10月24日、「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ 2023」(11月16日から19日/東京ドーム)の記者会見が行われ、侍ジャパントップチームの井端弘和監督らが出場選手を発表するとともに大会への意気込みなどを語った。
参加資格が「24歳以下(1999年1月1日以降生まれ)または入団3年目以内。オーバーエイジ枠は29歳以下(1994年1月1日以降生まれ)で3名まで」と定められた中、NPBの若手有望株23選手とオーバーエイジ枠3選手の合計26選手の名前が井端監督の口から読み上げられた。 井端監督は選考について「左打者だから左投手を打てないわけでもないですし、左打者でも左投手が得意な選手もいます。(投打の)左右の固定観念は外して良い選手を選びました」と振り返った。
また、かねてから「長打力とスピードを兼ね備えられるのが日本野球」と話している井端監督は、長打力について「WBCの決勝でも本塁打が出ましたし世界にも引けはとらない。次世代の選手たちにも期待しています」と話し、スピードについては「二遊間や外野手を中心にスピードのある選手がいて、バランス良く選べたと思うので前面に出していきたいです」と展望した。また、投手力を含めた守備力にも自信を見せ「守備からもリズムを作っていきたいです」と抱負を語った。
オーバーエイジ枠については、「もっと上を目指せる投手」と今井達也(西武)、「経験のある抑え投手」と田口麗斗(ヤクルト)、「WBCの経験を伝えて欲しい」と牧秀悟(DeNA)が選出。牧は今春の2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™(WBC)に出場した選手の中で唯一の選出となった。
井端監督はチームの全体像を「複数ポジションを守れる選手もいるので、これから判断していきたいです」としながらも、牧については4番での起用を明言。「国際試合は慣れるまでに時間がかかるので、WBCの経験者を1人は絶対に入れたかった」と牧の参加承諾に感謝するとともに、4番起用については「今季チームの出場全試合(143試合)で4番を務めましたし、良い時も悪い時も変わりがないので」と経験に加え、安定感も買っていることを明かした。
そして、自身の指揮については「私が選手たちをどれだけ信頼して我慢できるか。選手たちはのびのびとやって欲しいです」と抱負を語った。
その後は井端監督を含む出場4チームの首脳陣を代表して1人ずつが出席。侍ジャパンと開幕戦を戦うチャイニーズ・タイペイの陳金鋒(チェン・ジンフォン)監督は「シーズンは終わったが、選手たちは秋季の訓練中で練習を続けている。全力で準備したい」とシーズン中と変わらないコンディショニングに自信を見せた。
2戦目を戦う韓国は今月上旬のアジア競技大会で金メダルを獲得。同大会も率いたリュ・ジュンイル監督が引き続き指揮を執り、選手の約3分の2も金メダリストだ。4番に今年の韓国プロ野球本塁打王のノ・シファンを起用する構想であることや、11月5日からキャンプを開始することなども明かし、準備に余念が無さそうだ。
3戦目を戦うオーストラリアは南半球に位置するため国内リーグの開幕と重なるが、グライム・ロイド投手コーチによると「今回選出された選手たちは国内リーグに出場せず日本に来る。良い状態で来日する選手たちが成長してくれることを願っています」と高いモチベーションを覗かせた。
トップチームでの指揮は初陣となる井端監督と国際大会の経験浅い選手たちが第1回大会(2017年)に続く連覇を目指すとともに、戦力やコンディショニング、モチベーションが充実した面々と戦うことで、どんな成長への契機とするのか楽しみだ。