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実戦力を高めた充実の高知・室戸合宿 練習試合を大勝で締めくくる

2017年8月12日

 9月2日から香港で開催される「第1回 BFA女子野球アジアカップ」に向けた侍ジャパン女子代表の高知・室戸合宿2日目は、前日に引き続き、室戸マリン球場で戦術確認に重きを置いた練習を行った。

 午前9時前から球場入りした選手たちは、まずはウォーミングアップ。トレーナーの発案でじゃんけんや鬼ごっこを採り入れ、グラウンドは最初から笑いが絶えない和気あいあいとした雰囲気に包まれた。その後はキャッチボール、トスバッティング、バント練習をこなし、1日目に引き続き、サインプレーやケース別の守りに重点を置いた練習へ。

 走者を置いた形式ノックでは外野手も参加し、ダブルスチールや犠牲フライへの対応を確認した。その中で特に侍ジャパン女子代表・橘田恵監督は、金満梨々那(開志高3年)、緒方佑華(折尾愛真高3年)、遠藤佳菜子(作新学院高2年)の3捕手に対して、内野手へより明確な指示を出す司令塔的役割を要求。3人もそれに応え、自然に選手たちの声量も1日目より大きくることに。加えて、お互いのプレーを褒め合うなど、選手20名はアジア初代女王獲得に必須であるコミュニケーション力を着実に高めていった。

 そして午前練習の仕上げは、トレーナーが入念なストレッチを選手たちに指導。その狙いについて橘田監督は「アジアカップは約10日間の長期戦になるので、トレーナーに頼ってばかりはいられない。また、合宿後にそれぞれのチームに帰っても、自分で自分の体をケアできるように」と説明した。ちなみに前夜の宿舎で彼女たちは栄養学の座学も行っている。

 午後からはビジター用ユニフォームを初着用し、2日連続となる室戸高校との練習試合(7イニング制)を行った。

 この試合は初回から侍ジャパンが猛攻を見せる。1回裏に3番・渡辺那奈(作新学院高2年)の適時二塁打で先制すると、指名打者で4番に入った姫野真由(花咲徳栄高3年)も適時三塁打。その後も長短打やスクイズ、本盗など多彩な攻撃を見せて打者14人で9得点。2回裏にもスクイズや適時打で4点を追加し、序盤で大量リードをつけた。

 その中でも4回裏には二死から、安達瑠(京都両洋高校3年)が三塁前へ絶妙なバントヒットを決めるなど、相手に流れを渡さない工夫もみられた。

 一方の投手陣は先発の今井巴菜(神村学園高等部3年)は走者を出しながらも2回無失点。2番手小野さくら(埼玉栄高2年)は味方のエラーもあり1点を失うものの、外野からマウンドに上がった3番手の池本歩莉(埼玉栄高2年)、4番手の水流麻夏(神戸弘陵学園高3年)は無失点リレー。特に「ストレートがあまり走っていなかったので、コントロール重視でいった。直球と変化球をうまく組み合わせて打者のタイミングをずらすことができたと思う」と話した水流は3イニング打者9人を完璧に抑えた。

 最終的な室戸高校との練習試合は16−1で連勝。橘田監督は「中盤以降、大量リードで士気が下がり、打撃が雑になってしまう場面があった」と課題をあげつつも、2日間を振り返って「けん制や守備位置など、練習したことは試合のなかでしっかりプレーできた。アジアカップへは、初代チャンピオンになることはもちろん、日本が世界の女子野球を牽引していくつもりで臨みたい」と意気込みを述べた。

 かくして太平洋の雄大な光景が広がる室戸で充実の2日間を終えた侍ジャパン女子代表。今後、20名のヤングマドンナたちはそれぞれのチームに戻って練習を続けた後、8月28~30日に川崎市で直前合宿。そして8月31日に日本を発ち、決戦の地・香港へ向かう予定だ。

第1回 BFA 女子野球アジアカップ

大会概要 出場選手一覧

大会期間

2017年9月2日~9月7日

大会スケジュール
9月2日(土)16:00 韓国 0 - 11 日本
9月3日(日)13:00 日本 6 - 1 チャイニーズ・タイペイ
9月4日(月)17:30 パキスタン 0 - 17 日本
9月5日(火)13:00 日本 2 - 0 香港
9月6日(水)10:00 日本 17 - 0 インド
※開始時刻は日本時間(香港:時差-1時間)

開催地

香港

出場国

日本、チャイニーズ・タイペイ、韓国、香港、インド、パキスタン

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