9月9日(日本時間10日)、「第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(アメリカ・フロリダ州で開催)が開幕。侍ジャパンU-18代表はイタリアとオープニングラウンド初戦を戦い、6対0で快勝発進した。
雨により試合開始が1時間以上遅れて始まった試合だったが、初回から集中力高く試合を優位に進めた。
まずは1回、先頭の浅野翔吾(高松商)が流れを呼び込む。「(2番の)赤堀と、“3番の松尾にランナー二塁以上で回そう”と話していました」と振り返った言葉通りの打撃を見せた。初球から2球続けて空振りし追い込まれたものの、ボール球を挟んだ後に投じられたツーシームをレフト線へ痛烈に運び二塁へ。続く赤堀颯(聖光学院)はバントできっちり浅野を三塁に送ると、松尾汐恩(大阪桐蔭)の浅いライトフライで浅野が思いきりよくスタートを切り生還。緊張感のある初戦で大きな1点だった。
その裏、先発のマウンドに上がった生盛亜勇太(興南)は3番のウィリアムズ・ウォンにセンター前安打を打たれるものの無失点できっちりと抑えた。
すると2回裏に打線が繋がる。伊藤櫂人(大阪桐蔭)と藤森康淳(天理)の安打や四球で1死満塁のチャンスを作ると、浅野が相手投手のスライダーに対してバットを折りながらもレフト前に上手く運んで2者が生還。さらに赤堀がセーフティーバントを決めて後続に繋げると、相手のバッテリーエラーや黒田義信(九州国際大付)のタイムリー内野安打、押し出しでこの回一挙5点を奪った。
投げては生盛が3回を無失点に抑えると、4回からは川原嗣貴(大阪桐蔭)が角度と力強さのあるストレートでイタリア打線を圧倒。2イニングで1人の走者も出さずに4三振を奪った。6回が始まろうかというタイミングで降雨に加え、雷鳴もあったため試合は中断。だが、中断明けも川原の集中力は変わらずに1安打こそ許したが無失点に抑えた。
そして7回は捕手登録ながら国内の練習試合でも好投していた野田海人(九州国際大付)が、1安打こそ打たれながらも最後は併殺打に抑えて試合終了。相手に主導権を一度も渡さずに開幕戦を勝利した。
幸先の良いスタートを切った侍ジャパンU-18代表の次戦は、10日(日本時間11日8時開始予定)にメキシコとオープニングラウンド第2戦を戦う。
監督・選手コメント
馬淵史郎監督
「(遅延や中断もあったが)雨にはびっくりしましたけど、相手も同じですし、この条件の中でいかに戦うかが大事です。初戦で硬さもありましたが、初回に1点を取れたのが大きかったです。生盛は緊張気味でしたけど川原と野田は落ち着いて投げていましたね。2回の5点は小技を使ったスモールベースボールができました。3回以降はそこが雑になったので反省材料です」
浅野翔吾(高松商)
「最高の形で松尾に繋ぐことができました。タッチアップは日本なら突っ込まないフライでしたが相手外野手にクセがあると思ったので行きました。(空振りはあったが)中学の時のU15アジア選手権に出た時ともまた違った球質だったのでスイングしながら狙っていこうと思っていました。国内の試合であまり打てず不安でしたが、どんな形でも2安打を打てて良かったです」
川原嗣貴(大阪桐蔭)
「いい準備ができていました。明日以降にも繋げていきたいです。コーナーを突いて投げようと思いました。大会は最大9試合とタイトなので、短いイニングの中でベストピッチをしてチームに流れを持って来られるような投球をしていきたいです」
生盛亜勇太(興南)
「初戦だったので緊張したのですが、初回から良い投球ができました。ボール先行になってしまったのですが、馬淵監督から“ストライクゾーンで勝負しろ”と言われて立て直すことができました。走者がいてもゼロに抑えれば大丈夫だと思って松尾とバックを信じて投げました。今後もどんな場面でも行けるように準備していきます」
第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2022年9月9日~9月19日
オープニングラウンド
2022年9月10日(土)4:00 イタリア 0 - 6 日本
2022年9月11日(日)8:00 メキシコ 1 - 4 日本
2022年9月12日(月)8:00 日本 5 - 4 パナマ
2022年9月13日(火)8:00 日本 10 - 0 オーストラリア
2022年9月14日(水)8:00 日本 2 - 9 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
スーパーラウンド
2022年9月16日(金)5:00 韓国 8 - 0 日本
2022年9月17日(土)5:00 日本 1 - 0 オランダ
2022年9月18日(日)22:30 アメリカ 4 - 3 日本
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
3位決定戦
2022年9月19日(月)4:00 韓国 2 - 6 日本
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
開催地
アメリカ(フロリダ)
出場する国と地域
グループA
アメリカ、韓国、オランダ、カナダ、ブラジル、南アフリカ
グループB
日本、チャイニーズ・タイペイ、メキシコ、オーストラリア、パナマ、イタリア