12月3日、侍ジャパン大学代表候補選手の強化合宿3日目が、愛媛県松山市の松山坊っちゃんスタジアムで行われた。
最終日となったこの日は、練習開始前のミーティングで、堀井哲也監督の指名により宗山塁(明治大)、渡部聖弥(大阪商業大)、笹原愛斗(九州共立大)、中村優斗(愛知工業大)、立石正広(創価大)の5名が、全員の前で抱負や最終日の目標などについて話をした。
その中でも、昨年からの代表経験者である宗山塁(明治大)は「この短期間でいかに一つになって束になって戦えるかが代表チームでは大事だと感じたので、コミュニケーションを取って頑張っていきましょう!」と選手たちに伝え、今年の日米大学野球に出場した渡部聖弥(大阪商業大)は「1日目、2日目は元気がなくてチーム一体となっていなかったので、最終日はみんなで声を出してやっていきましょう!」と雰囲気作りについて言及。その言葉通り、練習が始まるとこれまでとは打って変わり、声を出してお互いを鼓舞する姿や積極的に意見交換をする姿が印象的だった。
この日は、全体でシートノックが行われた後、野手はフリー打撃やトス打撃、50メートル走測定(光電管を使用した測定)を行い、投手はトレーナーと意見交換しながらトレーニングをして体と向き合う時間を過ごした。
50メートル走測定は毎回の合宿恒例で、昨冬と今夏の合宿ではトップの記録を出した宮崎一樹(山梨学院大/日本ハムドラフト3位指名)が一花咲かせ、ドラフト指名を手繰り寄せた。
今回トップとなったのは、5秒88の記録を叩き出した松川玲央(城西大)だ。結果について「50メートル走で1位を取ることがこの合宿の一つの目標だったので良かったです」と安堵の表情。2年生ながら、足を生かした打撃や守備範囲の広さを持ち味とする身長182センチの大型内野手にとって大きなアピールとなったに違いない。
また、2位には藤澤涼介(横浜国立大/5秒97)、3位には浦田俊輔(九州産業大/5秒99)の両3年生が続いた。
最後はこの日主将役を務めた佐々木泰(青山学院大)が「この合宿に選ばれたという自覚と責任をもった行動をしていきましょう」と締め、合宿の全日程が終了。選手同士やコーチングスタッフと意見交換をして学びを深めた3日間は、選手たちの技術面、精神面の双方で成長に繋がったに違いなく、これからの活躍がいっそう楽しみになるものだった。
監督・選手コメント
堀井哲也監督
「昨日の紅白戦を中心にその前後の練習も含め、予想していた以上のパフォーマンスを見させていただきました。非常に有意義な3日間でした。国際大会はルールや相手投手に苦戦する状況が考えられるので、投手は制球力と変化球、ピッチャー含めたディフェンスを基本に考えたうえで、野手は代打や代走といった一芸を含めたチーム編成を考えています。今年は侍ジャパンの各カテゴリーで明るい話題がありましたので、来年もその活躍に刺激を受けて、しっかりと成績を残したいです」
神里陸(國學院大)
※2日目の紅白戦で3ラン本塁打を放ちアピール
「日本一の捕手になるというのが自分自身の目標なので、ここで正捕手になるのが最低条件であって、アピールを続けて日本一の捕手になれるように頑張りたいです。捕手としてのスキルもですが、まずはバッティングを強化して打てる捕手になって相手に嫌がられる存在になりたいです」
篠木健太郎(法政大)
※2年生で代表入りし、3年生で代表落ちを経験
「この合宿は有意義な時間になりましたし、いろんな人と話すことができて楽しく過ごせて良かったなと思います。(代表への思いは)非常に苦しい思いも悔しい思いも味わっている中で、もう一度日の丸を背負って戦いたい思いがとても強くあります。最速160キロに到達するという大学4年間での目標を達成できるように、また代表に選んでいただけるようにこれからも頑張りたいです」
佐々木泰(青山学院大)
※大学でも主将に就任し、この日も主将役を務める
「今年の日米大学野球では自分としては悔しい結果で終わってしまったので、リベンジしたいと思ってこの合宿に来ました。(主将に指名されて)大学で仕切ったことがなく初めてだったのですが、いい感じでできたので大学で継続して頑張りたいと思います。今シーズンが人生で1番大事になる1年だと思うので、死に物狂いで頑張って良い1年にできるように、この冬頑張りたいと思います」
藤澤涼介(横浜国立大)
「全国レベルの人が集まる場所は初めての経験で圧倒されました。この合宿を経てまた夏の代表活動に参加したいなと思ったので、春季リーグでなんとしても結果を残してアピールして頑張りたいと思います」