10月4日、侍ジャパントップチーム新監督就任発表記者会見が都内のホテルで行われた。その席で、トップチームなどの代表選手として活躍し、引退後もトップチームの内野守備走塁コーチ(2017年から21年)、U-12代表の監督(22年、23年)、U-18代表と大学代表の臨時コーチ(ともに23年)を歴任した井端弘和氏の就任が発表され、同氏が意気込みやチームの理想像を語った。
まず井原敦氏(日本野球協議会 侍ジャパン強化委員会委員長)が選考経緯を説明。3月のWBC終了後から定めた6点の要件(①国際大会や海外経験、②求心力、③知名度、④発信力、⑤アマチュア野球界を含めた日本野球界への理解、⑥侍ジャパン事業への理解)に加え、「世代交代」もテーマとした上で、「国際大会の経験、実績と経験は申し分ありません」と48歳の井端監督が選任されたことを明かした。また、井端監督からの強い要望により侍ジャパンU-15代表との兼任することも発表された。
契約期間はラグザス presents 第3回WBSCプレミア12終了後の2024年11月末までを前提とし、その後については大会ごとに契約を継続・更新していく可能性を示唆した。その理由については、選考を進める上で「今後10年ほどは連年で国際大会が行われる可能性がある」との情報を入手したことにより、「10年先から逆算して、2・3年の短いスパンで常設監督の任期を捉えず、大会ごとにベストの日本野球を示すことが侍ジャパンのあるべき姿と考えました」と説明した。
続いて井端氏が挨拶をし、質疑応答に答えた。就任要請に対し「とても驚いたと同時に、こんなに光栄なことはないと思いました」と率直な思いを明かし、トップチームでの選手・コーチとしての経験、アマチュア世代での指導経験を最大限に生かし「全力で務めることが日本野球への恩返しになると思い、引き受けることにしました」と受諾理由を語った。
就任早々の来月には「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」(11月16日から19日まで東京ドームにて開催)が控える。この大会では優勝という目標に加え「今後の国際大会に向け、有望な若手選手を見いだす大事な大会」と意義を語った。
そして侍ジャパントップチームの理想像については「今、この瞬間も野球が上手くなるために努力している様々な世代の選手がいると思います。そうした選手たちが“いつかプレーしてみたい”と思う魅力ある侍ジャパンにしていきたいです」「様々な世代の野球に携わらせていただきました。トップチームは各世代の集大成であり夢でもある。一流の選手たちの魅力を最大限に引き出したいです」と意気込んだ。
日本球界全体と、その中での侍ジャパンの意義を熟知する井端新監督のもと、侍ジャパントップチームは新たな船出をすることとなった。