9月18日朝(日本時間18日夜)、アメリカ・フロリダ州で開催されている「第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」のスーパーラウンドの第3戦の継続試合が行われた。前日はアメリカ戦の前に韓国がメキシコに勝ち、決勝戦進出の望みはなくなり3位決定戦への進出が決まった状況ではあったが、初回から各選手が持ち味を発揮し、3対2でリードした3回表無死二、三塁から試合が始まった。
決勝進出がかかるアメリカは、右腕のクリスチャン・ロドリゲスを投入。キレと制球の良いストレートを中心とした投球で海老根優大(大阪桐蔭)、浅野翔吾(高松商)、黒田義信(九州国際大付)を三者連続三振に抑え、チームのボルテージを上げる。
しかし、それに抗ったのが前日からの続投となった主将の山田陽翔(近江)だ。クリーンアップから始まる打線だったが、先頭打者をファーストゴロに抑えると、その後は二者連続三振を奪いアメリカにペースを渡さない。
4回は内海優太(広陵)が1死から二塁打を放つも後続が続かず、またも相手に流れが行きかけるが、その裏からマウンドに上がった吉村優聖歩(明徳義塾)が三者凡退に抑える。さらに5回、5回も三者凡退に抑える完璧な投球を見せる。
追加点を奪いたかった打線だが、6回に浅野翔吾(高松商)のオーバーランによる走塁死があるなど流れを掴めず。3対2と1点差のまま試合は7回裏に進んだ。
好投が続いていた吉村だが先頭打者にフルカウントまで粘られてからライト前安打を打たれると、続く代打RJハミルトンがバント。俊足に焦ったのか捕手の渡部海(智辯和歌山)が一塁に悪送球。さらにカバーに入っていた藤森康淳(天理)の三塁への送球も悪送球となり無死二、三塁と同点だけでなく逆転サヨナラのピンチを招いた。
さらにここで吉村がプレートを外さぬままモーションに入るのをやめてしまい痛恨のボークで同点。ここで馬淵史郎監督は、今大会捕手登録ながら好投が続く野田海人(九州国際大付)を投入。その野田は先頭の打者こそ三振に抑えたものの、最後はディラン・カップに三遊間を破られサヨナラ負け。
崖っぷちからの決勝進出に狂喜乱舞のアメリカとは対照的に日本の選手たちはうなだれた。
だが主将の山田が「落ち込んでいる暇は無い」と試合後語ったように、チャイニーズ・タイペイとアメリカの決勝戦の40分後には、韓国との3位決定戦が始まる。まだ戦いが終わったわけではない。メダルをかけて3位決定戦に臨む。
監督・選手コメント
馬淵史郎監督
「今日の相手投手は球に勢いがあったので少ないチャンスをモノにするしか無かった。1点が欲しかったのですが、それができませんでした。浅野の走塁が流れを変えてしまいました。最終回は頭から野田も考えていたのですが、吉村がパーフェクトで抑えていたので続投させました。負けていい試合は無いので3位決定戦を全力で戦います」
山田陽翔(近江)
「昨日の良いイメージを持って1イニングしっかり投げようと思いました。チームに貢献できる投球ができて良かったです。なんとしてでもメダルを獲って帰りたいです。先制点が大事。一致団結して戦います」
野田海人(九州国際大付)
「思いきって腕を振って行こうとマウンドに上がりました。最後はフォークが甘く入ってしまいました。みんなに申し訳ないです」
第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2022年9月9日~9月19日
オープニングラウンド
2022年9月10日(土)4:00 イタリア 0 - 6 日本
2022年9月11日(日)8:00 メキシコ 1 - 4 日本
2022年9月12日(月)8:00 日本 5 - 4 パナマ
2022年9月13日(火)8:00 日本 10 - 0 オーストラリア
2022年9月14日(水)8:00 日本 2 - 9 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
スーパーラウンド
2022年9月16日(金)5:00 韓国 8 - 0 日本
2022年9月17日(土)5:00 日本 1 - 0 オランダ
2022年9月18日(日)22:30 アメリカ 4 - 3 日本
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
3位決定戦
2022年9月19日(月)4:00 韓国 2 - 6 日本
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
開催地
アメリカ(フロリダ)
出場する国と地域
グループA
アメリカ、韓国、オランダ、カナダ、ブラジル、南アフリカ
グループB
日本、チャイニーズ・タイペイ、メキシコ、オーストラリア、パナマ、イタリア