11月22日、「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」のスーパーラウンドの第2戦が行われ、侍ジャパンは東京ドームでベネズエラと対戦。実績豊富な選手やウィンターリーグの主力選手が集まった布陣のベネズエラに対して大苦戦を強いられたが、9対6で勝ちきり決勝進出に王手をかけた。
「1番からズラッと長打を打てる打者がいる」(井端弘和監督)、「打線全員に一発がある」(金子誠ヘッドコーチ)と首脳陣が強い警戒をしていた通り、ベネズエラの打線は脅威だった。
1回表、才木浩人(阪神)が死球こそ出すが3三振を奪って幸先の良い立ち上がりを見せると、その裏に打線がさっそく繋がる。今季フィリーズでも6試合に登板したリカルド・ピントに対して、小園海斗(広島)、辰己涼介(楽天)、森下翔太(阪神)の3連打で2点を先制。だがオマル・ロペス監督が、打者6人を終えたところで「ピントに次ぐ重要な投手ですし、日本の野球に慣れている、知っているので」と元巨人の左腕ヨアンデル・メンデスを投入。メンデスは源田壮亮(西武)の併殺崩れの間に1点を失うものの後続を断ち切った。
すると直後の2回。アンヘル・レイエスが才木の甘く入ったストレートをバックスクリーン横に突き刺す特大の2ラン本塁打を放って、1点差に詰め寄った。
侍ジャパン打線はメンデスの前に2回、3回と走者を出すものの、あと1本が出ず。4回と5回はリアビス・ベレトの前に得点を奪えないでいると、6回から登板した井上温大(巨人)がベネズエラ打線に捕まる。カルロス・E・ペレスに追い込んでからのスライダーを上手くレフトスタンドに運ばれ、これが逆転2ランに。さらに四球と安打でピンチを招くと、フランシスコ・アルシアにもタイムリーを浴びた。さらなる追加点は坂倉将吾(広島)や内野陣の好判断で防いだものの2点のリードを許した。
それでもその裏に侍ジャパン打線が繋がる。坂倉が右中間スタンドにソロ本塁打を放つと、その後も辰己の安打や各打者がボール球に手を出さず堪えて四球を選んで満塁に。ここでマウンドに上がったペドロ・ガルシアから栗原陵矢(ソフトバンク)が押し出し四球を選んで同点。さらに牧秀悟(DeNA)が2球続いたスライダーを狙い澄ましたかのようにレフトスタンドへ運ぶ勝ち越しの満塁本塁打。スタンドと侍ジャパンベンチの喜びが爆発した。
そしてここからは鈴木昭汰(ロッテ)、清水達也(中日)、藤平尚真(楽天)が踏ん張って無失点で繋ぐと、最終回は大勢(巨人)が登板。ベネズエラ打線も粘り、カルロス・J・ペレスのタイムリーで1点を返されるが、最後は141キロのフォークで、この日3安打を放っていたエルリス・ロドリゲスを空振り三振に抑え、試合終了。息詰まる熱戦を制して、侍ジャパンが決勝進出に王手をかけた。
スーパーラウンド最終戦は23日に行われ、侍ジャパンは19時から東京ドームでチャイニーズ・タイペイと対戦。正午から行われるベネズエラ対アメリカでベネズエラが敗れれば試合前に決勝進出が決まるが、ベネズエラが勝った場合はチャイニーズ・タイペイとの試合結果により決勝進出が決まる(侍ジャパンが勝てば首位で決勝進出、敗れるとアメリカ以外の3チームが2勝1敗で並び決勝進出は当該チーム間での得失点率で決まる)。
監督・選手コメント
井端弘和監督
「初回に3点を先制できたのですが、2・3回とチャンスで点が取れずこうした展開になってしまいました。それでも6回に繋いで繋いでからのホームランが大きかったです。(ベネズエラについて)予想通りではありましたが、なかなか三振しない打者がたくさんいて、ファウルにする中で上手く対応し、才木投手のフォークも見逃していました。特有の間の取り方も嫌でしたね。次に対戦する時は気をつけたいです」
牧秀悟(DeNA)
「3点を取ってから、なかなか追加点が取れなかったことは反省です。坂倉のホームランで良い流れが生まれ、その後も繋いでもらったので楽な気持ちで打席に入ることができました。(チャイニーズ・タイペイ戦に向けて)オープニングラウンドはアウェーの空気の中で勝つことができましたが、明日は日本の応援の力とともに戦っていきたいです」
オマル・ロペス監督
「とても良い試合でした。唯一の誤算は先発のピントが良くなく、序盤から投手をつぎ込んでいきましたが点差が広がってしまいました。(これだけの優秀な選手たちを揃えられたことについて)自慢めいてしまいますが、私が各選手とコミュニケーションを取って説得したからです。私がWBCの監督をした経験も生きていると思います。そして、このプレミア12が大変素晴らしいベストな大会であるというビジョンを伝えてきました。ずっと永遠に続くべき大会で、ぜひ各国がサポートしていくべきだと思います」
カルロス・ペレス・エデュアルド
「非常に良いプレーができました。これぞベネズエラという諦めない野球ができました。我々のモチベーションは高く、ベネズエラの国のために戦っています。明日も今日と同じように誇りを持って全力を尽くします」
ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12
試合日程
オープニングラウンド(グループB)
2024年11月13日(水)19:00 日本 9 - 3 オーストラリア
2024年11月15日(金)19:00 日本 6 - 3 韓国
2024年11月16日(土)19:00 チャイニーズ・タイペイ 1 - 3 日本
2024年11月17日(日)19:00 日本 7 - 6 キューバ
2024年11月18日(月)19:00 ドミニカ共和国 3 - 11 日本
スーパーラウンド
2024年11月21日(木)19:00 日本 9 - 1 アメリカ
2024年11月22日(金)19:00 日本 9 - 6 ベネズエラ
2024年11月23日(土)19:00 日本 9 - 6 チャイニーズ・タイペイ
決勝
2024年11月24日(日)19:00 日本 0 - 4 チャイニーズ・タイペイ
開催球場
オープニングラウンド(グループB)
バンテリンドーム ナゴヤ、台北ドーム、天母スタジアム
スーパーラウンド・決勝・3位決定戦
東京ドーム
出場チーム
グループA
メキシコ、アメリカ、ベネズエラ、オランダ、パナマ、プエルトリコ
グループB
日本、韓国、チャイニーズ・タイペイ、キューバ、ドミニカ共和国、オーストラリア