9月3日に開幕する「第12回 BFA U18アジア選手権」で2大会連続6度目の優勝を狙う侍ジャパンU-18代表の過去の大会結果を振り返ってみる。
かつては「アジアAAA野球選手権」という大会名称であったが、第10回大会(2014年)から「BFAアジア選手権」となった。「BFA」とは大会主催者であるアジア野球連盟(Baseball Federation of Asia)の略称である。第1回は1994年、オーストラリアで開催され、日本は初代王者に輝いている。チームを率いたのは横浜・渡辺元智監督で、開催時期が年末から年始にかけてであったため、1、2年生が参加。今治西・藤井秀悟投手(元ヤクルトほか)、PL学園・福留孝介内野手(現阪神)などがメンバーとして選出された。
2度目の優勝は第3回大会(1998年)で、日本開催(甲子園ほか)だった。第80回選手権記念大会で、史上5校目の春夏連覇を遂げた横浜・松坂大輔(現中日)のほか、鹿児島実・杉内俊哉(現巨人)、沖縄水産・新垣渚(元ソフトバンクほか)、東福岡・村田修一(元巨人ほか)など、のちにプロでも活躍する実力派メンバーが集まった大会であった。
2005年の第6回大会(韓国開催)では同夏の甲子園で夏連覇を遂げた駒大苫小牧・林裕也(現東芝)、当時2年生の田中将大(現ヤンキース)のほかに、投手では大阪桐蔭・辻内崇伸(元巨人ほか)、打者では同・平田良介(現中日)、市和歌山商・川端慎吾(現ヤクルト)の3人がベストナインを受賞した。なお、この大会のコーチを務めたのが、今回の高校日本代表を率いる報徳学園・永田裕治監督である。
4度目の優勝は2011年の第9回大会(日本開催)だ。同大会から使用バットが木製となったが、東海大甲府・高橋周平(現中日)が横浜スタジアムで本塁打を放つパワーを見せつけ、MVPを受賞。このほか、本塁打を放った慶応義塾・谷田成吾(現徳島インディゴソックス)、日大三・横尾俊建(現日本ハム)、同・畔上翔(現Honda鈴鹿)が木製バットへの対応力を見せていた。
2014年の第10回大会(タイ開催)の中心メンバーは、前年夏の甲子園で全国制覇を遂げた前橋育英・高橋光成(現西武)と、超高校級スラッガーと言われた智弁学園・岡本和真(現巨人)。一次ラウンドを3戦全勝(42得点、無失点)で勝ち上がり、チャイニーズ・タイペイとの準決勝も1点を追う9回裏にサヨナラ勝ち。勢いに乗って韓国との決勝に臨んだが、3失策と守りが乱れて、1対2と優勝を逃している。
2016年の第11回大会(台湾開催)は圧倒的な強さを見せた。一次ラウンドを3連勝で突破し、韓国、中国とのスーパーラウンドも連勝。金メダルをかけた地元・チャイニーズ・タイペイとの決勝では、同夏の甲子園優勝投手の作新学院・今井達也(現西武)と、絶対的なリリーバーだった広島新庄・堀瑞輝(現日本ハム)による完封リレー(1対0)が決まり、2大会ぶり5度目のアジア王座に輝いた。6回に決勝打を放った納大地(現東洋大)がMVPを受賞している。履正社・寺島成輝(現ヤクルト)、横浜・藤平尚真(現楽天)、花咲徳栄・高橋昂也(現広島)による投手陣は6試合で1失点と安定感抜群で、攻撃では静岡・鈴木将平(現西武)の打撃センスが光っていた。「完全アウエー」という厳しい状況の中でもU-18戦士は、たくましく戦い抜いた。
過去の優勝実績の内訳は日本5度、韓国4度、チャイニーズ・タイペイ2度となっており、今回も「3強」による金メダル争いが予想される。
7年ぶり3度目の日本開催となる第12回大会。過去2度の日本開催はいずれもアジア王座に輝いているだけに、今回も「地の利」を生かしたいところである。
第12回 BFA U18アジア選手権
大会期間
2018年9月3日~9月10日
グループA
9月3日(月)18:00 日本 26 - 0 香港
9月4日(火)18:00 スリランカ 0 - 15 日本
9月5日(水)18:00 日本 1 - 3 韓国
スーパーラウンド
9月7日(金)18:00 チャイニーズ・タイペイ 3 - 1 日本
9月8日(土)18:00 日本 (中止) 中国
3位決定戦
9月10日(月)13:00 日本 14 - 1 中国
開催地
日本(宮崎)
出場する国と地域
グループA
日本、香港、韓国、スリランカ
グループB
中国、チャイニーズ・タイペイ、パキスタン、インドネシア