11月7日、ENEOS 侍ジャパンシリーズのチャイニーズ・タイペイ戦が福岡ヤフオク!ドームで行われ、侍ジャパントップチームは最終回に粘りを見せるも5対6で敗れた。
侍ジャパンが笠原祥太郎投手(中日)、チャイニーズ・タイペイが江辰晏投手(統一)と、両若手左腕の先発で始まった試合は序盤、投手戦の展開となった。アンダーカテゴリーを含めても初の侍ジャパン選出となった笠原は初回に2死から左中間への二塁打を浴びた以外は、キレのあるストレートやカーブ、チェンジアップを駆使し2イニングを無失点に抑えた。続く濵口遥大(DeNA)は3三振を奪うなど2回無失点と堂々の投球を見せる。
だが、打線も江と2番手右腕・施子謙(統一)の前に無安打に抑えられる。すると5回、岩貞祐太(阪神)がチャイニーズ・タイペイ打線に捕まり藍寅倫(Lamigo)に逆方向のレフトのホームランテラスに飛び込む3ラン本塁打を浴びるなど5安打を浴び、この回だけで5点の先制を許した。
6回に侍ジャパンは、3回に好守を見せていた田中和基(楽天)が右中間へチーム初安打となる二塁打を1死から放つが、後続が続かずこの回も無得点に終わる。逆に8回、6番手のサイドハンド左腕・高梨雄平(楽天)が右打者の陳俊秀内野手(Lamigo)に右中間のホームランテラスに飛び込むソロ本塁打を打たれ、ダメ押しの6点目を失った。
このまま完敗かと思われた侍ジャパンだったが、9回表にこの回から捕手の守備に入った甲斐拓也(ソフトバンク)が、盗塁王の王威晨(中信)の二塁盗塁を刺し、流れを変えた。
その裏、6番手の陳韻文(統一)から先頭の田中広輔(広島)がレフトフェンス直撃の二塁打を放つと、山田哲人(ヤクルト)のセンター前安打で1点を返す。さらに柳田悠岐(ソフトバンク)のレフト前安打や四球でチャンスを広げると相手失策で2点目。さらに押し出し四球で3点目を奪うと、代わった鄭凱文(中信)から外崎修汰(西武)がセンター前に落ちる2点タイムリーを放ち、ついに1点差に。
だが、この回2打席目の田中が最後は空振り三振に倒れて反撃もここまで。終盤に粘りを見せた侍ジャパンだったが5対6で敗れた。
試合後、稲葉篤紀監督は「田中広輔選手の二塁打から、ようやく打線が繋がり、各自が自分の打撃をできるようになりました。次に繋がる攻撃だったと思います」と最終回の攻撃を評価。また今日のスタメンは「試合から遠ざかっていた選手を優先的に起用しました」とし、実戦感覚が戻すことを念頭に置いていたという。
その中で打線は終盤まで苦しい内容でこそあったが、国際大会特有の初対戦の投手への対応については「初球から振りに行き、投手の球の軌道に合わせていく打者が多かったので、それはこれからも続けていきたいです」と手応えを語った。 敗戦という結果ではあったが、日米野球に向けて意義のある一戦をアジアのライバルと戦えたことは今後に大きく生きていきそうだ。
監督・選手コメント
濵口遥大投手(DeNA)
「森(友哉)くんは初めてバッテリーを組みましたが、コミュニケーションを取りながら自分の持ち味を出すことができました。日米野球では日本の質の高さをMLBの選手相手にも見せられるようにしたいです」
黃甘霖監督
「“日本に来たからには勝って帰ろう”と話していました。勝てたことで選手たちの今後の自信になっていくと思います。攻守で期待通りのパフォーマンスをしてくれました」
2018日米野球
試合日程
11月8日(木)18:00
巨人 6 - 9 MLBオールスターチーム
11月9日(金)18:30
侍ジャパン 7 - 6 MLBオールスターチーム
11月10日(土)18:30
MLBオールスターチーム 6 - 12 侍ジャパン
11月11日(日)19:00
侍ジャパン 3 - 7 MLBオールスターチーム
11月13日(火)18:30
MLBオールスターチーム 3 - 5 侍ジャパン
11月14日(水)19:00
侍ジャパン 6 - 5 MLBオールスターチーム
11月15日(木)18:00
MLBオールスターチーム 1 - 4 侍ジャパン
開催球場
11月8日(木)、9日(金)、10日(土)、11日(日)東京ドーム
11月13日(火)マツダ スタジアム
11月14日(水)、15日(木)ナゴヤドーム
出場チーム
侍ジャパン、MLBオールスターチーム