11月1日、ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019「日本 vs カナダ」の第2戦が沖縄セルラースタジアム那覇で行われた。前日は5対6で敗れた侍ジャパンだったが、この日は投手戦を3対0で制して雪辱を果たした。
プレミア12(日本出場のグループBは11月5日開幕)でも貴重な先発左腕として期待の大きい今永昇太(DeNA)が初回から素晴らしい投球を見せた。先頭打者から150キロのストレートで空振り三振を奪うと、2番打者にこそ安打を許すが後続を危なげなく打ち取り、上々の立ち上がりとなった。そして2回から本領を発揮する。終始ストライク先行の投球で圧巻の5者連続三振。球威のあるストレートはもちろん、チェンジアップやカットボールも冴えわたり、3回1安打無失点6奪三振でマウンドを降りた。
これで良い流れが生まれると、4回に試合が動く。カナダの2番手投手の連続四球などからチャンスを作ると、浅村栄斗(楽天)の内野ゴロの間に1点を先制する。さらに5回には松田宣浩(ソフトバンク)が四球を選ぶと、甲斐拓也(ソフトバンク)がきっちりと犠打を決めて一死二塁のチャンスを作る。ここで、負傷により離脱した秋山翔吾(西武)に代わり1番を任された山田哲人(ヤクルト)がセンター前に運んで甲斐が生還。追加点を挙げた。
その後の投手陣も大野雄大(中日)がマウンドに上がった4回こそ連打を浴びてピンチを招いたが併殺で脱すると、5回と6回は1人の走者も出さない完璧な投球を見せた。7回にマウンドに上がった初選出の中川皓太(巨人)も、途中出場の遊撃手・源田壮亮(西武)や試合途中から右翼手に回った近藤健介(日本ハム)の好守もあって三者凡退。8回と9回は、山本由伸(オリックス)と山﨑康晃(DeNA)が1人の走者も許さず。カナダに反撃の糸口さえ与えない無四球完封リレーを完成させて、国内最後の実戦を飾った。
なお、11月3日に開催されるカナダ代表とJABA九州選抜チームの試合に向けて、11月2日はカナダ代表は14時から沖縄セルラースタジアム那覇で練習を行い、JABA九州選抜チームは16時から同球場で練習を行う予定となっている。
監督・選手コメント
稲葉篤紀監督
「投手のテンポも良く、攻撃も四球を選んでバントで送り、1本のヒットで還ってくるという日本の野球ができています。なかなか長打を打つのが難しい中でコツコツと繋いで1点を取ることができたのは大きいですね。(山田について)もともと1番を試したかったですし、状態も良かったので起用しました。見逃し方も良くなり、ストライクゾーンの球も自分のタイミングで振っていけていますね」
今永昇太(DeNA)
「鋭いスイングをする打者が多かったので、(捕手の)會澤さんとしっかりコミュニケーションを取って丁寧に投げることができました。三振は自分自身のバロメーターでもあるので、スタンドの皆さんの大歓声がとても力になりました」
山田哲人(ヤクルト)
「1番はシーズンでも経験しているので、違和感なく試合に入れました。世界一を取るために、どのような役割となってもいつでも準備をして貢献していきたいです」
アーニー・ウィット監督
「日本の投手はストライクをしっかり投げ、緩急もあり、また守備も良かったので点に繋げることができなかった。自分たちは四球が失点に繋がってしまいました。ただ選手たちはよく働いてくれており、良いシリーズになりました」
ロバート・ザストリズニー
先発し3回2安打無失点4奪三振の左腕
「緩急とインコース・アウトコースを上手く使って投げることができました。捕手に上手くリードしてもらいました。日本は全体的にとても良い打者が多かったです。選球眼が良く、緩急に強い投手もいたので抑えることは大変でした」
第2回 WBSC プレミア12
大会期間
2019年11月2日~11月17日
オープニングラウンド
11月5日(火)19:00 日本 8 - 4 ベネズエラ
11月6日(水)19:00 日本 4 - 0 プエルトリコ
11月7日(木)19:30 チャイニーズ・タイペイ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
11月11日(月)19:00 日本 3 - 2 オーストラリア
11月12日(火)19:00 日本 3 - 4 アメリカ
11月13日(水)19:00 日本 3 - 1 メキシコ
11月16日(土)19:00 日本 10 - 8 韓国
※開始時刻は日本時間
決勝
11月17日(日)19:00 日本 5 - 3 韓国
※開始時刻は日本時間
開催地
日本、台湾、韓国、メキシコ
出場する国と地域
グループA
メキシコ、アメリカ、オランダ、ドミニカ共和国
グループB
チャイニーズ・タイペイ、日本、ベネズエラ、プエルトリコ
グループC
韓国、キューバ、オーストラリア、カナダ