リュ・ジョンイル監督のほか、13選手は先月に中国・杭州で開催された第19回アジア競技大会(以下、アジア大会)で金メダルを獲得しており、チームの熟成度は1つの大きな強みだ。今大会も「1週間合宿をしてきたのでコンディションは良い」(リュ監督)「若い選手の覇気をお見せしたい」(ムン・ドンジュ)とモチベーションは高い。
日本戦で先発予定のイ・ウィリは東京オリンピックにも出場した期待の左腕
エースは韓国人で初めて最速160キロを記録したムン・ドンジュだ。ムンはアジア大会の決勝戦でも先発し、チャイニーズ・タイペイを相手に6回無失点の好投で勝利投手となった。
WBCやアジア大会も含め今年開催された国際大会のすべてに選ばれたウォン・テインとクァク・ビン、故障のためアジア大会は大会直前に外れたものの10代で東京オリンピックに出場した期待の左腕であるイ・ウィリなど、先発投手陣は実力派が揃った。
中継ぎや抑えも、右、左、サイドスローと多彩で、大半の投手が150キロを超える速球を投げる。
そんな投手たちを預かるチェ・イルオン投手コーチは在日韓国人(日本名:山本一彦)で、下関商で甲子園に出場、専修大でも活躍した。専修大卒業後に韓国へ渡り、長年プロ野球選手・指導者として活動している。
打線はアジア大会のメンバーが中心になる。最も注目の選手は、今シーズンのKBO本塁打王であるノ・シファンだ。今年になって急成長。ソフトバンクなどでもプレーしたイ・デホが昨年引退するなど、韓国を代表する長距離打者が次々と引退していく中で、次世代の大砲として期待されている。
安打製造機のキム・へソンや野球をよく知るチェ・ジフン、アジア大会の全試合で安打を打ったユン・ドンヒらでチャンスを作り、ノ・シファンにつなぐことが韓国の得点パターンになる。
KBO本塁打王のノ・シファンが打線の中核を担う
11月7日に開幕した韓国シリーズは連日満員で、映画館などのパブリックビューイングの会場まで満員の状態になっているほど韓国の野球熱は高い。
韓国代表の強みは、選手の大半がアジア大会で一度大会を経験していることだ。11月6日から13日までテグで、韓国シリーズに出場している選手を除いて強化練習を行うなど準備に抜かりはない。
アジア大会に続く栄冠を掴み取り、野球熱をさらに高めたいところだ。