7月23日に開幕する東京オリンピックの野球競技には日本を含む6か国が出場。メダル獲得を争う出場国のうち、今回はメキシコ代表を紹介する。
2019年プレミア12で大会3位の成績を収めたメキシコ代表
2019年に行われたプレミア12ではアメリカを2度破るなど大会3位の成績を収め、アメリカ大陸1位としてオリンピックの出場権を獲得したメキシコ。WBCなど多くの国際大会での実績を持ち、メジャーリーガーも多く輩出してきたが、オリンピックの野球競技には初出場となる。
メキシコは18球団で春から秋にかけて行われるメキシカンリーグと呼ばれるプロ野球の他に、冬季に行われるウインターリーグも盛んな国として知られる。さらに近年は国際大会を積極的に開催し、代表を編成する体制も一新するなど代表チームにも力を入れるようになってきており、オリンピックの出場権がかかったプレミア12では強力なメンバー編成が実現し好成績を残した。今回のオリンピック本戦も投手を中心に実力者が多く名を連ねている。
18チームある国内リーグに加えて、マイナーリーグやアジアのプロ野球でプレーするメキシコ系選手など、膨大な選択肢の中から絞られたメンバーは充実の布陣だ。特に投手陣はほとんどが3A級以上のキャリアを持ち、150キロ近い球を投げるパワーピッチャーで構成される。
実績ではMLB通算691試合に登板している鉄腕、オリバー・ペレス(ティファナ)が中心となってくるだろうか。登録メンバーもリリーフタイプが多く選出されており、プレミア12同様に投手を次々とつぎ込んでいく戦術が予想される。
打線は、MLBオールスターに5度選出、通算2050安打を記録しているエイドリアン・ゴンザレス(グアダラハラ)がけん引する。今年39歳になったベテランだがメキシカンリーグでも好調を維持しており、代表にかける思いも強いチームリーダーの存在は大きい。
2019年プレミア12の3位決定戦でサヨナラ打を放ったナバーロ(元阪神/ティファナ)
そのほかにも、ラミロ・ペーニャ(元広島/モンテレイ)やエフレン・ナバーロ(元阪神/ティファナ)、ジョーイ・メネセス(元オリックス/レッドソックス傘下)、サミー・ソリス(元横浜DeNA/モンクローバ)とNPB経験者も名を連ねている。
日本代表が2019年のプレミア12で対戦した際は、5人のメキシコ自慢の本格派リリーフ投手からは得点ができず序盤の3点で逃げ切った日本が勝利。プレミア12当時より先発投手の層は厚みを増しており、さらに難敵になる可能性がある。オリンピックでの実績はないものの、金メダル経験国であるアメリカや韓国にも劣らない陣容で、初出場ながらメダル獲得を目指す。