10月15日、「第4回 WBSC U-23ワールドカップ」(開催地・台湾)のオープニングラウンド第2戦が台中インターコンチネンタル野球場で行われ、侍ジャパンU-23代表はベネズエラと対戦。序盤に点を取り合う展開となったが中川拓紀(Honda鈴鹿)の走攻守にわたる活躍などもあり、5対2で開幕2連勝を決めた。
試合は初回から動いた。石井章夫監督から「もっともっとレベルの高い野球ができる選手だと思っています」と期待をかけられ、1番打者に起用されている中川が初球をセンター前に運ぶ。2番の齋田海斗(TDK)もライト前に運んで無死一、二塁のチャンスを作る。続く丸山壮史(ENEOS)の打球は、相手捕手にファウルフライを好捕される形となったが三塁手も追いかけていたため、空いていた三塁に中川が抜け目なくタッチアップをし、一死二、三塁とさらにチャンスは広がった。
ここで前日のチーム開幕戦で本塁打を放った藤井拓海(四国銀行)がきっちりと犠牲フライを放って中川が生還。この日も先制に成功した。
先発のマウンドに上がったのは最年長で投手陣のリーダーも務める左腕・藤村哲之(東芝)。だが、だんだんと雨が強くなっていたこともあり、四球と安打からチャンスを作られると相手4番打者に右中間へ2点タイムリー二塁打を打たれて逆転を許した。
しかし、すぐさま取り返す。相手投手の四死球から作ったチャンスで大西蓮(JR東日本東北)が犠牲フライを放って同点とすると、先頭に戻り打席には中川。ここで「同点にしてくれていたので気楽に積極的に振れました」と振り返ったように、甘く入った2球目を逃さずセンター前に運んで2点タイムリーに。これが決勝点となった。
3回の前に雨天中断も入り、難しいコンディション調整を強いられた藤村だったが3回に無死二、三塁のピンチを招きながらも「投手コーチの甲元訓さんから“打たれてもいいよ”と言われて気楽に投げることができました」と振り返ったように、果敢に攻めて後続3人をすべてフライアウトに打ち取ってピンチを脱した。
4回からはこの日も1イニングずつの細かい継投に入った。工藤稜太(信越硬式野球クラブ)が2三振を含む三者凡退で抑えると、5回も澤柳亮太郎(ロキテクノ富山)が中川の好プレーなどもあって三者凡退に抑える。これでリズムが生まれると、その裏に城野達哉(西濃運輸)がタイムリーを放ってダメ押しの5点目を挙げた。
3点にリードを広げると6回は片山楽生(NTT東日本)、7回は権田琉成(TDK)が締めて試合終了となった。
次戦は開催国のチャイニーズ・タイペイと日本時間16日20時から対戦。石井監督が「良い形で入れたので明日もチャレンジしていきたいです」と意気込んだように、完全アウェーの状態でも果敢に挑んでいく。
監督・選手コメント
石井章夫監督
「(序盤から点数の取り合いになり)今日もいい経験になりました。打ち合いを乗り越えて欲しいと思っているので今日の序盤はそれができました。ただそれ以降はバッターが捉えきれていないところもあったので、ストレートを捉えていきたいです」
中川拓紀(Honda鈴鹿)
「昨日は初回から低めを振ってしまったので今日は高めの球を狙って打ちました。海外投手はモーションが速いですが上手く対応できています。(5回の好守は)石井監督がセンターに、二遊間に寄れと言ってくださっていたおかげです。Honda鈴鹿の先輩方からもチャイニーズ・タイペイは強いと言われているので1打席目から立ち向かっていきたいです」
藤村哲之(東芝)
「相手は予想していた通り体が大きくてスイングが強かったです。雨だったので厳しいコースを狙うのではなくゾーンで勝負しました。持ち味である粘りの投球ができました。変化球が浮いて打たれた場面もありましたが、今日はストレートでファウルや空振りを取ることができました。国際大会独特の盛り上がりも経験できたので次に生かしていきたいです」
工藤稜太(信越野球クラブ)
「今日はストレートで押していくことができました。相手の反応を見て、合っていない気がしたので、変化球もチェンジアップしか投げませんでした。登板ごとにテーマを決めてチャレンジするようにしています。今日はストレートだったので、それができました」
第4回 WBSC U-23ワールドカップ
大会期間
2022年10月13日~10月23日
オープニングラウンド
10月14日(金)18:00 ドイツ 0 - 6 日本
10月15日(土)15:30 ベネズエラ 2 - 5 日本
10月16日(日)20:00 日本 1 - 3 チャイニーズ・タイペイ
10月17日(月)15:30 日本 4 - 1 コロンビア
10月18日(火)15:30 南アフリカ 0 - 9 日本
スーパーラウンド
10月20日(木)15:30 日本 2 - 1 オーストラリア
10月21日(金)15:30 韓国 1 - 2 日本
10月22日(土)14:00 日本 4 - 2 メキシコ
決勝
10月23日(日)20:00 日本 3 - 0 韓国
※開始時刻は日本時間(台北:時差-1時間)
開催地
台湾(台北)
出場する国と地域
グループA
日本、チャイニーズ・タイペイ、コロンビア、ドイツ、南アフリカ、ベネズエラ
グループB
オーストラリア、キューバ、メキシコ、オランダ、プエルトリコ、韓国