9月3日に宮崎で開幕する「第12回 BFA U18アジア選手権」に出場する侍ジャパンU-18代表が9月1日、メーン会場であるKIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎で練習を行った。
当初は13時からの開始予定だったが、昼前の天候不良を考慮して午前9時からのスタート。シートノックでは内、外野手のカットプレー、投手のカバーリングを確認。投手は原則ノースローで、野手はフリー打撃で打ち込んだ。練習中盤までは厳しい日差しが照りつけていたが予報通り11時過ぎから、厚い雲に覆われて、雷雨により、フリー打撃途中にグラウンドを引き揚げている。約30分、ウエート・トレーニングを消化し、約3時間のメニューを終了した。
前日、宮崎県高校選抜との壮行試合を4対2で勝ったものの、永田裕治監督はその試合内容に納得ができなかった。聖心ウルスラの149キロ右腕・戸郷翔征ら計5人の投手から17奪三振。永田監督は「夕食の後に、厳しめのミーティングをしました」と明かした。内容はこうだ。「好投手を相手に、打てなかったときにどうするか?武器になるのは足や!!」と。打席内での工夫を求めたのである。
夕食の後、選手たちは日誌を書いて、永田監督に提出するのが取り決めとなっている。
「言えない中でのコミュニケーションが、日誌ではできる。2~3行で終わっている選手もいれば、目いっぱい書いてくる選手もいる。性格が把握できますよ」。かつて自身が指揮していた報徳学園でも行っていた指導法で、「文章を書くと勉強になる。誤字脱字もありますが……(苦笑)、そこは直してないです」。提出した日誌を夜にかけて目を通し、一言書き添えて、翌朝に選手へ戻す。昨日はナイトゲームだったため、朝6時30分に起床して選手の正直な〝思い〟を熟読したという。
自身と冷静に向き合うタイプである大阪桐蔭・根尾昂は言う。「永田監督から『活躍を期待する』という言葉が書かれていました。前回大会は優勝しているので、自分たちも続けるように必ず勝つ。負けられない思いがある」。
日誌のほか、選手のコンディションを知る上で、理学療法士とのコミュニケーションも欠かさない。「(この大会は)短期間勝負。こちらが『行けるか?』と聞けば必ず『行けます!!』と言う。理学療法士には本音を言うこともありますので、体調を把握する面も連絡を密に取るようにしています」。
対戦チームの具体的な情報がないため、各試合とも「ぶっつけ本番」となる。永田監督は日本の武器として「足」を強調していたが、国際試合においては「けん制はかなり違うので、過去のビデオも見せてきました」。解釈の違いでボークを宣告されないケースもあるので、よりケアするように伝えたという。
実際の試合を見た上でルールを確認する意図もあるが、国際大会の雰囲気を知る目的もあった。永田監督は2004年の第21回AAA世界野球選手権大会(台湾)、2005年の第6回アジアAAA野球選手権大会(韓国)で高校日本代表チームのコーチを2度務めたキャリアがある。自身が実際に経験した当時の映像に加えて、1998年の第3回アジアAAA野球選手権大会(日本)のビデオも移動バスの中で見せて、モチベーションを高めさせた。
開幕前日の明日は公式練習の後に記者会見、監督会議が行われる。アジア選手権2連覇へ、心身ともにテンションが上がってきている。
第12回 BFA U18アジア選手権
大会期間
2018年9月3日~9月10日
グループA
9月3日(月)18:00 日本 26 - 0 香港
9月4日(火)18:00 スリランカ 0 - 15 日本
9月5日(水)18:00 日本 1 - 3 韓国
スーパーラウンド
9月7日(金)18:00 チャイニーズ・タイペイ 3 - 1 日本
9月8日(土)18:00 日本 (中止) 中国
3位決定戦
9月10日(月)13:00 日本 14 - 1 中国
開催地
日本(宮崎)
出場する国と地域
グループA
日本、香港、韓国、スリランカ
グループB
中国、チャイニーズ・タイペイ、パキスタン、インドネシア