3月8日、「2025 第2回ユース Baseball5 アジアカップ」(台湾・台北市で3月11日から14日)に出場する侍ジャパンBaseball5ユース日本代表の記者会見が都内で行われた。
本池太一監督、六角彩子コーチ、代表選手8名に加え、全日本野球協会の山中正竹会長、Baseball5 JAPANスーパーバイザーの斎藤佑樹氏も出席し、大会への意気込みを語った。




同競技は男女混成の5人制、道具はボール1つのみ、従来の野球・ソフトボールよりも手軽に行える競技方式が特徴だ。ユース世代の同大会に出場するのは初めてで、侍ジャパンユースBaseball5代表は初出場・初優勝を目指す。
会見の冒頭、山中会長は「Baseball5はアーバンスポーツとして世界的に注目を浴びている競技。日本のチームも力をつけ、競技人口も増加している。さらに一層、この競技を日本の中でも繫栄させ、定着させていかなくてはならないという強い思いを持っています」と同競技について語った。
さらにスーパーバイザーを務める斎藤氏は自らの高校、大学での日本代表経験にも触れ「他国のチームとのコミュニケーションがあったことが、今すごく生きています。勝ち負けは当然ですが、今このBaseball5において、日本がどれだけ世界で存在感を出していくかということがとても大事。エンタメ性や、はつらつとしたエネルギーを世界中に振りまいて来て欲しいです」と激励した。
アジアカップはまず参加7チームが総当たり形式で順位を決め、1位と2位のチームは優勝決定戦、3位と4位のチームは3位決定戦を行い、WBSCユースベースボール5ワールドカップへのアジア3枠の切符を争う。代表選手は1月の日本選手権予選・本戦を経て、2月に選考会を実施し、今回の8名が選出された。
本池監督によると、選考はフィジカル面で俊敏性を、技術面では長打力を重視したという。また、自らも昨年侍ジャパンBaseball5代表としてプレーした経験を踏まえ「男性はフィジカルが強くて走力が長けている選手。女性は捕って素早く投げるという動きが要求される中で守備力に長けている選手を選びました」と説明した。
さらに「日本は野球がメジャーなスポーツで、捕って投げることや、積極的に次の塁を狙うという走塁面はレベルが高い。そして、周りを生かしながらいい笑顔でプレーするのが日本らしさだと思っています」と特徴を語り、「男性の攻撃力と女性の守備力という長所を生かして、アジア制覇を目指したいです」と意気込んだ。
選出された選手は全員が16、17歳の高校生。競技歴も最短で3か月、最長で2年と様々であり、中には野球・ソフトボール未経験の選手もいる。
それでも競技の魅力について「スピード感のある試合ができる」、「男女混合ということでコミュニケーションを取りながら仲が深まる」、「コートが小さく屋内外問わずできる」「スリリングで緊張感がある」と、それぞれが思い思いに話す姿が印象的だった。
(後列左から)六角彩子コーチ、山中正竹会長、斎藤佑樹氏、本池太一監督、前列は代表8選手
主将については「誰かに頼ってプレーをしないように」という本池監督の方針から選出せず。
その上で、男子選手を代表して平野将梧(横浜隼人高/横浜隼人Aggressive)が「サポートしてくれている方々や応援してくれている方々に感謝の気持ちを持って戦います。日本代表としての自覚を持ち、チーム一丸となってアジア制覇をしたいです」、女子選手を代表して森本愛華(中京大中京高/日大二高・中京大中京5)が「主将がいないので、全員が自分の行動に責任を持ってやっていきたいです。自分自身も先頭に立って、周りへの声かけも積極的に行い引っ張っていきたいです」と力強く語った。
本池監督とともに昨年の「第2回 WBSC Baseball5 ワールドカップ 2024」にも出場した六角コーチは思いっきり楽しんで、成長して帰ってこられたら」と話すと、選手たちも「これを機に競技を広めたい」、「日本の礼儀の正しさを行動で示して、世界中に日本の素晴らしさを証明したい」などプレーだけでなく、競技の普及や発展についての言及もあり、高校生ながら頼もしさを感じるものだった。
憧れの侍ジャパンの誇りと責任を胸に、競技のこれからを担い、アジアの頂点に挑む若き侍たちに注目だ。