4月6日、今秋開催予定の第31回 WBSC U-18ベースボールワールドカップに向けたU18日本代表候補選手強化合宿の3日目が行われた。
天気予報で雨天の可能性も懸念されていたが、朝には止んでおり、この日も予定通りグラウンドで練習が行われた。
ブルペンでは前日の公式戦を終えてから合流した坂井陽翔(滝川二)や前日の紅白戦で140キロ台後半のストレートを投じた東松快征(享栄)が、多くの報道陣やスカウトが見守る中で力強くキレのある球を投げ込んだ。
フリー打撃では真鍋慧(広陵)が何度も柵越えとなる当たりを放ち、佐倉侠史朗(九州国際大付)らも快音を響かせるなど、午前中のみの練習ではあったが充実の時間となった。
3日間の合宿を打ち上げ、馬淵史郎監督は「天気にも恵まれて良い合宿になりました。個々の能力も見られました」と安堵。選手たちに向けては「選手は自分の能力を把握できたと思います。それをチームに持ち帰って夏に向けて頑張って欲しいです」とエールを送った。
「こうすればもっといいんじゃないか?合わなければやめていいから」と前置きした上でマンツーマンの指導をする場面もあり、真鍋にはフリー打撃でより積極的に打つことや、「聞くと“逆方向への打球を意識している”と言っていましたが、それも良いが引っ張ってホームランにできるなら引っ張ってもいい」と伝えたことを明かした。
また、初日に続き武田陸玖(山形中央)の素質を馬淵監督は絶賛。「武田くんの瞬発力はすごい。投手としても良いですし打者としても一級品。構えてからインパクトまでのスイングスピードは、この中でも1番ではないでしょうか。木のバットでも十分打てると思います」と語り、投手ながら打順に入り降板後は指名打者として出場する「大谷ルール」での起用も示唆するほどだった。
そして、今回選ばれた選手が「核になる」としながらも「今回来られずに“選ばれたい”と思った選手が何人か入ってくれば良いチームになっていくと思います」と展望。今回の合宿に参加した選手たちが刺激を受けて成長することに加え、新戦力の台頭にも期待を込めた。
こうして合宿は打ち上げ。初のU-18ワールドカップ優勝を目指す上で貴重な3日間となったに違いない。
監督・選手コメント
馬淵史郎監督
「(理想のチームを問われ)守れて打てれば最高ですが、まずは投手陣がしっかりすれば戦えると思います。投手陣は想像以上でした。打線はバントや走塁もできる選手はもちろん、上位や中軸には長打をというチームにしていきたいです。もう1つ上のレベルに行くためには、そうしたことが必要になっていきます」
真鍋慧(広陵)
「(馬淵監督からの助言について)自分は高めが苦手ですが、振っていったらストライクゾーンも分かるし積極性が出てくると指導してもらい、ヒットエンドランのイメージで振ったらタイミングが取りやすかったです。(合宿を振り返り)いろいろな選手がいて、良い刺激になりました。世代を代表する選手ばかりで、自分の力の無さも分かりましたし、バットの軌道の話をいろんな選手に聞いたので、チームに帰ってから試してみたいです」
武田陸玖(山形中央)
「(合宿を振り返り)シンプルにこうやってレベルの高い人たちと一緒に野球やらせてもらって感じたことを今後の練習にも生かしていきたいです。(馬淵監督の高評価について)自分は自分の持っていることをただ出しただけなので、そう言っていただけるのは本当にありがたいです。
高中一樹(聖光学院)
「(合宿を振り返り)この3日間でレベルの高い選手と野球ができて、今の現在地も分かって良い合宿になりました。(前日の紅白戦でチーム最多タイの4安打)昨日の結果は出来過ぎな部分が多いので、すごい投手から打てたことは自信になりました。食らいついていこうと思いました。(代表入りへの思い)日本を代表する選手になることを目指しているので絶対に選ばれたいです」