2018年ドラフト指名を受けた侍ジャパン戦士たち~大学代表編~
2018年10月28日
10月25日に開催された「2018年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」。育成枠を含めて12球団で計104名がNPBへの扉を開いた中、世界一やアジア制覇のために戦った侍ジャパン戦士の多くも夢を叶えている。今回は世代別に3回に分け、ドラフト指名を受けた侍ジャパン戦士の活躍を振り返る。
第2回ではアメリカでの「第42回 日米大学野球選手権大会」とオランダでの「第29回 ハーレムベースボールウィーク」を戦った代表と、同時期に台湾・嘉義で開始された「FISU世界大学野球選手権大会」で優勝した代表。2つの「侍ジャパン大学代表」からドラフト指名を受けた選手たちを振り返っていく。
「2つの侍ジャパン大学代表」から9人がプロの道へ
今年の侍ジャパン大学代表は7月、国際大会3大会に出場した。
7月4日~7月10日 第42回 日米大学野球選手権大会/アメリカ
成績:準優勝(2勝3敗)
7月6日~15日 第6回 FISU世界大学野球選手権大会 2018/台湾・嘉義
成績:優勝(5勝1敗・初優勝)
7月13日~22日 第29回 ハーレムベースボールウィーク/オランダ
成績:優勝(7戦全勝・12大会ぶり4度目の優勝)
このように大会が重複していたため。日米大学野球、ハーレム大会は全国から集結した、FISU世界大学野球選手権は東京六大学野球連盟から選抜された「2つの侍ジャパン大学代表」が形成された。ではまず、日米大学野球・ハーレム大会に出場したチームから振り返ってみよう。このチームは24名中13名が4年生。うち12名がプロ志望届けを提出し8人がプロ入りしている。

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

投手陣から見ていくと、埼玉西武ドラフト1位指名となった松本航(日本体育大)は、昨年の日米大学野球・ユニバーシアード競技大会に続き選出された日米大学野球選手権第2戦で7回16奪三振無失点など2試合12回3分の2を投げ自責点3に封じ最優秀投手賞を受賞。続くハーレム大会でも、チャイニーズ・タイペイ戦と対戦した3試合すべてに登板し、予選リーグで7回9奪三振無失点で勝ち投手。変則2次トーナメントも先発5回2失点で勝ち投手、さらに決勝戦でもリリーフとして2回無失点の好投を果たし3勝目。ここでも最優秀投手賞を受賞した。
福岡ソフトバンク1位の甲斐野央(東洋大)は、日米大学野球では3試合にリリーフ登板し、2回3分の1を投げて5奪三振、無失点。また、ハーレム大会でもリリーバーとして11回を投げて、19奪三振、無失点と実力を発揮し、最後は胴上げ投手となった。
また、東京ヤクルト1位の清水昇(國學院大)は日米大学野球では2試合に登板。1回3分の2を投げて自責点2に終わった反省を活かし、ハーレム大会・キューバ戦では4回からリリーフとして登場し2回無失点。国際大会では初めての勝ち投手になるなど貴重な経験を積むことに。千葉ロッテから3位指名を受けた小島和哉(早稲田大)も、侍ジャパンU-18代表と、2年前のハーレム大会で5試合に登板した経験を活かし、今年のハーレム大会ではキューバ戦に先発3回無失点。オランダ戦では先発2回無失点と、役割をきっちりと果たしている。
野手に目を転じると、東北楽天から1位指名を受けた辰己涼介(立命館大)は、昨年の侍ジャパン大学代表経験を活かし、今回は主将としてチームをけん引。日米大学野球こそ16打数4安打だったものの、ハーレム大会では22打数10安打、2本塁打で、見事にMVP・本塁打王を獲得し、自身の評価も高めた。


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
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オリックスから2位指名を受けた頓宮裕真(亜細亜大)は2大会計38打数8安打2打点に終わったものの、8月28日の侍ジャパンU-18代表壮行試合(明治神宮野球場)では本塁打。主に4番・ファーストとして出場を続けた経験は今後に活きるはずだ。
また、横浜DeNA2位指名を受けた伊藤裕季也(立正大)は日米大学野球では5番・サードで5試合で18打数6安打。また、ハーレム大会では6番サードとして堅守を見せて優勝を味わった。さらに渡辺元智元横浜高校監督の孫である渡辺佳明(明治大)は、2年連続の侍ジャパン大学代表入り。今回は2大会で14打数4安打4四死球と「フォア・ザ・チーム」を貫き、ドラフト会議では東北楽天から6位指名を受けている。
一方、FISU世界大学野球選手権大会に参加した侍ジャパン大学代表からは、22名中8人が参加した4年生で唯一プロ志望届を提出した中山翔太(法政大)が東京ヤクルトから2位指名。大会では主に4番~6番として出場し、17打数5安打。韓国戦では本塁打も放っている。
さらにこの他にも昨年の侍ジャパン大学代表組である中川圭太(東洋大)はオリックス7位指名。東北楽天2位の太田光(大阪商業大)、東北楽天7位の小郷裕哉(立正大)、千葉ロッテ2位の東妻勇輔(日本体育大)、千葉ロッテ4位の中村稔弥(亜細亜大)巨人1位の高橋優貴(八戸学院大)、広島2位の島内颯太郎(九州共立大)、広島6位の正随優弥(亜細亜大)は、いずれも侍ジャパン大学代表選考合宿参加経験を持っている。
昨年の大学代表だった東克樹(立命館大出身)が、今シーズン横浜DeNAで1年目から11勝をあげたような大車輪的活躍を、今回の大学年代たちにも期待したい。
ドラフト指名を受けた侍ジャパン戦士たち
第42回 日米大学野球選手権大会
第6回 FISU 世界大学野球選手権大会 2018
大会期間
2018年7月6日~7月15日
予選ラウンド
2018年7月6日(金)14:00 日本 15 - 0 ロシア
2018年7月8日(日)14:00 日本 5 - 1 アメリカ
2018年7月9日(月)10:00 日本 21 - 1 香港
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
2018年7月10日(火)10:00 日本 15 - 0 韓国
2018年7月12日(木)18:00 日本 2 - 0 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
決勝
2018年7月15日(日)17:00 日本 8 - 3 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
開催地
台湾(嘉義)
出場する国と地域
A組 チャイニーズ・タイペイ、韓国、チェコ、オーストラリア
B組 日本、アメリカ、ロシア、香港
第29回 ハーレムベースボールウィーク
大会期間
2018年7月13日~7月22日
7月13日(金)21:00 日本 1 - 0 イタリア
7月14日(土)18:00 チャイニーズ・タイペイ 0 - 1 日本
7月16日(月)2:00 キューバ 1 - 7 日本
7月17日(火)2:00 日本 6 - 1 ドイツ
7月19日(木)2:00 オランダ 3 - 5 日本
7月20日(金)22:00 日本 8 - 1 チャイニーズ・タイペイ
7月22日(日)21:00 日本 5 - 0 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(オランダ:時差-7時間)
開催地
オランダ(ハーレム)
出場する国と地域
日本、キューバ、チャイニーズ・タイペイ、オランダ、イタリア、ドイツ