台湾・台南市にて開催されている「第5回 WBSC U-12 ワールドカップ」は8月4日(日)に決勝戦が行われ、侍ジャパンU-12代表はチャイニーズ・タイペイと対戦。0対4で敗れ、準優勝で大会を終えた。
オープニングラウンドでは初回から先制し7対4で勝利した侍ジャパンU-12代表。しかしこの日は先発・CHEN K.Sに苦戦を強いられる。
2回まで両チーム無得点。先発の青木朔真(筑後ボーイズ)は四球による走者を出すも、最速119km/hの速球を軸にチャイニーズ・タイペイ打線を打ち取る。ところが3回、先頭のKUO C.Aにヒットを許すと、四球とエラーで二死満塁のピンチを背負う。ここで今大会トップとなる20打点の強打者HUANG T.Sに初球をセンター前に弾き返され先制を許す。さらに変わった川越昂太郎(東京城南ボーイズ)もタイムリーを浴び、2点を失った。
追う展開となった日本は3回、一死から坂本慎太郎(松戸柏リトルリーグ)が三遊間を破るヒットで出塁すると、高畑知季(兵庫波賀リトルリーグ)は変化球を捉えヒットで繋ぐ。しかし続く打者は内野ゴロ、空振り三振に倒れ無得点。制球良く投げ込むチャイニーズ・タイペイ先発のCHEN K.Sを思うように攻略できずにゲームは進んでいく。
犠牲フライでさらに1点を失い、流れを変えたい日本は5回、先頭の鈴木拓斗(兵庫神戸ボーイズ)の放ったゴロを相手サードが捕球できず出塁。さらに続く川下晃汰(諫早ボーイズ)のショートゴロは送球が逸れ2塁まで進塁。坂本慎太郎もセカンドのエラーで出塁し、3つのエラーで一死1、3塁の絶好機を迎える。しかしここでも2者連続の三振に抑えられ、得点を奪うことができなかった。
チャイニーズ・タイペイ先発のCHEN K.Sは5回を投げ3安打無失点。6回には日本の3番手・林京乃佑(東京城南ボーイズ)からレフトへホームランを放ち試合を決めた。
最終回は一死から桑元信祐(ガッツ鹿児島)がヒットで出塁するも、最後は今井蓮(大阪八尾ボーイズ)がショートゴロに倒れ試合終了。0対4の完封負けを喫し、今大会での日本の優勝は叶わなかった。
地元チャイニーズ・タイペイへの大声援の中、最後まで集中力を切らさず戦い抜いた侍ジャパンU-12代表。初優勝は逃したが、準優勝は2013年の第2回大会での3位を上回る過去最高成績だ。今大会で得た経験を糧に、今後のさらなる飛躍を期待したい。
監督・選手コメント
仁志敏久監督
――決勝戦を振り返って
「先制されたらきついかなと思っていて。オープニングラウンドのチャイニーズ・タイペイ戦で結構点を取ったのですが、実はそれ以降思ったように打てていない試合が多くて、点を取るのはやっぱり苦しいなと。僅差だったら色々と作戦的なことはできるって思いはあったのですが、いきなり2点取られた。苦しい取られ方だったので、チームにはダメージになった。あの場面を切り抜ければ、こっちにもチャンスは来るなと思っていたのですが、そう甘くはなかったですね」
――今大会を振り返って
「オープニングラウンドを全勝で行けたのは子供たちの頑張りだったと思います。スーパーラウンドの韓国戦はこちらが思ってる以上の頑張りを見せてくれた。やっぱり子供たちだし、予想以上のこともするし、もちろんミスもするし、毎回それは変わらないことです。この年代の子供たちの指導は改めて難しいと思います」
――4人の選手がタイトルを取った
「(青木)朔真も当初どういう起用法になるかなと思っていたのですが、結局信頼を勝ち取って大事なゲームの先発を任せられるようなピッチャーになってくれました。素晴らしかったと思います。赤澤(琉偉)や桑元(信祐)も、期待通りに頑張ってくれたかなと思います。想像以上に頑張ったのは高畑知季。小さい選手はどうしても大きい選手の強いボールを打ち返せない、動きがちょっともたついてしまうことがほとんど。初めて見ましたね、体は小さいけど、できることはすごく幅広くて、打っても一番対応能力は高かったと思います。タイトルを貰って認めてもらえて本当に良かったと思います」
桑元信祐(ガッツ鹿児島)
首位打者・ベストナイン(捕手)
「自分では良い結果を残せたのですが、チームは負けてしまったのでそこが一番悔しいです。(納得できるプレーは)最後はできませんでしたけど、その前はできたと思います」
赤澤琉偉(八尾中央ボーイズ)
最優秀守備選手
「守備に自信があったので賞を取れて良かったです。すごく緊張してしまって、いつも通りのバッティングができなかったので、そこがちょっと悔しいです」
青木朔真(筑後ボーイズ)
ベストナイン(中継ぎ投手)
「悪かった時と良かった時があったのですが、今日もボールがちょっと多かったので悔しいです」
高畑知季(兵庫波賀リトルリーグ)
ベストナイン(二塁手)
「良いところもあったのですが、少し悪いとこも出てしまった。その部分ではチームに迷惑もかけてしまった。自分の良いところはしっかり出せて、監督にも褒めていただいたので、次はU-15代表を目指して頑張っていきたいです」
第5回 WBSC U-12 ワールドカップ
大会期間
2019年7月26日~8月4日
オープニングラウンド
7月26日(金)11:00 チェコ 0 - 21 日本
7月27日(土)15:00 日本 6 - 0 キューバ
7月28日(日)19:30 チャイニーズ・タイペイ 4 - 7 日本
7月29日(月)11:00 日本 30 - 0 フィジー
7月30日(火)15:00 日本 15 - 0 南アフリカ
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
8月1日(木)11:00 日本 4 - 1 ベネズエラ
8月3日(土)13:00 日本 8 - 7 韓国
8月3日(土)15:00 日本 3 - 8 メキシコ
決勝
8月4日(日)19:30 日本 0 - 4 チャイニーズ・タイペイ
開催地
台湾 台南市
参加国
グループA
日本、チャイニーズ・タイペイ、キューバ、チェコ、南アフリカ、フィジー
グループB
アメリカ、韓国、メキシコ、オーストラリア、ベネズエラ、イタリア