7月30日、「ラグザス presents 第8回 WBSC U-12野球ワールドカップ2025」(台湾・台南市で8月3日まで)のオープニングラウンド最終戦が行われ、侍ジャパンU-12代表はメキシコと対戦。接戦に持ち込まれた試合だったが6対7で初黒星を喫した。






「もったいない。力負けというよりも自滅してしまいました」と試合後、大久保秀昭監督が悔しそうに振り返ったように、攻守にわたり要所でミスが出てしまった。
初回は得点圏に走者を進めながらも先制できなかったが、2回は茨木雄之介(松戸中央ボーイズ)のセンター前安打からチャンスを作ると幸大貴(奈良リトルシニア)のレフト前タイムリーで先制に成功した。
しかし、先発の佐橋陸公(湘南ボーイズ)が四死球や茨木の失策で無死満塁のピンチを招く。ここでメキシコの内野ゴロを佐橋が処理しようとした際に足を取られ内野安打となり先制を許す。この際に若干足を痛めた。続投は可能な程度ではあったものの、その後ボークや連続四死球を出して降板した。
代わった福山恒成(多摩リトルリーグ稲城)も好打者のエミリアーノ・フェリックスや強打者のエドアルド・ミランダにセンター前タイムリーを浴びるなど相手打線の勢いを止めることができず。この回6点を失った。
それでも好調続く打線はすぐに反撃。3回に橋本翔太朗(高崎ボーイズ)の二塁打からチャンスを作ると、大原颯二郎(糸島ボーイズ)の打球と俊足が相手失策を誘い1点、さらに茨木が守備の悔しさを晴らすかのようなタイムリーを放って1点と、計2点を返した。その裏に大原が四球やフェリックスの安打で招いたピンチで、ダリオ・カルバーリョにタイムリーを浴びるが、その後はこの日最速118キロを計測したストレートや変化球で空振り三振を奪い、最少失点でピンチを脱した。
4回には河津勇誇(糸島ボーイズ)の安打や四球から作ったチャンスで小川大良(湘南リトルリーグ平塚)がセンター前に2点タイムリーを放って5対7と2点差にリードを詰めた。
さらに4回と5回は左腕の清水亮多(横浜リトルリーグ青葉緑東)が速さの異なる2種のカーブとストレートのコンビネーションで、2イニングを無安打に抑えて、味方の同点・逆転を待った。






そして迎えた最終6回。先頭の外山泰基(福岡ベースボールポニー)がセンターフェンスを越える本塁打を放ち、1点差。さらに小川が四球で出塁し同点への機運が一気に高まった。しかし、小川が牽制で刺されてしまうと、橋本が凡退。吉塚真之介(狭山西武ボーイズ)はセンター前安打で繋ぐが、代打の寺田大智(千葉リトルリーグ船橋)がレフトフライに倒れて試合終了。開幕5連勝はならなかった。
両グループ3位以上が進むスーパーラウンドは、オープニングラウンド同グループとの対戦成績が持ち越されるため、チャイニーズ・タイペイ戦の1勝とメキシコ戦の1敗を持ち越す1勝1敗からのスタートに。スーパーラウンド開始時点で1勝1敗のチームが4チームいるだけに、初優勝のかかる決勝進出に向けてはスーパーラウンドでの3戦全勝が必要となる可能性が高くなった。
スーパーラウンド初日となる31日はここまで無敗の韓国と、日本時間15時半から対戦。連戦が続くハードな日程となるが、初の栄冠を手に入れるべく一戦必勝で戦い続ける。
監督・選手コメント
大久保秀昭監督
「勝ち試合に持っていけそうな雰囲気を作りながらも、自ら逃してしまいました。走塁はもったいなかったですし、不運な当たりもありました。攻撃は“たら・れば”がありますが、守備のミスや投手の四死球は幼さが出ましたね。(好投した)清水は一番ストライクが取れますね。ストライクが取れて、しっかり守れれば、どことやっても良い勝負になって力負けしません。今回は(優勝の)チャンスがあると思っています」
清水亮多(横浜リトルリーグ青葉緑東)
「変化球中心に抑えられて良かったですが、負けてしまって悔しいです。速いカーブと遅いカーブにストレートを混ぜながら投げました。早く投げたいという気持ちでした。今後も優勝できるように頑張りたいです」
外山泰基(福岡ベースボールポニー)
「悔しいです。勝てた試合でした。5連勝で勢いにもっと乗りたかったです。(チームとして)エラーや四死球が失点に繋がってしまったので、その後の切り替えが課題です。走塁も場面を考えないといけません。ホームランは嬉しいですが、それまで無安打だったので、それより前に打たないといけませんでした。初優勝を狙うためにもう1敗もできません。一つひとつの行動や意識が大事になってくると思います」
ラグザス presents 第8回 WBSC U-12野球ワールドカップ2025
大会期間
2025年7月25日~8月3日
オープニングラウンド(グループA)
7月25日(金)15:30 日本 17 - 0 ドイツ
7月26日(土)15:30 日本 4 - 0 キューバ
7月27日(日)19:30 チャイニーズ・タイペイ 2 - 7 日本
7月28日(月)15:30 メキシコ - 日本 雨天延期
7月29日(火)11:30 日本 15 - 0 オーストラリア
7月30日(水)11:30 メキシコ 7 - 6 日本
スーパーラウンド
7月31日(木)15:30 日本 - 韓国
8月1日(金)15:30 日本 - ドミニカ共和国
8月2日(土)15:30 日本 - アメリカ
決勝・3位決定戦
8月3日
開催地
台湾(台南)
出場する国と地域
グループA
日本、チャイニーズ・タイペイ、メキシコ、キューバ、オーストラリア、ドイツ
グループB
アメリカ、韓国、パナマ、ドミニカ共和国、チェコ、南アフリカ