今年初実戦となる「2017 侍ジャパン オープニングマッチ」がKIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎で行われた。 27,003人の観衆が詰めかけた中で、侍ジャパンは福岡ソフトバンクホークスに0対2で敗戦。
初陣は飾れなかったが、3月7日(火)に東京ドームで開幕する「2017 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下、WBC)1次ラウンドに向けた収穫と課題が表れた。
球数制限をにらんだ修正で好投
先発のマウンドに上がったのは地元・宮崎出身の武田翔太(福岡ソフトバンク)。初陣の緊張感や所属チームが相手とあってか、初回は1四球など21球を費やす不安定な立ち上がりを見せた。
だが、武田が「2回以降はツーシームなどストライクゾーンで勝負することを心がけた」と振り返ったように、上手く修正。2回を12球、3回を6球で片付け、投球回数制限(1次ラウンドは65球)のあるWBCに向けて、高い修正能力を見せ3回を無安打無失点で抑えた。
その後は、千賀滉大(福岡ソフトバンク)が2回、藤浪晋太郎(阪神)、平野佳寿(オリックス)、松井裕樹(東北楽天)、秋吉亮(東京ヤクルト)が1回ずつ登板し、計4安打(うち内野安打1本)に抑え、上々の実戦スタートとなった。
4回に千賀が、昨年のU-23W杯MVP・真砂勇介に安打と盗塁を許したことを皮切りに先制を許した。また、8回には松井が四球、途中出場の内川聖一(福岡ソフトバンク)の捕球失策よってピンチを広げてしまい、ダメ押し点を奪われた。打線は菊池涼介(広島東洋)の3安打と筒香嘉智(横浜DeNA)の1安打のみに抑えられ、0対2で完封負けとなった。
一方で、菊池は数回盗塁を企て(いずれも打者が打つ)、打線が繋がらない際の積極的な姿勢を見せた。また、内川が失策時に走者と交錯し負傷退場となったが、指名打者に入っていた山田哲人(東京ヤクルト)が一塁手に入るなど、何が起こるか分からない国際舞台での緊急事態に備えた対応をとった。
「これから個々の状態を上げていくしかない」と小久保裕紀監督が話し、野手陣が試合後に特打を行ったように、実戦の中で出た課題をいかに次戦に向けて修正していくか。この積み重ねが、未知の部分が多く、連戦の続くWBCでは必要になっていきそうだ。
監督・選手コメント
小久保裕紀監督
「松井は本調子ではない印象だったが、他の投手たちは良い状態で投げていました。武田も試合の中で上手く修正してくれましたね。内川の負傷は想定外ですが、何かあった際に山田を一塁手で使うのは想定通りです」
武田翔太(福岡ソフトバンク)
「立ち上がりが不安定になってしまいましたが、2回と3回は球数を意識しながら感覚良く投げることができました。高めに行く球も多くなってしまったが、勝負どころのカーブは上手く決まっていたと思います。次戦も球数を意識しながら内容も求めていきたいです」
菊池涼介(広島東洋)
「(2番での出場について)自チームと変わらず繋ぎの役割だと思っています。センター中心の打球を心がけました。盗塁は行ってもよいと言われ、今の状態でチャレンジしてみたかったので走りました。これから本番に向けて、細かいところを修正していきたいです」
筒香嘉智(横浜DeNA)
「(自身の状態は)ここまで順調に来ています。(監督からは)“どっしりとして、思いきりよく振っていけ”と言われています。残り4試合で良い準備をしていきたいです」