今年10月に台湾で開催される「第29回 BFA アジア選手権」に向けてチーム作りを進めている侍ジャパン社会人代表。その強化の一環として、今月28日からフランスで行われる「2019 FIBT-YOSHIDA CHALLENGE」へ派遣されるのに伴い、大会の参加選手20名が東京ガス野球部グラウンド(東京都大田区)に集まり、国内合宿がスタートした。
「2019 FIBT-YOSHIDA CHALLENGE」は94年にフランスナショナルチームを率いてIBAFワールドカップに出場を果たした阪神タイガース元監督の吉田義男氏の名前を冠した大会で、31日はその吉田氏のセレモニーが行われ、試合前には野球教室も開かれる予定となっている。侍ジャパン社会人代表は現地でフランス代表と5連戦することが決まっているが、日程が日本選手権の予選と重なったために出場選手は今季のJABA大会で優勝し、既に本戦出場を決めているチームをメインに選出。また、この合宿と遠征はアジア選手権への最終選考という側面も含んでおり、石井章夫監督は「メンバーの半数ほどは初めて代表になりますが、遠慮せずにプレーしてほしい」と語った。
そして、合宿初日となった24日は顔合わせと昼食のあと、予定の14時を前に練習がスタート。ウォーミングアップとキャッチボールを終えると続いてシートノックとなったが、その前にマウンド付近に選手が集まりチームの決まり事が確認され、通常の守備練習に加えて二塁牽制といったサインプレーも行われた。
その後はバッティングケージを2つ並べての打撃練習となり、 神鳥猛流(王子)や皆川仁(日本生命)らがオーバーフェンスを連発するなど、各選手が快音を響かせた。
練習の最後には佐藤旭主将(東芝)が全選手を前に「この合宿は最終選考という面もあるが、ジャパンのユニフォームを着て戦う以上、ここからは負けられない」と気合いを入れて終了となった。
初日を終えて、石井監督は「今日は軽めの練習で汗を流しただけでしたが、みんな状態が良さそうで安心しました」と一言。また、選考メンバーについては「今回は打線のつながりを重視しながら、長打と機動力もある攻撃をしていきたいと考えているのですが、良い編成ができたと思います」と語り、フリーバッティングで好調ぶりをアピールした神鳥については「もっと飛ぶと思うので、明日も期待したい」と、さらなる爆発を望んでいる。一方、投手陣については、今回、唯一の左腕となる藤井聖(JX-ENEOS)に対し「変化球で空振りが取れ、強気で攻めていけるピッチャーとしてのマインドを持っている」と期待を寄せている。
そして、石井監督のもとで3年目となる佐藤主将は「初日から良い雰囲気でプレーできました」と手応えを感じており、明日からの練習試合とフランス遠征の全7試合について「社会人の代表として全勝しないといけない」と言葉に力を込めた。
順調な船出をきった侍ジャパン社会人代表。明日は午後から東京ガスと練習試合が行われる予定だ。