ
9月5日(火)3:00 オランダ 1 - 3 日本
9月5日(火)22:30 日本 12 - 0 南アフリカ
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
スーパーラウンド
9月7日(木)22:30 日本 4 - 3 オーストラリア
9月9日(土)6:00 日本 4 - 6 カナダ
9月10日(日)2:00 韓国 6 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
3位決定戦
9月11日(月)1:00 カナダ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
開催地
カナダ サンダー・ベイ
参加国
グループA
カナダ、韓国、チャイニーズ・タイペイ、オーストラリア、イタリア、ニカラグア
グループB
日本、アメリカ、キューバ、メキシコ、オランダ、南アフリカ