11月11日、「第2回 WBSC プレミア12」のスーパーラウンドが開幕。侍ジャパンは19時からZOZOマリンスタジアムでオーストラリアと戦った。先制を許し苦しい戦いとなったが、投手陣の粘りや機動力、小技などで3対2と逆転勝ちした。
リードを許した前半戦
寒空の下で行われた試合は、山口俊(巨人)とドゥーシャン・ルジッチの両右腕が順調な立ち上がりを見せて始まった。2回には山口が三者連続三振を奪い、その裏の攻撃では鈴木誠也(広島)が相手失策で出塁すると、すかさず盗塁を狙うが相手捕手の好送球でアウト。積極的な走塁を見せたが先制のチャンスを広げることはできなかった。
すると直後の3回表、山口が先頭打者のダリル・ジョージに甘く入ったストレートを左中間に運ばれ二塁打を許し、その後は二死までこじつけたが1番のティモシー・ケネリーに追い込まれてからのフォークをセンター前に運ばれて先制を許した。
続く4回には二死から、アーロン・ホワイトフィールドに追い込んでからのスライダーをライト前に運ばれ、ミッチェル・ニルソンには甘く入った初球のスライダーをライト線に運ばれる連打を許して、2点目を失った。
反撃したい侍ジャパンは4回裏、二死から「とにかく塁に出ようと思って打席に入りました」と打席に入った4番・鈴木がレフトスタンドに飛び込む3試合連続本塁打を放って1点差に詰め寄る。その後は細かい継投の前になかなか同点とすることはできなかったが、5回は田口麗斗(巨人)と6回と7回は岸孝之(楽天)両投手が無失点で繋いで打線の反撃の時を待った。
味方も驚く好判断
7回、吉田正尚(オリックス)が追い込まれてからのチェンジアップを上手くセンター前に運んで出塁すると、稲葉篤紀監督は代走に足のスペシャリスト・周東佑京(ソフトバンク)を送った。「思いきっていかないといけない場面だったので」と周東は二塁盗塁を決める。そして二死になってからは、「狙っていた」という三塁盗塁を見事に決めた。
このチャンスに源田壮亮(西武)は、自らの判断でセーフティーバントを敢行。投手の前に転がり、周東は「ビックリしました」と驚きながらも懸命に走り、投手のタッチをかいくぐり、同点の生還を果たした(記録は投手の野選)。
さらに8回は、甲斐野央(ソフトバンク)が三者凡退であっさりと片づけると、裏の攻撃で二死から近藤健介(日本ハム)が内野手と外野手の間にポトリと落ちる安打で一気に二塁まで進む。その後、鈴木が申告敬遠、代打・山田哲人(ヤクルト)が四球で歩くと、浅村栄斗(楽天)が押し出し四球を選んで勝ち越し。
最終回は山﨑康晃(DeNA)が、この日も抜群の安定感を見せて3人で試合締めた。
スーパーラウンドでは、オープニングラウンド同グループのチームとは対戦せずに成績を持ち越すため、チャイニーズ・タイペイ戦の1勝も加え、このラウンドの戦績を2勝0敗とした。
12日は東京ドームに場所を移して、未来のMLBを担う期待の高い若手有望株やNPBで7年間にわたって活躍している右腕のブランドン・ディクソン(オリックス)を擁するアメリカと対戦する。
監督・選手コメント
稲葉篤紀監督
「選手みんなでなんとか勝つことができました。(鈴木の本塁打は)重い空気の中で大きかったですね。(同点の場面は)なんとか1点を取りたい中で本当にいい仕事をしてくれました。(投手陣も)今日は四球が無く、よく頑張ってくれました」
建山義紀投手コーチ
「山口がしっかり試合を作ってくれましたし、後続の投手がなんとかもう1点を与えないようにという中でよく投げてくれました。そのために投手をつぎ込んだので、岸が2イニングを抑えてくれたのは大きかったですね。(相手打線の変化球対応について)打順ふた回り目からは対応してくるので、今後も注意しなくてはいけないですね」
源田壮亮(西武)
「(スタメン起用には)自分のできることしかできないので一生懸命やろうと思いました。(同点の場面は)相手の守備位置を見て、ヒットを打つのとどちらが確率高いかを考えました。腹をくくって行い全力で走りました。良い流れで明日の試合も臨めると思います」
第2回 WBSC プレミア12
大会期間
2019年11月2日~11月17日
オープニングラウンド
11月5日(火)19:00 日本 8 - 4 ベネズエラ
11月6日(水)19:00 日本 4 - 0 プエルトリコ
11月7日(木)19:30 チャイニーズ・タイペイ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
11月11日(月)19:00 日本 3 - 2 オーストラリア
11月12日(火)19:00 日本 3 - 4 アメリカ
11月13日(水)19:00 日本 3 - 1 メキシコ
11月16日(土)19:00 日本 10 - 8 韓国
※開始時刻は日本時間
決勝
11月17日(日)19:00 日本 5 - 3 韓国
※開始時刻は日本時間
開催地
日本、台湾、韓国、メキシコ
出場する国と地域
グループA
メキシコ、アメリカ、オランダ、ドミニカ共和国
グループB
チャイニーズ・タイペイ、日本、ベネズエラ、プエルトリコ
グループC
韓国、キューバ、オーストラリア、カナダ