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今年度最後の「侍ジャパン野球指導者スキルアップ講習会」を徳島県で開催!

2016年2月7日

 小中学生の指導者を対象にした「侍ジャパン野球指導者スキルアップ講習会」が2月6日、徳島県阿南市にある阿南市屋内多目的施設(あななんアリーナ)で開催された。今年度最後となる講習会の開催に、多くの小中学生の指導者が集まった。

 午前中に行われた座学では、2014年の第2回IBAF 15Uワールドカップ日本代表のチームドクターを務めた米川正悟氏が、「小中学生のからだの特徴とケガ予防」のテーマで講演。
 米川氏は、これまでに野球の現場で起きた事故の事例を説明し、それらの発生をいかにして防ぐことができるのか。また、脳震とうのリスク、熱中症を防ぐ方法。小中学生がなりやすい野球肘や成長痛が重症化しないための方法などを紹介した。

 続いて、侍ジャパン公式栄養サポートパートナーである株式会社明治の管理栄養士であり、2015年侍ジャパンU-12、U-15、U-18を担当した青山晴子氏が登壇。
 青山氏は、常に「体」が土台にあり、食べること、睡眠をとることがしっかりとできなければ、いくらハードな練習や高度な技術を身に付けようとしてもパフォーマンスアップはできないと説明。そのため5大栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミン)をバランス良く摂取することの重要性や、それらが不足すると体にどんな影響を及ぼすのかを指導者たちに伝えた。

 午後からは実技指導に入り、まずは、走塁とキャッチボールの基本について、仁志敏久氏(侍ジャパントップチーム内野守備・走塁コーチ/12U代表監督)が指導。
走塁では、駆け抜け、オーバーラン、リードの仕方。さらには、盗塁のスタートの切り方、スライディングと多岐にわたって解説。

 その後のキャッチボールの基本の指導では、捕ってからすぐ投げるまでの動きを説明。仁志氏が実践した後、参加した指導者たちも真似て実践するが、なかなか上手くいかない様子。仁志氏は、一つ一つの動きを指導者に指摘した後、
「大人たちができないことは、子どもたちはもっとできないんです。まず、自分は何ができる、できないかを理解して、指導することが大切です」と伝えた。

 その後は、投手・捕手・内野手・外野手のそれぞれ4グループに分かれて指導。投手は、鹿取義隆氏(侍ジャパンテクニカルディレクター・トップチーム投手コーチ/2014年IBAF15Uワールドカップ代表監督)が担当。捕手は里崎智也氏(2006年WBC日本代表/北京五輪日本代表)。内野手は仁志敏久氏。さらに、外野手はロサンゼルス五輪代表の広澤克実氏が担当した。

 投手担当の鹿取氏は、ボールの握り方から、足の上げ方、踏み出し、テイクバック。さらには、リリース、フィニッシュまでの一連の正しい動作を説明。また年齢が上がるにつれて筋肉が硬くなるので、投手のストレッチの重要性も説いた。

 捕手担当の里崎氏は、キャッチング、ブロッキング、スローイングの基本を分かりやすく説明。

「パスボールをする要因は、捕りにくい形になっていて、瞬時に対応ができない体勢になっていることが多いんです。そのため、どの方向にも対応できる形を作って、捕球することが大事です」と捕球のコツを分かりやすく伝えていった。

 内野手担当の仁志氏は、「内野守備は捕球から送球までの動作までが守備です」と説明。その基本を説明しつつ、ジャンピングスローや、バックハンドトスといった難易度の高い技術にも、どんどん挑戦していってほしいと話した。

 外野手担当の広澤氏は、外野手の捕球の技術を語る前に、まずはどんな時でも自然に正しい握りで投げられるようにと説いた。
「変な握りをすれば、送球は必ず変化します。しかし自然に正しい握りをすることができれば、速く強い送球ができます」
また、外野守備では予測をして守ることが捕球の形よりも先決だという。
「最初は判断を誤ってもいいです。打者、風、気候、イニングなどを含めて判断して、打球が飛ぶ位置を予測することができるかどうかが大事です」

 それぞれの講師が分かりやすく守備のコツをレクチャーした後、最後は広澤氏が打撃指導。現役時代はホームランバッターとして活躍してきた広澤氏は、小学生向けにアウトコースの打ち方、インコースの打ち方を解説。さらに、自身の打撃理論を「自分はインパクトから逆算して打撃を考えていきます」と語ると、バッティング動作を一つずつ丁寧に説明。最後は、参加者からの質問に答え、約6時間に及ぶ講習会は終了した。

 最後に仁志氏が参加者に向けて語った「小中学生を指導する皆様が、日本の野球を支えています。技術だけではなく、AEDの設置や使用方法など命を守るためのリスクマネジメントも同時に学んでいってほしいと思います」というメッセージにもあったように、侍ジャパンでは、技術指導だけでなく、将来の野球人口の拡大や、さらなるレベルアップを図るために、今後も小中学生の指導者へ向けたスキルアップ講習会を続けていく。

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