11月5日、「第2回 WBSC プレミア12」のオープニングラウンド・グループBが開幕し侍ジャパンは台湾の桃園国際野球場でベネズエラと対戦。序盤から中盤にかけてペースを掴みきれず苦しい展開となったが、終盤に逆転し8対4で開幕戦を飾った。
初のトップチームで大仕事
走者は出しても、なかなか追いつくことができない。そんな重苦しい展開を若き剛腕が救うことになった。
試合は序盤、ベネズエラのペースで進む。侍ジャパンの先発・山口俊(巨人)は、いきなり連打を浴びて2球で無死一、二塁のピンチを招く。これは連続三振などに抑え、2回と3回も走者を出しながらも粘って無失点に抑えた。だが4回、2安打1四球で満塁のピンチを招くと、併殺崩れの間に先制点を与えてしまう。
反撃に出たのは5回。相手2番手投手の四球と失策でチャンスをもらうと、菊池涼介(広島)が「何とか右に打てば、1点入ると思った」とライト線へ二塁打を放って同点に追いついた。さらに近藤健介(日本ハム)が敬遠され満塁とすると、4番の鈴木誠也(広島)がセンター前安打を放って勝ち越し。3点目を狙い二塁から三塁を蹴って本塁に駆け込んだ菊池は相手中堅手の好送球でアウトになった。
侍ジャパンの流れになるかと思われたが、6回に山岡が3連打(内野安打1本を含む)を浴びて、すぐさま同点に。さらに大竹寛、中川皓太(ともに巨人)と小刻みに継投していくが、大竹が内野ゴロの間に勝ち越しを許し、さらに中川がセカンドへの内野安打を打たれて2対4とリードを許した。
6回と7回の攻撃は走者を出しながらも、ベネズエラの細かい継投の前に得点が奪えず、重苦しい空気が立ち込めた。
これを断ち切ったのが、8回にマウンドに上がった追加招集でトップチーム初選出のルーキー・甲斐野央(ソフトバンク)だ。「初めてのことばかりだったので(捕手の)會澤さんに任せて自分の力を出そうと思いました」と初球から154キロのストレートを投じるなど強気の投球。2人の打者をともに外野フライに抑えると、最後は140キロの高速フォークで空振り三振。チームに再び活気をもたらした。
するとその裏、相手投手陣の制球が定まらなくなり四球を連発。代打・山田哲人(ヤクルト)の押し出し四球、菊池の同点打、近藤の勝ち越しとなる押し出し四球、鈴木の犠牲フライ、源田壮亮(西武)の内野安打、丸佳浩(巨人)の押し出し四球でこの回打者一巡で一挙6得点を挙げて、試合をひっくり返した。
最終回は山﨑康晃(DeNA)が3人で危なげなく締めて試合終了。冷や汗をかく場面もあったが、なんとか初戦をモノにした。
6日はプエルトリコと桃園国際野球場で日本時間19時から対戦。この試合に勝ち、7日に戦うチャイニーズ・タイペイも6日にベネズエラに勝つと、ともに2勝となりスーパーラウンド進出が決まる。
選手コメント
稲葉篤紀監督
「みんなが打ちたいという気持ちの中で我慢して勝てたこと、逆転で勝てたことは明日に繋がる良い勝利だったと思います。甲斐野のああいう三者凡退はリズムに乗りますよね。ルーキーですが堂々としていた。これで自信をつけてくれたらと思います」
甲斐野央(ソフトバンク)
「どのイニングを任されても自分の力を出せるよう準備を怠らず、マウンドに上がれば會澤さんのミットに投げ込みました。もちろん凄く緊張はしましたが、今年チーム(ソフトバンク)でこうした場面で投げさせてもらっていた経験が生きました」
第2回 WBSC プレミア12
大会期間
2019年11月2日~11月17日
オープニングラウンド
11月5日(火)19:00 日本 8 - 4 ベネズエラ
11月6日(水)19:00 日本 4 - 0 プエルトリコ
11月7日(木)19:30 チャイニーズ・タイペイ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
11月11日(月)19:00 日本 3 - 2 オーストラリア
11月12日(火)19:00 日本 3 - 4 アメリカ
11月13日(水)19:00 日本 3 - 1 メキシコ
11月16日(土)19:00 日本 10 - 8 韓国
※開始時刻は日本時間
決勝
11月17日(日)19:00 日本 5 - 3 韓国
※開始時刻は日本時間
開催地
日本、台湾、韓国、メキシコ
出場する国と地域
グループA
メキシコ、アメリカ、オランダ、ドミニカ共和国
グループB
チャイニーズ・タイペイ、日本、ベネズエラ、プエルトリコ
グループC
韓国、キューバ、オーストラリア、カナダ