野球日本代表「侍ジャパン」U-23代表は10月22日、オランダと対戦。初回に主導権を握った日本が5対0で逃げ切り、開幕からの連勝を4に伸ばし、1試合を残して第2回WBSC U-23ワールドカップ・スーパーラウンドへの進出を決めた。
侍ジャパンU-23代表・先発メンバー
(指)宮澤義也(新日鐵住金かずさマジック)
(中)島田海吏(阪神)
(左)岸里亮佑(日本ハム)
(三)内田靖人(楽天)
(一)安田尚憲(ロッテ)
(遊)大河(DeNA)
(捕)堀内謙伍(楽天)
(二)西巻賢二(楽天)
(右)周東佑京(ソフトバンク)
▼投手 近藤弘樹(楽天)
「投手中心に、まずは守りから攻撃のリズムをしっかり作る」。今大会を通じて、稲葉監督が掲げるチーム方針は連日、初回から実践されることになる。
日本の先発・近藤は1回表、一番打者を高めの真っすぐで空振り三振、二番は右打者のアウトローへの見逃し三振。そして三番に対してもチェンジアップでタイミングを外し、最後は真っすぐで見逃し三振と最高のスタートを切った。
その裏、日本は一死後、2番の島田から、岸里、内田と3者連続で四球を選んで一死満塁。この先制のチャンスで「先制点が欲しかった場面、何とかしてやろうと思って打席に入った」五番・安田は、鋭い当たりの遊撃強襲安打を放つ。打球が転々としている間に、三走・島田に続いて、二塁走者の岸里も好判断で本塁に生還し2点を先制。なおも、一死一、二塁。続く六番・大河は2ボールから、「カウントが有利になったところで、甘い球が入ってきた。チャンスだったので自分のスイングで思い切っていこうと思った。」と、相手投手がストライクを取りきた3球目の直球を見逃さずにフルスイング、左中間への適時三塁打で2点を追加。さらに、堀内の中犠飛でこの回、打者一巡で一挙、5点を挙げた。
味方の大量援護に、近藤は2回以降も安定感抜群の投球を継続するが、日本打線は2回から代わったオランダの2番手左腕を打ちあぐね、突破口を切り開くことができない。2回裏は島田、3回裏には大河が出塁するも、いずれも一塁けん制死。6回裏も一死満塁の好機で今大会、安打が出ていない西巻は見逃し三振。ここで、オランダは3番手投手にスイッチ。インステップ気味から投じられる右サイド右腕に、周東は空振り三振に倒れている。
試合を決定づける追加点が奪えない日本。5点をリードしているとはいえ、やや重苦しい空気が流れていたが、このムードを振り払ったのが近藤の快投だった。5回表は先頭打者にこの日2本目の安打となる右越え三塁打を浴びるが、後続3人を空振り三振、空振り三振、投ゴロと、落ち着いたマウンドさばきで得点を許さない。7回まで投げ、3安打無失点、12奪三振と見事な投球を見せている。
8回からは社会人右腕・水野(ヤマハ)が「少し緊張したが、周りも見えていたし、楽しんで投げることが出来た」と、今大会初登板を果たし、1イニングを3人できっちり抑えると、9回は前日からの連投で3試合目の救援登板となった左腕・櫻井も一死から四球を与えるが、次打者を二ゴロ併殺で、3投手による完封リレーを完成させた。
試合結果は5対0で勝利し4連勝とした日本は、明日23日、開催国・コロンビアとのオープニングラウンド最終戦を迎える。開幕からデーゲームが4試合続いていた日本にとっては初のナイトゲームとなる。チケットはソールドアウト、完全アウェーの地元大声援の中、既に進出が決まっているスーパーラウンドに5連勝で臨みたいところだ。
監督コメント
稲葉篤紀監督
「初回は相手に与えてもらったチャンスをしっかりと活かすことができた。その後は得点することはできなかったが、一発勝負の国際大会では、もう1点が欲しいところで取れない展開もある。早い段階でそうした展開を経験できたのは良かった。近藤はマウンドの気温が暑くなってきているなかで、7回しっかり投げ切れたことは素晴らしい。明日の完全アウェーのコロンビア戦はいい経験にもなるし、たくさんのお客さんの中で、「自分を見てほしい」と燃えるものもあると思う。5連勝して、良い形でスーパーラウンドに臨めるようにしたい」
第2回 WBSC U-23ワールドカップ
大会期間
2018年10月19日~10月28日
オープニングラウンド
10月20日(土)5:00 日本 13 - 0 南アフリカ
10月21日(日)0:00 チャイニーズ・タイペイ 1 - 3 日本
10月22日(月)0:00 日本 7 - 2 メキシコ
10月23日(火)0:00 日本 5 - 0 オランダ
10月24日(水)10:00 コロンビア 2 - 7 日本
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)
スーパーラウンド
10月26日(金)0:00 日本 3 - 2 韓国
10月27日(土)5:00 日本 6 - 3 ベネズエラ
10月28日(日)0:00 日本 4 - 0 ドミニカ共和国
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)
決勝
10月29日(月)9:00 日本 1 - 2 メキシコ
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)
開催地
コロンビア(バランキージャ)
出場する国と地域
グループA
日本、メキシコ、チャイニーズ・タイペイ、オランダ、コロンビア、南アフリカ
グループB
韓国、オーストラリア、プエルトリコ、ベネズエラ、ドミニカ共和国、チェコ