11月7日、「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」(2023年11月16~19日/東京ドーム)に向けた「侍ジャパン宮崎秋季キャンプ2023」の2日目が宮崎市清武総合運動公園で行われた。
この日の練習から、オリックスのコーチとして日本シリーズを戦った梵英心内野守備・走塁コーチと紅林弘太郎(オリックス)の怪我による辞退で追加招集された野村佑希(日本ハム)が合流。オリックスと阪神の選手を除いた全選手と、監督・コーチの首脳陣全員が揃った。
投手陣は牽制練習を行なった後、早川隆久(楽天)、佐藤隼輔(西武)、横山陸人(ロッテ)、吉村貢司郎(ヤクルト)、田口麗斗(ヤクルト)、今井達也(西武)の6投手がブルペン入りした。
今井は「ここ1週間くらい傾斜を使って投げていなかったので変化球を中心に、シーズンと変わらず投げられるように調整しました」と振り返った。今回はオーバーエイジ枠での選出で「5つも6つも歳が離れているわけではないですが(25歳)、年上の部類ではあるので、練習に対する姿勢などはしっかりやっていきたいです」と殊勝に話し、大会使用球(WBSC公認球)についても「秋季練習から使っているので、今の時点では違和感はありません」と手応えを掴んでいた。
投手陣の状態について吉見一起投手コーチは「実戦はこれからですが、ブルペンでの状態は良いですね」と印象を語り、アジアプロ野球チャンピオンシップでの各試合の先発投手は首脳陣で既に決めているようだが「明日のライブBP(投手が登板する実戦形式の打撃練習)を見てから伝えようと思います」と明かした。
野手陣は守備練習の後に昼食を挟み打撃練習をしていたが、その際に小園海斗(広島)と門脇誠(巨人)から、現役時代に守備の名手としても鳴らした井端弘和監督に「守備を見て欲しい」との依頼があった。そのため、全体練習後にサブグラウンドで2人への個別指導が約1時間にわたって行われた。
その中で井端監督は打球を合わせる際に「グラブを使おうとしないように」と感覚を伝えた。足を動かしつつ上半身を中心に脱力を意識した体の使い方で、対応力をつけたり、捕球から送球へとスムーズに移行できたりするように助言した。個別指導を終え、小園は「(グラブに収まる感覚として)衝突する捕球が多かったのですが、それが少なくなってきました」と、上手くゴロに合わせて、包み込むような捕球ができていった効果を実感していた。
こうした若手選手の姿勢には井端監督も「吸収が早いですし、伸びていく要素しかありませんね」と感心した。
また、本職が遊撃手である紅林の辞退もあり二遊間は両選手を起用していく方針だといい、どちらがどちらのポジションを務めるかについて井端監督は「固定になるのか、日替わりにするのかはもっと考えていきたいです」と思案していると明かした。
3日目も宮崎市清武総合運動公園での練習が予定されており、このキャンプで初めてとなる実戦形式の練習であるライブBPなどが行われる予定となっている。
監督・選手コメント
井端弘和監督
「選手が精力的に動き始めましたね。飛ばしすぎないようにセーブしていきたいです。(門脇と小園への守備指導は)自分はこうやっているという感覚を伝えました。飲み込みが早いですしポテンシャルが高い。自分よりも足が速いですし、上手くなる要素しか無く、あとはもう経験だけかなと思います。(WBCで遊撃手を務めた)源田壮亮選手と彼らは違った世代なので、この世代の選手が出てくることが非常に大事だと思います」
小園海斗(広島)
「門脇と2人で“今日の自主練習は何する?”と話していた時に、どちらからかは忘れたのですが“井端さんにお願いしよう”となりました。見てもらって、どう思われたのかを聞きたくてお願いしました。(「グラブを使わないように」との助言は)脱力して、良い意味での遊びを持つことを教えてもらいました。衝突しての捕球が多かったのですが少なくなって来ました。(本拠地である)マツダスタジアムが(内野天然芝で)難しい分、足が止まってしまっていたのかなと思います。(二遊間での起用について)やりやすいのはショートですが、どちらでもできますし、準備しています」