6月1日、第3回 BFA 女子野球アジアカップの決勝戦が香港の晒草湾遊楽場で行われ、侍ジャパン女子代表がチャイニーズ・タイペイを8対3で下し3大会連続3回目の優勝を飾った。
スーパーラウンドでは12対1で勝利していたが、前回(2018年)の女子野球ワールドカップ準優勝のチャイニーズ・タイペイがこの日は意地を見せた。
1回表、先発の田中露朝(ZENKO BEAMS)は、いきなり二塁打と進塁打で1死三塁のピンチを招く。ここでチャイニーズ・タイペイはフルカウントからスクイズを敢行。だが、田中露朝は「三塁走者が走ったのが見えたのとスライダーのサインだったので上手く外すことができました」と、空振りを奪うと捕手の村松珠希(はつかいちサンブレイズ)も冷静に三塁走者を刺してダブルプレー。先制を許さずピンチを脱した。
試合が動いたのは2回、川端友紀(九州ハニーズ)、只埜榛奈(東海NEXUS)、村松珠希(はつかいちサンブレイズ)の安打で2死満塁のチャンスを作ると、川端とともに共同主将を務める出口彩香(埼玉西武ライオンズ・レディース)がセンター前に運び2者が生還。貴重な先制点を挙げた。
続く3回も三浦伊織(阪神タイガースWomen)の内野安打からチャンスを作ると、泉由希菜(淡路BRAVE OCEANS)のタイムリーで追加点。ここで中島梨紗監督は「一気に畳み掛けたかったので」と、泉の代走に俊足の田中美羽(読売ジャイアンツ)を起用。期待に応えて盗塁を成功させると、只埜がセンター前に運び、田中美羽が生還。この回も2点を挙げた。
4回は、表の守備で小島也弥(九州ハニーズ)と岩見香枝(埼玉西武ライオンズ・レディース)がこの日も流れるような連携を見せて二塁打を阻止すると、その裏には岩見と出口の連打からチャンスを作り、相手失策で追加点を奪ってリードを6点に広げた。
先発の田中露朝も、2回以降は危なげなくアウトを積み重ねて、5回無失点の内容で先発の役割を果たした。
6回からは坂東瑞紀(阪神タイガースWomen)が登板。微妙な判定の二塁打やボークなどもあったが後続は抑えて3点に留めると、その裏に打線が再び突き放す。小島のスクイズ、楢岡美和(九州ハニーズ)のフェンス直撃の二塁打で2点をダメ押し。
最後は侍ジャパン女子代表の高い守備力を象徴するかのような6(岩見)→4(只埜)→3(川端)のダブルプレーで試合終了。
侍ジャパン女子代表が3大会連続3回目の優勝を果たし、9月に広島県三次市で行われる第9回 WBSC 女子野球ワールドカップ グループステージに向けて大きな弾みをつけた。
監督・選手コメント
中島梨紗監督
「ホッとしています。2020年に監督に就任してから進めてきたチーム作りを、まずはこのアジアカップで結果として出すことができました。武器である守備力で今日も無駄な失点が無く流れを渡すこと無く戦うことができましたし、打線もきっちり取れるところで得点を積み重ねることができました。ここは通過点なので、9月に向けてすぐに切り替えていきます」
出口彩香(埼玉西武ライオンズ・レディース)共同主将
「素直に嬉しいです。今日はチャンスの場面で打つことができ、チームとしても個人としても良かったです。個々の力がすごくあることに加えてチーム力が高かったことが優勝の要因だと思います。ここは通過点なので、9月に向けてまたチームワークを高めて行って、1人でも多くの人に“女子野球って楽しい”と思ってもらえるように全員でプレーしたいです」
田中露朝(ZENKO BEAMS)投手リーダー 大会MVPを獲得
「とても嬉しいです。投手リーダーでしたが言葉よりも投げる姿で引っ張れるように思って投げました。国際試合独特の緊張感の中で久々にプレーができて、良い経験ができました。日本が先頭を切って女子野球を盛り上げるためにも、もっと頑張っていかないといけないので、今回の優勝も良い一歩になると思います」
第3回 BFA 女子野球アジアカップ
大会期間
2023年5月21日~6月1日
グループB
5月26日(金)12:00 日本 10 - 0 韓国
5月27日(土)13:00 日本 7 - 1 フィリピン
5月28日(日)16:00 インドネシア 0 - 27 日本
※開始時刻は日本時間(香港:時差-1時間)
スーパーラウンド
5月30日(火)19:00 チャイニーズ・タイペイ 1 - 12 日本
5月31日(水)16:00 日本 15 - 0 香港
※開始時刻は日本時間(香港:時差-1時間)
決勝
6月1日(木)15:00 日本 8 - 3 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(香港:時差-1時間)
開催地
香港
出場国
一次ラウンド
グループA:インド、マレーシア、タイ
グループB:香港、パキスタン、インドネシア、スリランカ
ファイナルラウンド
グループA:チャイニーズ・タイペイ、中国、香港
グループB:日本、韓国、フィリピン