9月11日(日本時間12日)、アメリカ・フロリダ州で開催されている「第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」のオープニングラウンドの第3戦が行われた。開幕2連勝と勢いに乗る侍ジャパンU-18代表は、渡米の遅れによりこの日が大会初戦となったパナマに最終7回に追いつかれながらも、その裏になんとか振り切り5対4のサヨナラ勝ちで開幕3連勝を決めた。
先発のマウンドに上がったのは左腕の森本哲星(市立船橋)。国内合宿期間中はあまり調子が上がっていないように見受けられたが、1回・2回と走者を出しながらも落ち着いて後続を抑えていく。3回表にこの試合初めて三者凡退に抑えると、その裏打線が応える。
1番・浅野翔吾(高松商)が俊足を生かした内野安打で出塁すると、今大会初先発の安田淳平(聖光学院)も四球を選びチャンスを作る。ここで松尾汐恩(大阪桐蔭)のバントが内野安打と相手投手の失策を呼び込み1点を先制。さらに4番・内海優太(広陵)のレフト前タイムリーで追加点を挙げる。その後も渡部海(智辯和歌山)のバントが捕手の失策を呼び、さらには海老根優大(大阪桐蔭)が犠牲フライを放って、この回4点を奪った。
この援護をもらった森本だったが、5回表にパナマ打線に反撃を受ける。二塁打と四球でピンチを招くと、捕手登録ながら前日に続き三塁手として出場した渡部が好守を見せるなどするものの、後続の打者に打たれて、この回2失点を喫した。
それでも6回、捕手登録ながらイタリア戦に続く投手起用となった野田海人(九州国際大付)が前回に引き続き打者3人で相手の攻撃を封じて流れを渡さなかった。
そして最終回は主将であり守護神の山田陽翔(近江)がマウンドへ。先頭打者をストレートと変化球のコンビネーションで空振り三振に抑える快調な立ち上がりを見せたが、続く打者に四球を与えてしまう。さらにその後連打と浅野の送球エラーもあり同点に追いつかれてしまった。
一方で、ここで気落ちせず崩れないのが山田の強みでもある。後続2人をセカンドゴロとショートゴロに抑えて勝ち越し点は与えなかった。
するとその裏、失策、四球、死球で満塁のピンチをもらうと、最後は内海がセンターにきっちり打ち返してサヨナラ勝ち。試合中の誤算はあったが、しっかりと白星を掴んだ。
抑えに失敗した山田は「本当に力不足でした。三振取った後のフォアボールがもったいなかったです」と反省。悔しさを滲ませるとともに「(今回の代表が)例年より力が劣ると言われている中で勝つには団結力で勝つしかない。しっかり見つめ直していきたいです」と、主将として反骨心を覗かせた。
内容は完璧ではないが着実に白星を積み重ねている侍ジャパンU-18代表の次戦は、12日(日本時間13日8時開始予定)。前回大会(2019年)で敗れたオーストラリアと対戦する。
監督・選手コメント
馬淵史郎監督
「楽な試合ばかりではないことは分かっていました。勝ち切れたことが今後に向けて大きいですね。山田の失点はフォアボールからですかね。良いキレのボールを投げていますが、コースを狙いすぎですね。でも森本も試合を作ってくれたし、野田も良かったので投手は期待通りの活躍をしてくれています」
内海優太(広陵)
「サヨナラの場面はなんとか走者を返したいという気持ちで打席に立ちました。山田はチームを引っ張ってくれているので報いたいという気持ちでした。4番の仕事をこれからも果たしていきたいです」
森本哲星(市立船橋)
「日の丸を背負うプレッシャーはありましたが、みんなが助けてくれました。今日はストレートとスライダーの投げ分けが良かったです。長い合宿期間で松尾とコミュニケーションを取っていたので上手くできました」
第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2022年9月9日~9月19日
オープニングラウンド
2022年9月10日(土)4:00 イタリア 0 - 6 日本
2022年9月11日(日)8:00 メキシコ 1 - 4 日本
2022年9月12日(月)8:00 日本 5 - 4 パナマ
2022年9月13日(火)8:00 日本 10 - 0 オーストラリア
2022年9月14日(水)8:00 日本 2 - 9 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
スーパーラウンド
2022年9月16日(金)5:00 韓国 8 - 0 日本
2022年9月17日(土)5:00 日本 1 - 0 オランダ
2022年9月18日(日)22:30 アメリカ 4 - 3 日本
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
3位決定戦
2022年9月19日(月)4:00 韓国 2 - 6 日本
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
開催地
アメリカ(フロリダ)
出場する国と地域
グループA
アメリカ、韓国、オランダ、カナダ、ブラジル、南アフリカ
グループB
日本、チャイニーズ・タイペイ、メキシコ、オーストラリア、パナマ、イタリア