今年8月20日から29日まで、チャイニーズ・タイペイ、台北市で開催される「第29回ユニバーシアード競技大会」に参加する侍ジャパン大学代表。チャイニーズ・タイペイとの両国優勝となった前回大会に続く連覇を狙う本大会登録22選手を決める最終選考合宿が3月21日から3日間の日程で始まった。
今回の合宿に参加したのは昨年11月に48選手が参加し、愛媛県松山市で行われた二次選考を経て、すでに日本オリンピック委員会に一次選手として登録されている32名。初日となったこの日はあいにくの雨模様に見舞われ、予定していたバッティングパレス相石スタジアムひらつか(神奈川県平塚市)での紅白戦は中止となり、急きょ、明治大学野球部室内練習場(東京都府中市)に場所を移して練習が行われた。
11時30分からスタートした練習ではアップ、キャッチボールに続き、まずは投内連携の守備練習が行われ、本大会で勝敗を大きく左右する要素となるファーストゴロに対するベースカバーやバント対応を確認した。
その後、野手組はノックとトスバッティングなどの打撃練習。投手組はブルペンに移動してピッチングを行った。そのなかでも、前回大会に続き指揮を執ることになった侍ジャパン大学代表・善波 達也監督が注目していたのは、やはり投手である。
指揮官は「今日、参加している選手は、ここまで残っているだけあって、みんな特徴がある投手でした。ただ、私たちの目標はあくまでもユニバーシアードなので、外国人選手相手を念頭に置き、国際大会で勝てる投手を見極めることを重視しました」とまずは大枠を話した上で、特に選考評価のポイントとして「空振りを取れるボールを持っていること。そして、そのボールを配球のなかで上手く組み合わせることができること」を明示した。
よってブルペンで善波監督は投手陣に「変化球をあえてボールゾーンに投げること」を要求したり、途中でキャッチャーを代えて投げさせたりと、より本番を想定しながらのピッチング練習を指導。また、サイドスロー投手に対しては、「今、侍ジャパンでは牧田和久投手(埼玉西武)が高めの伸びる真っすぐと低めの落ちるボールを使い、世界の舞台で通用しているので投げてもらいました」と、高低へのボールを投げ分けも指示した。
最後は、善波監督から選手たちに対して「この時期はキャンプ、オープン戦と続いて、疲労が蓄積されているので、自分の体の手入れだけはしっかりとしておくように」と注意が与えられ3時間余りの練習は終了した。
なお、最終選考合宿2日目となる3月22日はバッティングパレス相石スタジアムひらつかで8時から練習を行った上で、10時からは社会人野球の強豪・JFE東日本とダブルヘッダーでオープン戦を行う予定。「明日は悩むことになると思います」と話した善波監督に、32選手がどのような形で世界一に必要な戦力であることを証明できるか。若き侍たちのプレーぶりが注目される。