6月25日、第19回 アジア競技大会(9月/中国・杭州)に出場する侍ジャパン社会人代表の選考合宿2日目が千葉県柏市のJR東日本野球部柏野球場で行われた。
2日目の練習は朝8時すぎから快音が響いた。各選手がアップを行う中、佐藤竜彦(Honda)がロングティーを行いながら内川義久ヘッドコーチにマンツーマンで指導を受けた。その後のティー打撃などでも指導を受け、昼食時も室内練習場で振り込むなど精力的に汗を流した。
社会人代表の中軸を任されながらも、今月上旬の都市対抗予選ではスタメン落ちを経験しており、バットの軌道や股関節の使い方など打撃フォームの改善に努めた。また、「いつも代表合宿には学びに来ていますし、よりスキルアップできる期間だと思っています」と話すように、「アスレチックトレーナーの方やいろんなスタッフの方に積極的に話を聞きに行っています」と、貪欲に技術や能力の向上を目指している。
2019年のアジア選手権では決勝のチャイニーズ・タイペイ戦で4番を任されながらも3三振。「その残像が今も残っていて、打ち方をシンプルにしようと工夫しながら悩む試行錯誤の毎日です」と日々を振り返りながら、「アジア大会の金メダルを獲りたいと思っていますし、長打力で貢献したいです」と今後の抱負を語った。
このように選手たちは合宿初日に続いて、各々がテーマを持って練習に取り組んだ。そして、そのために経験豊富なスタッフや選手に積極的に質問する姿が見られ、ブルペン裏では捕手の木南了(日本通運)が元メジャーリーガー右腕の田澤純一(ENEOS)に質問を投げかけ、田澤が真摯に答える姿が見受けられた。また、その田澤も石井監督と外野でキャッチボールするなどして会話を交わした。
目標とするアジア競技大会での金メダルを目指し、この日も選手たちの成長を目指す姿勢が印象的な1日だった。
さらに練習後には宿泊先で「侍ジャパン野球健康診断」(※)を実施し、肩・肘などの状態をチェック。最終日となる26日は朝8時から練習を行い、合宿を打ち上げる予定となっている。
※侍ジャパン野球健康診断・・・日本野球界には肩や肘の故障に悩む選手が多数おり、少しでも改善するため、NPBエンタープライズがアマチュア野球の代表組織である一般財団法人全日本野球協会に協賛し、日本代表の各世代の合宿などで実施している。
選手コメント
木南了(日本通運)
「“自分のやるべきことに集中するように”とミーティングでも言われているので自分の時間に集中して良い時間を過ごせています。田澤さんは経験豊富ですごく緊張する場面をくぐり抜けてきた方なので、いろんな技術やメンタルのことを聞いて、普段どのようにしてピッチングを作り上げているのかを聞きました」
渕上佳輝(トヨタ自動車)
「(投球の測定後に『クオリティーコントロール』の役割を担う神事努氏らと会話を交わし)投げ方として高めに意図して投げることやチェンジアップの回転軸について助言をしてもらいました。代表合宿は2回目で、他のチームの投手とも話すなどして、とても新鮮な気持ちでプラスになることばかりです。ずっと侍ジャパンに入りたいと思ってやってきましたし、選ばれたらどこまで世界に通用するのか試してみたいです」
第19回 アジア競技大会
大会期間
2023年10月1日~10月7日
セカンドステージ(グループA)
10月1日(日)13:00 フィリピン 0 - 6 日本
10月2日(月)19:30 日本 18 - 0 ラオス
10月3日(火)19:30 日本 0 - 1 中国
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
スーパーラウンド
10月5日(木)13:00 韓国 2 - 0 日本
10月6日(金)19:30 チャイニーズ・タイペイ 0 - 2 日本
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
3位決定戦
10月7日(土)13:00 中国 3 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)
開催地
中国(杭州)
出場する国と地域
日本、韓国、チャイニーズ・タイペイ、中国、フィリピン、
香港、タイ、シンガポール、ラオス