6月17日、「第7回 WBSC U-12 ワールドカップ」(7月28日から台湾・台南市)に向けた侍ジャパンU-12代表の最終トライアウトが東京都内のグラウンドで行われた。
動画による審査・選考「侍ジャパンU-12 代表全日本合同トライアウト~デジタルチャレンジ~」を通過した41名が、最終候補選手18名の座を掴むべく、就任2年目となる井端弘和監督、吉見一起コーチらの前でアピール合戦を繰り広げた。
まず午前中は保護者も交えた面談、メディカルチェック、「侍ジャパン野球健康診断」(※)が行われた。
今年から導入した面談について、井端弘和監督は中学・高校での成長も鑑み「野球だけがすべてではありませんから、人間性や家庭環境も踏まえて選考させていただきました」と意図を説明。「意気込みもそうですし、考え方も知れましたから」と数名の選手は面談の結果も踏まえて代表入りとなった模様だ。加えて、「日本代表としてどうあるべきかということは伝えさせてもらいました」と振る舞いや姿勢について自覚を促したことを明かした。
※侍ジャパン野球健康診断・・・日本野球界には肩やひじの故障に悩む選手が多数おり、少しでも改善するため、NPBエンタープライズがアマチュア野球の代表組織である一般財団法人全日本野球協会に協賛し、日本代表の各世代の合宿などで実施している。
昼食を挟んで午後はグラウンドで実技を実施。走塁の測定(一塁駆け抜け、一塁から三塁への駆け抜け)、シートノック、捕手のバント処理や二塁送球、フリーバッティング、ブルペンでの投球で、各選手が自らの能力を精いっぱい披露し、指導陣がつぶさにチェック。
選考では、様々な熟考の末に18選手を選んだ(発表は後日)。走攻守三拍子揃っている選手だけではなく、打撃・守備・走塁それぞれの得意分野を特化し選んだ選手も複数おり、井端監督は「昨年よりも手応えがあります」と自信を見せた。
こうして激しい競争を経て選ばれたU-12代表の選手たちは7月下旬に集合。国内合宿を経て、大会本番に臨む。井端監督は今後について「ここからはチームを1つにして、国内合宿の3日間で“侍ジャパンはこう戦うんだ”ということ詰めていければと思います」と見通しを語り、早くもその表情からは闘志がみなぎっていた。
コーチコメント
吉見一起コーチ
「面接で目を見て話すことができたことは良かったです。投手を主に観ましたが質の良いボールや力強いボールを投げる投手が多い印象でした。選考は悩みました。最も大事にしたのはストライクゾーンにだいたい入れられるということですが、海外選手のパワーに負けないボールということも重視しました」
長竹志郎コーチ※今年から就任
「高校の教員ですが野球の現場を離れ、行政にいた際の繋がりもあってお話をいただき、このカテゴリーを指導することで高校での指導にも生きると思い就任いたしました。技術的に優れた選手ばかりなので、まずは子どもたちのために、そして井端監督がやりやすいようにサポートし、世界一になれるように全力を尽くしてまいります」
古賀友耀コーチ※今年から就任
「日本代表として戦うことで、学ぶこともできると思いましたし、学んだことを所属チーム(ポニー佐賀ビクトリー)に生かすためにもと思ってコーチに就任いたしました。レベルの高い選手たちですので優勝できるよう、チームのサポートをしっかりしていきたいです」
第7回 WBSC U-12 ワールドカップ
大会期間
2023年7月28日~8月6日
オープニングラウンド
7月28日(金)12:00 日本 (雨天延期) メキシコ
7月29日(土)19:30 チャイニーズ・タイペイ 3 - 2 日本
7月30日(日)19:30 日本 16 - 0 ドイツ
7月31日(月)15:30 ベネズエラ 7 - 1 日本
8月1日(火)12:00 日本 15 - 0 オーストラリア
8月2日(水)12:00 日本 12 - 6 メキシコ
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
8月3日(木)12:00 日本 7 - 4 韓国
8月4日(金)12:00 アメリカ 0 - 7 日本
8月5日(土)12:00 ドミニカ共和国 1 - 13 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
3位決定戦
8月6日(日)15:30 日本 8 - 9 ベネズエラ
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
開催地
台湾(台南)
出場する国と地域
グループA
日本、メキシコ、チャイニーズ・タイペイ、ベネズエラ、オーストラリア、ドイツ
グループB
アメリカ、韓国、ドミニカ共和国、パナマ、チェコ、ニュージーランド