10月30日、「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」(侍ジャパンが出場するグループBは13日開幕)に向けての事前合宿「侍ジャパン宮崎秋季キャンプ2024」の2日目が宮崎県の宮崎市清武総合運動公園で行われた。
午前中は前日に雨天によりできなかった投内連係やシートノックが行われた。本職は一塁手や三塁手の清宮幸太郎(日本ハム)が左翼手の位置についたが、井端弘和監督は日本シリーズ組が出場しない予定の5日の練習試合・広島戦に限った話であるとし、わずかながら経験のある清宮が担うことになったようだ。午後はフリー打撃や自主練習でのノックなどが行われ終了。井端監督は「チームプレーが最初からできましたし、選手たちの状態も良かったです」と練習を振り返った。
投手陣はこの日、中継ぎの役割が期待されている清水達也(中日)と藤平尚真(楽天)がブルペン入りし、清水が「シーズンが終わってから十分疲労を取る時間もあったので体調も良く順調です」と話すように、ともにキレの良い球を投げ込んだ。
今季47試合に登板して防御率1.75と好投し、U-15代表とU-18代表に続いてトップチーム初選出となった藤平も「今はシーズンと同じコンディションで投げることができています」と順調な調整ぶりを窺わせた。初のブルペン入りとなったこの日は「(普段と)捕手が変わることが大きいので、しっかりコミュニケーションを取ることができました。試合で使う球種、どういう投球をしたいか、使いたいかを話しました」と新たにバッテリーを組む捕手たちと積極的に意見を交換した。
その中でも坂倉将吾(広島)は同じ千葉県出身で、リトルシニアの選抜チームで一緒になったり、プライベートでも遊びに行ったりしてきた仲。それだけに「僕が選出されると、坂倉がすぐに “頑張ろうね”と連絡をくれました」と、心強い存在だ。
この日、約10年ぶりに藤平の球を受けた坂倉は「パ・リーグらしいストレートの強い投手ですね」と印象を語り、「2人でこうなれたらいいねと当時話していたことが叶いました」と、侍ジャパンで再びチームメイトとなれたことを喜んだ。
藤平については吉見一起コーチが「ストレートの強さとキレの良いフォーク。安定もしているので起用しやすい投手です」と評価しているだけに、大会でも重要な場面での好投に期待したい。また、坂倉は昨年のアジアプロ野球チャンピオンシップに正捕手として出場しただけに、藤平を含め代表初選出が多い中で「聞かれて分かることは伝えていきたいです」と頼もしい存在となっていきそうだ。
第1クール最終日の31日もこの日同様のメニューが行われる予定となっている。ややポジションを組み替えた上での投内連係やシートノックなどで、組織力を深めるとともに起用の適性を見極めていく時間となりそうだ。
監督・選手コメント
井端弘和監督
「(藤平について)勢いあるボールを今日も投げていましたし、レギュラーシーズン後半も素晴らしい投球をしていました。気持ちが入ってくると球速も上がってくると思うので良い場面で投げてくれたらと思っています。コントロールとボールの勢いで押せて、落差のあるフォークも良いので、プレミア12でも力を発揮して欲しいです。(シートノックでは小園海斗が二塁手に)選んだ時点で伝えました。二塁手の可能性も三塁手の可能性もある状況です」
藤平尚真(楽天)
「(大会に向けて)しっかり自分のカウントで相手に向かって行く自分の投球を意識していきたいです。今年に関しては、四球がかなり少なくてストライクゾーンで勝負できています。三者凡退で良い流れを作れることが多かったので、侍ジャパンでもそうしていきたいです。(井端監督には)選んでいただいた感謝を込めて恩返ししていきたいです。初日のアップの時に話をさせてもらって起用法や心構えなど、たくさんコミュニケーションを取っていただいたので楽に練習ができています。“気持ちが強いと思うから国際大会でも変えずにやって欲しい”と言っていただきました。このチームの年上は(投手では)鈴木翔天さんだけ。後輩にもしっかり気を遣って、一丸となった方が絶対強いので、たくさんコミュニケーション取っていきたいです」
坂倉将吾(広島)
「明るい雰囲気で練習ができています。任されたところで自分の仕事ができるように準備しています。打てるところも見せていきたいですし、しっかりと守っていきたいです。(藤平が高めのストレートを投げ込んでいた場面があったが)強いストレートなので空振りやファウルを取れると感じました。目線を変える上でも有効で、フォークも生きるので活用していきたいです」
ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12
試合日程
オープニングラウンド(グループB)
2024年11月13日(水)19:00 日本 9 - 3 オーストラリア
2024年11月15日(金)19:00 日本 6 - 3 韓国
2024年11月16日(土)19:00 チャイニーズ・タイペイ 1 - 3 日本
2024年11月17日(日)19:00 日本 7 - 6 キューバ
2024年11月18日(月)19:00 ドミニカ共和国 3 - 11 日本
スーパーラウンド
2024年11月21日(木)19:00 日本 9 - 1 アメリカ
2024年11月22日(金)19:00 日本 9 - 6 ベネズエラ
2024年11月23日(土)19:00 日本 9 - 6 チャイニーズ・タイペイ
決勝
2024年11月24日(日)19:00 日本 0 - 4 チャイニーズ・タイペイ
開催球場
オープニングラウンド(グループB)
バンテリンドーム ナゴヤ、台北ドーム、天母スタジアム
スーパーラウンド・決勝・3位決定戦
東京ドーム
出場チーム
グループA
メキシコ、アメリカ、ベネズエラ、オランダ、パナマ、プエルトリコ
グループB
日本、韓国、チャイニーズ・タイペイ、キューバ、ドミニカ共和国、オーストラリア