9月5日、「第13回 BFA U18アジア選手権」(8日まで台湾)のオープニングラウンドを3連勝で通過した侍ジャパンU-18代表。予備日に設定されており試合が無かったこの日は、翌日から始まるスーパーラウンドに向けて公式練習を行った。
この日の練習には、パキスタン代表のジャン・ハスネン(青森・三沢高)も参加。同選手は代表に選出されて台湾へやってきたものの、パキスタン代表の国内在住選手が同国政府から「外交関係のない台湾に渡航はできない」と通達を受けたため台湾入りできず、選手数不足により棄権となり、大会参加の機会を失っていた。
そこで「今大会に参加する目的は勝つことだけではなく、アジアの野球の普及・発展のためでもある」という方針を持つ日本高校野球連盟がこの日の練習参加を打診し、実現に至った。
練習ではウォーミングアップから参加し、ティー打撃では小倉全由監督から個別に指導を受けるシーンもあり、フリー打撃では高校通算16本塁打のパワーを生かしてスタンドインもあり、選手・スタッフたちから大きな拍手が送られ、ホームランボールや記念品も手渡された。練習後には「こんなトップレベルの選手たちと練習させてもらって刺激になりました」と目を輝かせ、「この経験を活かして大学でも頑張って、パキスタン代表として、いつかこの選手たちと顔を合わせたいです」と将来を展望した。
この日の練習では打撃練習に多くの時間が割かれ、スーパーラウンドで戦うチャイニーズ・タイペイや韓国の投手陣の速球対策として、打撃投手を通常の投球距離の約半分の位置に立たせてフリー打撃を行った。その中でどの選手も快音を響かせ、小倉全由監督は「みんな速い球にも対応して打っていましたね」と目を細めて振り返った。
小倉監督や選手たちは「ここからが本当の勝負」と口を揃えており、前回大会(2018年)は韓国とチャイニーズ・タイペイに敗れて3位。そうしたこともあり、スーパーラウンドでのタフな勝負に向けて、チームの集中力はより高まっている。
まずは優勝した昨年の第31回 WBSC U-18ベースボールワールドカップでも決勝で世界一を争ったチャイニーズ・タイペイと、台北市の天母棒球場で日本時間6日19時半から対戦。白星を掴んで、決勝進出に近づくことを目指す。
監督・選手コメント
小倉全由監督
「チャイニーズ・タイペイは力があり、完成度も高いチーム。できることなら無失点でいって、接戦で勝ちにいくことが求められると思います。(ジャン・ハスネンが練習に参加し)チームが明るくなって良かったですね。バットの出方も良いので楽しみな選手。また、日本がいかに恵まれて、大事にしてもらえているかという感謝をあらためて感じましたね。日本の高校野球の素晴らしさを伝えて、模範となっていくように進んでいかないといけないと思っています」
中崎琉生(京都国際)
「優勝に向けて気持ちを切り替えて、挑戦者の気持ちでぶつかっていきたいです。攻撃にリズムを持っていけるような投球をしたいです。(ジャン・ハスネンとは)僕が甲子園でも2回対戦した青森山田の選手のことなどを話しました。野球に対して貪欲でポテンシャルの高い選手と感じましたし、野球がしたくてもできない現状があることを知って、自分たちの置かれている状況に感謝しないといけないと思いました。その気持ちを持って試合に臨みたいと思います」
石塚裕惺(花咲徳栄)
「まだまだチームに貢献できていないので、スーパーラウンドではチャンスで打てるようにしっかり準備していきたいです。近めの距離から速い球を投げてもらいましたが、良い感覚で打つことができました。(速球に対して)最短でバットを出すことや大学代表と試合したことを思い出して臨みたいと思います」
第13回 BFA U18アジア選手権
大会期間
2024年9月2日~9月8日
オープニングラウンド(グループB)
2024年9月2日(月)14:30 日本 19 - 0 香港
2024年9月3日(火)14:30 スリランカ 1 - 20 日本
2024年9月4日(水)19:30 日本 13 - 0 フィリピン
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
2024年9月6日(金)19:30 日本 1 - 0 チャイニーズ・タイペイ
2024年9月7日(土)19:30 日本 0 - 1 韓国
3位決定戦・決勝
2024年9月8日(日)19:30 日本 1 - 6 チャイニーズ・タイペイ
開催地
台湾(台北、桃園)
出場する国と地域
グループA
韓国、チャイニーズ・タイペイ、パキスタン、タイ
グループB
日本、フィリピン、香港、スリランカ