韓国・古参と新鋭が調和した強力打線が脅威
11月に行われる国際大会「WBSC世界野球プレミア12」(以下、「プレミア12」)。この大会で世界一を目指す、野球日本代表「侍ジャパン」が初戦で顔を合わせるのは、これまでの対戦で熱戦を繰り広げてきた宿敵・韓国だ。トップチーム同士の対戦としては2009年のワールドベースボールクラシック(WBC)決勝戦以来、6年ぶりとなるこの両者。今回の韓国代表はどのようなメンバーでプレミア12に挑んでくるのか。
日本でも馴染みのある、主砲とエースとクローザー
代表28選手の中で、日本で最も馴染みがあるのは主砲のイ・デホ(福岡ソフトバンク、33)だろう。2012年の来日以来、NPB4年間の通算成績は打率.293、98本塁打、348打点を残し、チームの中軸として活躍している。過去の国際大会でも韓国代表の中心打者として役割を果たしてきた。
投手では2008年の北京オリンピックで日本戦に2度先発し好投した、左腕のキム・グァンヒョン(SK、27)がいる。今季は14勝(6敗)を挙げ、3年連続2けた勝利をマーク。韓国の先発陣では、実績と代表経験を備えた唯一の存在だ。キム・グァンヒョンには開幕戦となる日本戦先発に注目が集まる一方で、2009年のWBCでは先発した日本戦で8失点を喫するなど、日本には研究しつくされた面もある。そのため、エースではあるが日本戦を回避する可能性もありそうだ。
クローザーには2012年まで東京ヤクルトに5年在籍し、通算128セーブを残したイム・チャンヨン(サムスン、39)が控える。ヤクルト退団後は米大リーグを経て、韓国球界に復帰。復帰2年目の今季はリーグトップの33セーブを挙げている。39歳を迎え、全盛期ほどの球速はないものの、その存在感は健在だ。
その他に日本で知られる選手では、イ・デウン(千葉ロッテ、26)が代表入りした。高校卒業後、米マイナーでプレーし、昨オフに千葉ロッテに入団したイ・デウンは韓国でのプロ経験はなく、トップチームの代表入りも今回が初。速球派右腕として期待されてのエントリーとなった。
勝敗のカギを握る、ニューヒーローたち
日本にとって警戒すべき選手は、前出の面々だけではない。今大会では日本であまり馴染みのない選手たちが、韓国のキーマンとなる。韓国は過去の日本戦で、ク・デソン(元オリックスなど)、キム・グァンヒョン、ポン・ジュングン(LG)の先発左腕が打者を封じてきた。今回、その役割として期待されるのが、同じく左腕のチャ・ウチャン(サムスン、28)だ。
チャ・ウチャンは140キロ台後半の直球とスライダー、チェンジアップを持ち球に、シーズン後半からはスプリットの割合を増やして、リーグトップの194奪三振を記録した。防御率は4.79と打高投低のリーグの中でも、決して良いとは言えないが、昨年までリリーフも経験してきた左腕は、短期決戦の重要な局面で力を発揮する可能性を秘めている。
打者ではイ・デホとともに打線の中軸を務める右打者、パク・ピョンホ(ネクセン、29)が、最も注目すべき存在だ。今季、韓国初の2年連続50本塁打を記録。4年続けて本塁打と打点の二冠を獲得した韓国最強打者だ。広いスタンスの構えから、太い二の腕が見せるアッパースイングは、打球がセンターのスコアボードの上を超す程の飛距離を誇る。パワーだけではなく左右に打ち分ける技術もあり、日本球界で例えると、全盛期のアレックス・カブレラ(元西武など)を思わせるスラッガーだ。
また走攻守、三拍子揃った「韓国の柳田」とも言えるのが、外野手のナ・ソンボム(NC、26)だ。今季の成績は打率.326、28本塁打、23盗塁、135打点でトリプルスリーを狙える能力を持っている。この選手が上位または下位に座る打線は脅威だろう。
打力のチームの韓国。投手戦なら日本に勝機?
その他の野手には捕手のカン・ミンホ(ロッテ、30)、二塁手のチョン・グンウ(ハンファ、33)、外野手のキム・ヒョンス(トゥサン、27)、イ・ヨンギュ(ハンファ、30)など実績に加え、豊富な代表経験がある選手が揃う韓国代表。打力では日本に引けを取らないだろう。
一方で投手は、国内での実績は申し分ない右の先発のユン・ソンファン(サムスン、34)、右のセットアッパーのアン・ジマン(サムスン、32)、左のチョン・ウラム(SK、30)らが、トップチームが揃う国際大会で、どのような投球をするかが韓国にとっては重要となる。
11月8日、札幌ドームで迎えるプレミア12開幕戦、日本対韓国。古参と新鋭が調和した韓国強力打線を、侍ジャパン投手陣がどう封じるかが見どころとなりそうだ。
※( )内は所属チームと年齢
※写真は2013年ワールドベースボールクラシック開催時のもの
世界野球WBSCプレミア12 開幕戦
日程 | 試合開始 | 球場 | カード | 放送 | チケット |
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11月8日 (日) | 19:00 | 札幌ドーム | 日本vs.韓国 | テレビ朝日系列 | 発売中 |