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試合レポート

主将・内田が先制スリーラン 積極走塁でメキシコに快勝し開幕3連勝

2018年10月22日

 第2回 WBSC U-23ワールドカップ(コロンビア・バランキージャ)に出場している野球日本代表「侍ジャパン」U-23代表は10月21日、オープニングラウンド第3戦でメキシコと対戦。グループAにおける開幕2連勝同士の直接対決を、日本が7対2で制した。

侍ジャパンU-23代表・先発メンバー
(指)宮澤義也(新日鐵住金かずさマジック)
(中)島田海吏(阪神)
(一)安田尚憲(ロッテ)
(三)内田靖人(楽天)
(捕)堀内謙伍(楽天)
(二)中山悠輝(東京ガス)
(左)岸里亮佑(日本ハム)
(遊)大河(DeNA)
(右)周東佑京(ソフトバンク)
▼投手 阪口皓亮(DeNA)

 稲葉監督が就任以来掲げる「スピード&パワー」それにこの大会で掲げる「投手中心にまずは守りから攻撃のリズムをしっかり作る」という点を選手が着実に実現して3連勝を遂げた。

 試合前のミーティングでは、メキシコのパワーやスピード、体格、点が入った時などの「ノリの良さ」に圧倒されることなく、とにかく攻めの気持ちを忘れず、かつ、頭は冷静に。と稲葉監督は選手を送り出した。

 初回、先発の阪口は先頭打者から二者連続三振を取るなど攻めの気持ちでメキシコ打線をまずは圧倒し、これに打線が応える。一死から二番島田、三番安田の連続ヒットの後、四番・内田がカウント1ボール1ストライクから3球目ストレートを、狙い澄ましてのフルスイング。高々と舞い上がった打球は、左中間に飛び込む先制3ラン。「ずっとチャンスで打ててなかったので、四番の仕事をしっかりしようと思って打席に入った」と四番・主将としての責任を感じながら、ここぞという場面での一振りは「会心の当たり」と振り返った。

 稲葉監督は常日頃から、国際大会ではひとつでも先の塁を取りに行く積極的な走塁が重要となると語っているが、そうした理想の攻撃スタイルを実践できたのが3、4回だった。
 3回表、「フォアボールでもデッドボールでも構わないので、常にクリーンアップに良い形でつなぐことを目標として毎試合取り組んでいる」と語る先頭の島田が、7球目を中前へ運ぶ。一死後、打者・内田の際に、島田は二盗を成功。相手捕手は日本の機動力を警戒し、半身での捕球態勢に入っていたが、それでも俊足・島田の足を封じることはできなかった。さらに、内田の投手ゴロで島田は俊足と好判断で三塁へ進塁する。二死三塁から堀内が「当たりは良くなかったが、良いところに飛んでくれた」と遊撃後方にしぶとく落とす。島田の次の塁を狙う積極的な姿勢が、チームに追加点をもたらした。

 4回表も先頭の七番・岸里が中前打で出塁すると、すかさず二盗を決める。八番の大河は逆方向を意識したスイングで、二ゴロを転がしての進塁打。一死三塁から九番・周東の中犠飛で岸里が5点目のホームを踏んだ。

 5、6回は相手のミスにつけ込んで追加点。日本が終始リードを奪ってのゲームプランを実行できたのも、3試合を通じた投手陣の頑張りに尽きる。先発・阪口は150キロに迫るストレートと、同じ軌道でくるスプリットはキレ味十分。真っすぐとの30キロ差でタテ変化するカーブを緩急として有効活用、スライダーも巧みに使い分けて、メキシコ打線を圧倒していた。阪口は4回表にソロ本塁打を浴びたものの、4回2/3を投げ8奪三振。5回表二死満塁から阪口を救援した左腕・成田は、「気持ちを入れてマウンドに上がった」と次打者を空振り三振に抑えピンチを脱した。6回表、成田は制球を乱し1失点するも、7回からは鈴木、塹江、櫻井と1イニングずつをつないで無失点リレー。3人とも安定感ある投球を披露して、メキシコの反撃を許さなかった。

 日本らしい野球を展開できた中で、不安材料が浮上した。5回裏、中山が一ゴロを放った際に一塁ベースで相手選手と交錯して足を痛め交代。今回の登録メンバーは投手11人に対し野手13人。ベンチに控える野手は4人(うち捕手2人)であり、一人の離脱が与える影響は大きい。特に中山は、セカンド・サード・ショートを守れるユーティリティープレーヤーであり、決勝まで6試合を残すなか、怪我の具合が心配される。

 グループAの日本はオープニングラウンドで開幕3連勝。22日にオランダ、23日は地元・コロンビアとの対戦を控えており、オランダは20日までに2敗、コロンビアは2勝という戦績。スーパーラウンド進出のためにも、まずは眼前のオランダ戦に全力を尽くす。

監督・選手コメント

稲葉篤紀監督

「メキシコの体の大きさやパワー、ノリの良さなど我々にとって緊張感がある中で、初回の内田の3ランには勇気を与えてもらった。走塁はとにかくチャレンジしていこうとずっとやってきた。積極的に走ってくれて、それが点に絡んだ。これからも続けていければと思う。また、投手陣が粘って頑張ってくれた。阪口は、あの時点(5回表ツーアウト満塁)で目いっぱいというのを感じて交代させた。こういう展開や流れで成田を登板させるというのは建山コーチと話していて、きちんと準備ができていたのは素晴らしかった」

阪口皓亮投手

「今日は先発としての仕事ができなかった。リリーフの方々に申し訳ないなと思う。次回任された場合は今日の悔しさを踏まえてQS(クオリティ・スタート)がとれるように頑張りたい」

第2回 WBSC U-23ワールドカップ

大会概要 出場選手

大会期間

2018年10月19日~10月28日

オープニングラウンド

10月20日(土)5:00 日本 13 - 0 南アフリカ
10月21日(日)0:00 チャイニーズ・タイペイ 1 - 3 日本
10月22日(月)0:00 日本 7 - 2 メキシコ
10月23日(火)0:00 日本 5 - 0 オランダ
10月24日(水)10:00 コロンビア 2 - 7 日本
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)

スーパーラウンド

10月26日(金)0:00 日本 3 - 2 韓国
10月27日(土)5:00 日本 6 - 3 ベネズエラ
10月28日(日)0:00 日本 4 - 0 ドミニカ共和国
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)

決勝

10月29日(月)9:00 日本 1 - 2 メキシコ
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)

開催地

コロンビア(バランキージャ)

出場する国と地域

グループA
日本、メキシコ、チャイニーズ・タイペイ、オランダ、コロンビア、南アフリカ

グループB
韓国、オーストラリア、プエルトリコ、ベネズエラ、ドミニカ共和国、チェコ

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