11月9日、2018日米野球が東京ドームで開幕。MLBオールスターチームと対戦した侍ジャパントップチームは劇的な逆転サヨナラ勝ちで7対6と勝利した。
劇的な幕切れだった。9回裏、1死から代打・上林誠知(ソフトバンク)がセンター前安打と盗塁で二塁まで進むと、代打・會澤翼(広島)のセンター前タイムリーで上林が生還し1点差。ここで打席には5番の柳田悠岐(ソフトバンク)が入った。
3回の四球、5回の敬遠四球を含めて無安打だったが「来た球で当たる球を自分のスイングで打とうと思いました」と無欲で2球目を振り抜くと、打球は大きな弧を描いてバックスクリーンに飛び込む逆転サヨナラ2ラン本塁打となった。これには柳田も「ミラクル」と振り返るほどの劇的な幕切れとなった。
「良い試合を運びできていたのだが・・・」とMLBのドン・マッティングリー監督がうなだれたように、試合はMLBが常に先手を取って進め、侍ジャパンは苦しい戦いを強いられた。
2回表、岸孝之(楽天)のチェンジアップをメド・ロサリオ(メッツ)にレフトスタンドへ運ばれ先制を許す。一方、侍ジャパンも甲斐拓也(ソフトバンク)と田中広輔(広島)の連打、菊池涼介(広島)の内野ゴロ間に1点を返す。
だが、5回表に岸が連打で出塁を許した走者2人を残して、球数が今大会規定の80球を超えたため降板。ここで代わった成田翔(ロッテ)がいきなりカルロス・サンタナ(フィリーズ)に、バットのしなりを生かしたスイングで真ん中寄りの外角ストレートを豪快にレフトスタンドに運ばれ、3点を失った。
それでも侍ジャパンはその裏、この回途中から登板したマット・アンドリース(ダイヤモンドバックス)から秋山翔吾(西武)が走者一掃の二塁打を放ってすぐさま同点に追いつく。 さらに勝ち越しのチャンスが続いたが、MLBは柳田を敬遠し、岡本和真(巨人)勝負を選択。ここを空振り三振に抑え、勝利への執念を見せた。
すると直後の6回表にフアン・ソト(ナショナルズ)が岡田明丈(広島)の投じた外角ストレートを逆らわずレフトスタンドへ運ぶ2ラン本塁打を放ち、再び勝ち越しに成功した。
そんな嫌な流れを変えたのは7回からの2イニングを無失点に抑えたアンダースロー右腕・高橋礼(ソフトバンク)だ。走者こそ出したものの、浮き上がるような軌道のストレートやキレのあるスライダーで3三振を奪うなど持ち味を発揮。9回は山﨑康晃(DeNA)が無失点に抑え、最小の得点差で最終回の攻撃に繋げることができた。
また、それまでの失点も四死球や失策によるものではなく、稲葉篤紀監督は「打たれての失点だったので、取り返せると思っていました」と振り返る。秋山も「追いかける中で食らいつく日本の野球ができました」と胸を張ったように、投手・野手それぞれが積極性と粘りを出した結果が、強敵相手からの劇的な勝利に繋がった。
監督・選手コメント
稲葉篤紀監督
「(高橋は)堂々としていましたね。インコースに投げ切ることもできていて相手は苦戦したと思います。素晴らしい投球をしてくれました。(チームの課題として)点を取るべきところで取れていない場面もあったので、内野ゴロでもなんとか1点にすることなどを明日のミーティングで話そうと思います」
秋山翔吾(西武)
「(相手投手陣は)ストレートが強く、タイムリーの場面も“あそこまで押されるか”と思いました。この大会を通して対応ができるようにしていきたいです」
ドン・マッティングリー監督
「決してデータは多くないですが“柳田はパワーのある打者”と分かっていたので敬遠もしました。ただ、初対戦の相手に対して、すべてを上手く抑えることはできませんでした」
フアン・ソト(ナショナルズ)
「ここの球場は最高の雰囲気なので、ホームランを打ってとても高ぶりました。今は相手がどのような日本の各投手を見極めている段階なので、だんだんと対応できるようになればと思います」
2018日米野球
試合日程
11月8日(木)18:00
巨人 6 - 9 MLBオールスターチーム
11月9日(金)18:30
侍ジャパン 7 - 6 MLBオールスターチーム
11月10日(土)18:30
MLBオールスターチーム 6 - 12 侍ジャパン
11月11日(日)19:00
侍ジャパン 3 - 7 MLBオールスターチーム
11月13日(火)18:30
MLBオールスターチーム 3 - 5 侍ジャパン
11月14日(水)19:00
侍ジャパン 6 - 5 MLBオールスターチーム
11月15日(木)18:00
MLBオールスターチーム 1 - 4 侍ジャパン
開催球場
11月8日(木)、9日(金)、10日(土)、11日(日)東京ドーム
11月13日(火)マツダ スタジアム
11月14日(水)、15日(木)ナゴヤドーム
出場チーム
侍ジャパン、MLBオールスターチーム