10月2日から台湾で開催される「第28回 BFA アジア選手権」で、2012年の第26回大会以来、2大会ぶりの頂点獲得を狙う侍ジャパン社会人代表・4日間直前合宿。9月28日の3日目は11時から開催予定だったNTT東日本との強化試合がグラウンドコンディション不良のため中止となり、室内練習場に場所を移しての練習が行われた。
アップなどの準備運動のあと、最初のメニューは相手チームの機動力に備えての様々なプレーの確認。この日は実際に走者をつけてシチュエーションをはっきりとさせながら、ピッチャーを含めた内野陣の動きを入念に繰り返し、チームとしての完成度を高めていった。その間、侍ジャパン社会人代表・石井章夫監督も「その場にいる選手がどれだけ相手の動きに気付けるかが大切。だから、相手から目を切ることなく、周囲に気を配ってプレーしてほしい」と細かく選手たちに注意喚起を行った。
続くシートノックでは通常のノックを行った後、バックホームでのストライク返球メニューでは外野手も含めた2~4名の選手同士による「ノーミスゲーム」を実施した。ここではショート守備組とファースト守備組が早々に勝ち抜け、最後はセカンド守備組がノーミスを達成。その瞬間、大きな声で常に練習を盛り上げている渡邉貴美男(JX-ENEOS)がジャンプで喜びを表した一方、最下位となったサード組にはしゃがんだ状態でホームから二塁まで歩かされる罰ゲームが課されることに。強化試合が中止となった中でも、より一体感が高まる首脳陣の粋な計らいに、チーム内は大いに盛り上がった。
その後、野手陣はバッティング練習。投手陣は調整を行い、谷川昌希(九州三菱自動車)、鈴木健矢(JX-ENEOS)、阿部良亮(日本通運)の3投手はブルペンに入って投げ込み。投手陣が引き上げてからは石井監督と杉浦正則コーチが捕手陣を集め、ストップの練習やキャッチングを指導し、比較的短時間でこの日の練習を打ち上げた。
しかしながら練習後のミーティングで選手たちの表情は再び引き締まる。石井監督は前日の強化試合・11対5で大勝した千葉ロッテ2軍戦の後半について「気持ちは流れていなかったか?」と冷静に指摘した上で「苦しい場面はやってくるが、その困ったと時に何ができるかが大事」と提言。直前合宿最終日への課題も明示した。
そして、9月29日、いよいよ直前合宿最終日を迎える侍ジャパン社会人代表。13時から東京都大田区の東京ガス大森グラウンドで行われる東京ガスとの強化試合で、彼らは「アジアナンバーワン」を獲るための方法論を表現しにいく。