9月12日、「第5回 WBSC U-23ワールドカップ」(15日まで中国・紹興市)に出場している侍ジャパンU-23代表が、スーパーラウンド初戦でベネズエラ代表と対戦し、5対1で勝利した。
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先発の谷脇弘起(日本生命)が5回を投げて被安打2、奪三振6、1失点の好投。ベネズエラ投手陣が10個もの四死球を出したことにも助けられ、中盤に得点を重ねた侍ジャパンU-23代表が連覇へ向けて貴重な白星を手にした。
スーパーラウンドではオープニングラウンド同グループから進出したチームとの勝敗が持ち越されるため、これで日本は2勝1敗となった。
1回裏、ベネズエラ先発右腕のブライアン・メディーナは開始から10球連続でボールを出すなど不安定で、侍ジャパンU-23代表は3つの四球で1死満塁と絶好機を作る。しかし5番の髙橋隆慶(JR東日本)、6番の相羽寛太(ヤマハ)が空振り三振に倒れ無得点に終わってしまう。
2回表、ベネズエラは先頭のペドロ・マルティネスが内野安打で出塁。犠打で二塁に進塁すると、6番のセイザー・イドロゴがライト前へ安打。村上裕一郎(ENEOS)が本塁へ良い送球をしタイミング的にはアウトかと思われたが、難しいバウンドを捕手の有馬諒(ENEOS)が捕りきれず、マルティネスが先制点を刻んだ。
1点を追いかける侍ジャパンU-23代表は3回裏、今大会あまり調子の上がっていなかった村上が1死から甘く入ってきた変化球を捉え、左翼フェンスを超えるソロ本塁打で1対1の同点に。さらに野口泰司(NTT東日本)の四球と盗塁で2死二塁のチャンスを作ると、開幕から無安打が続いていた相羽が力強いスイングで右中間へ打球を運び、2対1と逆転に成功する。
4回裏には有馬の内野安打と相手エラーで無死二塁のチャンスを作ると、吉川海斗(日立製作所)がライトへタイムリーを放ち1点を追加。吉川は相手守備の隙を突き二塁まで進むと、続く山田拓也(東芝)の打った飛球は詰まってはいたが、これが左翼手の前に落ちる幸運なタイムリーに。そこからさらに2つの四球などで2死満塁にすると、相羽への死球で押し出しの1点を加点。5対1とし、そのまま最後までリードを守った。
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
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
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大会初戦のプエルトリコ戦に先発登板し4失点で敗戦投手となった谷脇は、2回に2本の安打を許し失点はしたものの、それ以外は緩い変化球なども交えながら完璧と言ってもいい投球内容を披露。4回には3者連続の三振に打ち取った。
6回には左腕・松田賢大(バイタルネット)が、そして最終7回には林田夢大(西部ガス)がマウンドに上り、いずれも相手を完璧に封じて試合を締めた。
吉川は二塁打2本を含む3安打と活躍。先発起用となったオープニングラウンドのオーストラリア戦から4試合連続で安打を記録した。
川口朋保監督はこの日、オープニングラウンドでは打順3番に据えてきた今里凌(日本製鉄鹿島)を2番に、同ラウンド最終戦はラインナップから外れた村上を3番で先発起用した。今里は3度、4番・野口は4度、四球を選んで粘りを示すとともに相手投手に重圧をかけた。
同時刻に始まったニカラグア対プエルトリコの試合は、7回表に先制したプエルトリコが1対0で勝利した。この結果、次戦で侍ジャパンU-23代表と対戦するニカラグアもスーパーラウンドで2勝1敗となった。両チームは2日、今大会へ向けた直前合宿中に練習試合を行い、8対1(タイブレークを含めると9対1)で侍ジャパンU-23代表が勝利している。
監督・選手コメント
川口朋保監督
「初回の満塁の好機に点が取れず、その直後に先制されましたが、先発の谷脇が最少失点で踏ん張ったことが初戦の先発から成長したところでした。村上の本塁打がチームにいい流れを作り、ここまで当たりの無かった相羽に勝ち越しタイムリーが出たことは本人とチームにとって非常に嬉しいこと。また今日は9番に入った吉川が打線の繋ぎをしてくれました。リリーフ陣も好調を維持し、控えにまわっている選手も非常にいい状態で試合に臨んでいます。チームはここからが正念場、一戦一戦、チーム一丸となって立ち向かっていきます」
谷脇弘起(日本生命)
「前回登板は負け投手になってしまいましたが、切り替えてスーパーラウンド初戦で取り返すと決めていたので、良い投球ができて良かったです。やはり中南米のチームは直球に強いので、高めのストレートはケアしました。(次回登板に向けて)次はいつになるかわかりませんが、一戦必勝でやっていきたいと思います」
吉川海斗(日立製作所)
「昨日はオフでしたがバットを振ったり、いろいろ積みあげてきたものが出せたので良かったと思います。次はニカラグア戦になりますが、変わらずチーム一丸となって頑張っていきます。(好調の理由は)試合でチームの方々がすごくプレーをしやすい環境を作ってくださっているので、いいプレーができていると思います」
村上裕一郎(ENEOS)
「(同点本塁打について)久しぶりの一打だったので、嬉しかったです。僕の一打でなんとか勢いづけたいなと思っていたので、それができて良かったと思います。(今後に向けて)自分の持ち味である長打でチームの勝利に貢献できるように頑張ります」
第5回 WBSC U-23ワールドカップ
大会期間
2024年9月6日~9月15日
オープニングラウンド(グループA)
2024年9月6日(金)20:00 日本 1 - 6 プエルトリコ
2024年9月7日(土)15:30 日本 2 - 0 中国
2024年9月8日(日)20:00 オーストラリア 1 - 4 日本
2024年9月9日(月)20:00 日本 7 - 1 コロンビア
2024年9月10日(火)20:00 イギリス 1 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
スーパーラウンド
9月12日(木)20:00 日本 5 - 1 ベネズエラ
9月13日(金)15:30 ニカラグア 1 - 9 日本
9月14日(土)20:00 日本 2 - 1 韓国
決勝
9月15日(日)10:00 プエルトリコ 0 - 5 日本
開催地
中国(紹興市)
出場する国と地域
グループA
日本、オーストラリア、プエルトリコ、コロンビア、イギリス、中国
グループB
韓国、チャイニーズ・タイペイ、ベネズエラ、オランダ、ニカラグア、南アフリカ