12月2日、来夏に日本で開催予定の「第45回 日米大学野球選手権大会」に向けた侍ジャパン大学代表の候補選手強化合宿最終日が愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで行われた。
この日はウォーミングアップやキャッチボールが行われた後すぐにフリー打撃を開始。投手陣は各自での調整や、前日に機器で計測した数値のフィードバックを専門のスタッフから受けた。
フリー打撃では、合宿初日のティー打撃での打球速度測定で164キロを計測した立石正広(創価大)が、この日も2本の柵越えを放つなど、ひときわ大きな打球音を球場に響かせた。また、その後には自主練習が行われ、前日同様に積極的な意見交換が至るところで行われた。
練習の最後に堀井哲也監督は日米大学野球を見据え「アメリカの150キロを超える球をどう打つか、フルスイングの相手をどう守るか。それが皆さんの目指すプロや優勝に繋がっていくと思うので、その基準を持って半年取り組んでもらって、また来年の6月(選考合宿)に会えたら嬉しいです」と選手たちに声をかけた。
また、この日の主将役を務めた立石は「いろんな人と話をして。たくさんのことを学んだと思います。みんなで引っ張ってそれぞれのリーグ戦を頑張りましょう」と挨拶。こうして、天候にも恵まれ充実の内容となった3日間の合宿を打ち上げた。
すべての予定を終えて堀井監督は「来年の選手編成に対してのイメージ作り」と「アメリカ代表との5試合を念頭に置いて、強化して欲しい点を伝える」の2点ができたことを収穫に挙げた。そして「リーグ戦や全国大会で見た選手もより厚く見ることができましたし、初めて見た選手でも面白い選手がたくさんいました」とし「今回も日本の大学野球の層の厚さを感じました」と振り返った。
フリー打撃で数多くの快音を響かせた立石については、昨年と今年の代表で大活躍した西川史礁(青山学院大/ロッテドラフト1位)や渡部聖弥(大阪商業大/西武ドラフト2位)らに匹敵するものがあると高く評価。欧州遠征では打撃不振に喘いだが、堀井監督は「シンプルに考えられるようになったと本人から聞きました。割り切って自分を追い込んで欲しい。単純な練習やトレーニングをハードにやることが成長に繋がると思うので」と期待をかけた。
昨年の日米大学野球ではアメリカ開催では史上2回目の優勝という快挙を達成。大会3連覇がかかる来年の大会に向け、この合宿で得たことを各選手たちがいかにして冬場、取り組んでいくかが重要となっていきそうだ。
選手コメント
立石正広(創価大)
「(今夏の欧州遠征は不振に終わり)リベンジしたい気持ちはありますね。日米大学野球は今年の国際大会よりレベルが高いと思いますし、その中で4番を打ち続けることが大きいと思うので、そうなりたいです。あとは日本開催なので親や兄弟にも見てもらえるかなと思います。打球速度は長所の1つなので、実戦の中で当てにいかないようにしていきたいです。守備もこの冬は鍛えていきたいですし、変化球への対応に加えて、本塁打にもこだわっていきたいです」
勝田成(近畿大)
「レベルの高い選手たちと野球をやらせてもらい刺激を受けました。(初日に主将役を務め)小・中・高と主将はやったことが無かったのですが、大学でも主将になったので背中で見せる主将を目指しています。この冬は課題の打撃で強く飛ばすこととともに、コンタクト率を上げられるようにしていきたいです」
繁永晟(中央大)
「楽しくできました。(2日目に主将を務め)活気づけることもできたと思います。今夏の国際大会では上位打線に西川さんや渡部さんがいて差を感じたので、侍ジャパンのクリーンアップを打てるようになりたいです。体づくりを重点的に行い、体重を増やすとともに筋力も高めていきたいです」