11月21日、「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」のスーパーラウンドが開幕し、侍ジャパンは東京ドームでアメリカと対戦。前回大会で敗れたアメリカに対し、中盤・終盤の要所で得点を重ねて9対1で大勝した。
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4回までは両先発による投手戦が展開された。侍ジャパンは髙橋宏斗(中日)が150キロ台中盤のストレートと140キロ台後半のフォークを中心とした投球で初回から三者連続三振を奪うなど、4回2安打8奪三振と好投し試合を作った。
一方、今季もレッドソックスで4試合に登板するなどMLBの現役選手で最年長の44歳左腕リッチ・ヒルが140キロ台前半のストレートと110キロ台後半のカーブで4回1安打5奪三振と侍ジャパン打線を手玉に取った。
均衡が破れたのは5回。侍ジャパンは2番手として隅田知一郎(西武)がマウンドに上がったが、今季のマイナーリーグで31本塁打を放った先頭のコルビー・トーマスにレフトスタンド上段に飛び込む先制本塁打を浴びた。
だが侍ジャパンも、苦戦していたヒルから2番手のダレル・トンプソンに代わると、源田壮亮(西武)、佐野恵太(DeNA)、坂倉将吾(広島)の3連打で同点に。なおも代わったオースティン・ヴァーノンから小園海斗(広島)が「必死に食らいついた結果です」と三塁打を放って2点を勝ち越した。
5回に先制を許した隅田も6回は持ち直し三者凡退に抑えると、7回は北山亘基(日本ハム)が先頭打者に四球こそ出すものの、その後の3人を冷静に抑えると、その裏に再び小園のバットが火を吹く。ゼイン・ミルズの甘く入ったストレートを見逃さずに振り抜くと打球はライトスタンドへ。「自分でも興奮しています」と振り返る会心の一打は、貴重な追加点となる3ラン本塁打となった。
さらに8回は藤平尚真(楽天)が1安打のみに抑えると、その裏に桑原将志(DeNA)のタイムリーと小園のこの日2本塁打目、7打点目となるライトスタンドへの2ラン本塁打でダメ押し。「走者を置いての打撃は球界トップクラス」と、かねてから井端監督が評価する期待に対して、十二分に応えた。
そして最終回は横山陸人(ロッテ)が153キロのストレートでトーマスから空振り三振を奪うなど無失点で試合を締めて試合終了。大事なスーパーラウンド初戦で白星を挙げた。
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スーパーラウンド第2戦となる22日は19時から東京ドームで、グループA1位のベネズエラと対戦。ベネズエラは21日正午に行われたチャイニーズ・タイペイ戦でも2対0と勝利した。この日のように投打を噛み合わせ、連勝で決勝進出に近づきたいところだ。
監督・選手コメント
井端弘和監督
「アメリカ打線は一発がある中、ほぼ完璧に抑えてくれました。点差はつきましたが難しい試合の中で選手がよく頑張ってくれました。髙橋投手が良い流れを作ってくれましたし、すぐに逆転できたことや追加点も大きかったです。(髙橋の継投のタイミングについて)70球を全力で投げていて100球を超えるエネルギーを使っていると感じたので代えました。(ベネズエラ戦について)1番からズラッと長打を打てる打者がいるので、今日の髙橋投手のように自分のボールを信じて投げ込んで欲しいです」
髙橋宏斗(中日)
「スーパーラウンドの流れを決める試合だと思ったので、重圧はありましたが無失点で抑えることができて良かったです。前回の韓国戦はストレートとスプリット以外の球が良くなかったのですが、今回はそうした球も良かったので“ストレートとスプリットだけじゃないぞ”と思わせることができました。坂倉さんとも良いコミュニケーションが取れて、良いリードをしてもらいました」
マイク・ソーシア監督
「先発のヒルがタフな投球をしてくれて前半は良かったですが、その後にミスが多かったですね。髙橋投手はストレートもスプリットも素晴らしかったです。我々も素晴らしい選手が揃っているので、気持ちを切り替えてポジティブに戦うことが大事になってくるでしょう」
コルビー・トーマス
「一生懸命戦いましたが相手の打線の方が上回ってしまいました。(本塁打は)良いエネルギーで高い集中力のもと良いスイングができました。(次戦以降について)1年以上同じチームでプレーしているような素晴らしい雰囲気があります。初戦に負けてから勝ち上がったオープニングラウンドのように巻き返していきたいです」
ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12
試合日程
オープニングラウンド(グループB)
2024年11月13日(水)19:00 日本 9 - 3 オーストラリア
2024年11月15日(金)19:00 日本 6 - 3 韓国
2024年11月16日(土)19:00 チャイニーズ・タイペイ 1 - 3 日本
2024年11月17日(日)19:00 日本 7 - 6 キューバ
2024年11月18日(月)19:00 ドミニカ共和国 3 - 11 日本
スーパーラウンド
2024年11月21日(木)19:00 日本 9 - 1 アメリカ
2024年11月22日(金)19:00 日本 9 - 6 ベネズエラ
2024年11月23日(土)19:00 日本 9 - 6 チャイニーズ・タイペイ
決勝
2024年11月24日(日)19:00 日本 0 - 4 チャイニーズ・タイペイ
開催球場
オープニングラウンド(グループB)
バンテリンドーム ナゴヤ、台北ドーム、天母スタジアム
スーパーラウンド・決勝・3位決定戦
東京ドーム
出場チーム
グループA
メキシコ、アメリカ、ベネズエラ、オランダ、パナマ、プエルトリコ
グループB
日本、韓国、チャイニーズ・タイペイ、キューバ、ドミニカ共和国、オーストラリア